
Oboe Concertos / カーロイ・ボトヴァイ、他
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前古典派の オーボエ協奏曲集!
ラヨシュ・レンチェシュのオーボエと ブダペスト・ストリングスによる 18世紀前半の オーボエ協奏曲集。
最初は ストゥリックのオーボエ協奏曲 ハ短調 Adagioの冒頭を聴くと驚くかもしれません! 元気なAllegroに挟まれた 健康的な作品です。
グラウプナーの オーボエ・ダモーレ協奏曲 ニ長調 バロックの香りの残る4楽章形式の作品。オーボエ・ダモーレの 渋めの音色に端正な演奏がいい。終楽章は 長い流れるような旋律が 古典派音楽への架け橋になっています。
次が フォルスターのオーボエ協奏曲 ハ短調 クールな古典派らしい第1楽章に続くのが、寒々とした歌のLargo。そして終楽章は バロック風。
最後におまけが1曲。 ディッタースドルフの交響曲の オーボエソロが活躍する 緩徐楽章。こちらは 古典派らしい 長い旋律を伸び伸びと歌う 気持ち良さそうなオーボエが聴けます。
前古典派の知られざるオーボエ協奏曲が3曲楽しめますが、もう一歩形式に乗り切れていない感じもしました。最も印象に残ったのが、オマケのディッタースドルフだったので。演奏が悪くないだけに ちょっぴり残念な感じも…
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北十字さんが書いたメンバーズレビュー
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クリスティ指揮の ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル:ゲニア・キューマイアー ウリエル:トビー・スペンス ラファエル:ディートリヒ・ヘンシェル エヴァ:ゾフィー・カルトホイザー アダム:マルクス・ヴェルバ レ ザール フロリサン(合唱:8-7-6-7)(弦:7-7-5-4-2+フォルテピアノ) 指揮:ウィリアム・クリスティ 通奏低音はフォルテピアノとチェロとコントラバス フォルテピアノ:ベノワ・アートワ チェロ:デヴィッド・シンプソン コントラバス:ジョナサン・キャプレ フォルテピアノは歌の通奏低音としても参加しています。フォルテピアノがクリストフォリのような甘く雅な音色なのが素敵です。 2007年7月のセッション録音。
クリスティのキビキビとした 推進力あふれる演奏は、古典派らしい端正さと、積極的 かつ 自然な装飾でお洒落に装ったスタイルが魅力的です。 オーケストラの透明感のある響きも美しいです。 それぞれの歌手に装飾やアインガンクを加えた歌唱を実施させて?(自由に歌わせて?)います。 キューマイアーの清楚な声と、可憐で落ち着いた装飾を加えた歌唱がガブリエルにピッタリで アリアの度にワクワクさせられます。 スペンスは時に地声を織り交ぜたりと、幅広い情景描写を聴かせてくれます。 ヘンシェルの温かな低音の魅力は、レチタティーヴォでの説得力のある語りにピッタリです。 カルトホイザーの真っ直ぐな声とヴェルバの包容力のある声も素敵です。
惜しむらくは、ディスクの交換が 第2部の途中になっていること。場面の変わる第3部の前、もしくはハイドンの意図した3部制に沿っての編集が成されていないのが残念です。
ピリオド楽器による演奏ですが、20世紀後半のバロック音楽の援用スタイルと離れた、古典派音楽としてのピリオドスタイルを追求したスタイルです。ただテンポは現代的なスマートさを生かした軽快な演奏になっています。モダンな気持ち良いリズムの演奏を、当時の音で聴くようなアルバムに仕上がっているといえます。 初めて『天地創造』を聴く方にも 過不足のないアルバムとして推薦できます。
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クリスティ指揮の ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル:ゲニア・キューマイアー ウリエル:トビー・スペンス ラファエル:ディートリヒ・ヘンシェル エヴァ:ゾフィー・カルトホイザー アダム:マルクス・ヴェルバ レ ザール フロリサン(合唱:8-7-6-7)(弦:7-7-5-4-2+フォルテピアノ) 指揮:ウィリアム・クリスティ 通奏低音はフォルテピアノとチェロとコントラバス フォルテピアノ:ベノワ・アートワ チェロ:デヴィッド・シンプソン コントラバス:ジョナサン・キャプレ フォルテピアノは歌の通奏低音としても参加しています。フォルテピアノがクリストフォリのような甘く雅な音色なのが素敵です。 2007年7月のセッション録音。
クリスティのキビキビとした 推進力あふれる演奏は、古典派らしい端正さと、積極的 かつ 自然な装飾でお洒落に装ったスタイルが魅力的です。 オーケストラの透明感のある響きも美しいです。 それぞれの歌手に装飾やアインガンクを加えた歌唱を実施させて?(自由に歌わせて?)います。 キューマイアーの清楚な声と、可憐で落ち着いた装飾を加えた歌唱がガブリエルにピッタリで アリアの度にワクワクさせられます。 スペンスは時に地声を織り交ぜたりと、幅広い情景描写を聴かせてくれます。 ヘンシェルの温かな低音の魅力は、レチタティーヴォでの説得力のある語りにピッタリです。 カルトホイザーの真っ直ぐな声とヴェルバの包容力のある声も素敵です。
惜しむらくは、ディスクの交換が 第2部の途中になっていること。場面の変わる第3部の前、もしくはハイドンの意図した3部制に沿っての編集が成されていないのが残念です。
ピリオド楽器による演奏ですが、20世紀後半のバロック音楽の援用スタイルと離れた、古典派音楽としてのピリオドスタイルを追求したスタイルです。ただテンポは現代的なスマートさを生かした軽快な演奏になっています。モダンな気持ち良いリズムの演奏を、当時の音で聴くようなアルバムに仕上がっているといえます。 初めて『天地創造』を聴く方にも 過不足のないアルバムとして推薦できます。
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ヘンゲルブロック指揮の ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル:シモーネ・ケルメス ウリエル:スティーヴ・ダヴィスリム ラファエル:ヨハネス・マンノフ エヴァ:ドロテー・ミールズ アダム:ロッキー・チャン スイス・ロマンド合唱団 バルタザール=ノイマン合唱団 バルタザール=ノイマンアンサンブル(6-5-4-4-2+フォルテピアノ) 指揮:トーマス・ヘンゲルブロック 通奏低音はフォルテピアノとチェロ。 フォルテピアノ:ミヒャエル・ベーリンガー フォルテピアノは レチタティーヴォの他、一部のアリアで通奏低音として参加しています。 2001年7月のセッション録音。
ヘンゲルブロックは 思い切ったテンポとダイナミクス、それにフレージングの見直しも行い、鮮やかな『天地創造』を描き出しています。歌唱の伴奏でのおとなしさと、オーケストラの間奏での躍動感との対比が鮮やかです。 ソロの歌唱は、小さな装飾やアインガンクを折々に、そして自然に織り込み、素敵な輝きをもった歌を作り出しています。 印象的なソリストは、ダヴィスリムの柔らかで滑らかなロマンチックな歌唱が絶品です。そして日本でもお馴染みの、ミールズのエヴァの優しさあふれる温かな歌唱も心が打たれます。
CDの1枚目に第1部と第2部を収録。アダムとエヴァの第3部を2枚目に収録と、作品の内容に合ったように編集されています。
バロック音楽の描写的や即興的表現の強調が感じられるスタイルに、ロマン派のような滑らかな美しさを追求するような音の流れも素敵な音楽になっています。 ですので、ピリオドスタイルのアルバムをお持ちの方や ダイナミックなモダンスタイルのアルバムをお持ちの方にも 聴き比べの1枚としてお薦めできるアルバムです~但し、中途半端と言われるかもしれませんが~ 中庸的なスタイルと考えれば、初めて『天地創造』を聴く方のアルバムとしてもお薦めできる1枚です。
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ヘンゲルブロック指揮の ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル:シモーネ・ケルメス ウリエル:スティーヴ・ダヴィスリム ラファエル:ヨハネス・マンノフ エヴァ:ドロテー・ミールズ アダム:ロッキー・チャン スイス・ロマンド合唱団 バルタザール=ノイマン合唱団 バルタザール=ノイマンアンサンブル(6-5-4-4-2+フォルテピアノ) 指揮:トーマス・ヘンゲルブロック 通奏低音はフォルテピアノとチェロ。 フォルテピアノ:ミヒャエル・ベーリンガー フォルテピアノは レチタティーヴォの他、一部のアリアで通奏低音として参加しています。 2001年7月のセッション録音。
ヘンゲルブロックは 思い切ったテンポとダイナミクス、それにフレージングの見直しも行い、鮮やかな『天地創造』を描き出しています。歌唱の伴奏でのおとなしさと、オーケストラの間奏での躍動感との対比が鮮やかです。 ソロの歌唱は、小さな装飾やアインガンクを折々に、そして自然に織り込み、素敵な輝きをもった歌を作り出しています。 印象的なソリストは、ダヴィスリムの柔らかで滑らかなロマンチックな歌唱が絶品です。そして日本でもお馴染みの、ミールズのエヴァの優しさあふれる温かな歌唱も心が打たれます。
CDの1枚目に第1部と第2部を収録。アダムとエヴァの第3部を2枚目に収録と、作品の内容に合ったように編集されています。
バロック音楽の描写的や即興的表現の強調が感じられるスタイルに、ロマン派のような滑らかな美しさを追求するような音の流れも素敵な音楽になっています。 ですので、ピリオドスタイルのアルバムをお持ちの方や ダイナミックなモダンスタイルのアルバムをお持ちの方にも 聴き比べの1枚としてお薦めできるアルバムです~但し、中途半端と言われるかもしれませんが~ 中庸的なスタイルと考えれば、初めて『天地創造』を聴く方のアルバムとしてもお薦めできる1枚です。
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ウィーン少年合唱団が歌う ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル:マックス・エマヌエル・チェンチッチ エヴァ:ゲルトラウト・シュミット ウリエル:クリスチャン・バウアー ラファエル/アダム:エルンスト・ヤンコヴィッチ ウィーン少年合唱団、ウィーン合唱団 ウィーン・フォルクスオパー管弦楽団 指揮:ペーター・マルシク 通奏低音はモダンチェンバロとチェロ。演奏者の記載はありません。モダンチェンバロはレチタティーヴォのみ参加です。 1994年5月のライヴ録音。
ウィーン少年合唱団を前面に推し出したアルバム。合唱の女声が少年合唱。さらに 天使ガブリエルもウィーン少年合唱団卒の男声ソプラノの歌唱です。 マルシクの折り目正しい指揮は、等身大のハイドンの姿を優しく描いています。ソロの歌手の個性を引き出した素直で聴きやすい演奏。 描写音楽の箇所も音楽の流れに合わせたスタイル。ただ オーケストラについてはソロで動くフレーズなどでの荒さが散見されます。 チェンチッチの歌唱は 線が細いものの、小さなアインガンクや装飾なども加えた積極的な歌唱を聴かせてくれます。 バウアーの凛とした清楚で真っ直ぐな 美しく丁寧で細かな表情をもった語りと歌唱は、このアルバムの白眉ともいえます。 ヤンコヴィッチの端正な落ち着いた低音は、大人の魅力のように聴こえてきます。 そして第3部のエヴァを女性のソプラノ、シュミットに交替させたのは 配慮がしっかりと行き届いた配役ですね。
ライヴ録音ですが 3日間の収録となっており、ノイズ(拍手も!)のカットができています。同じメンバーによるDVDとは異なった編集がされています。
残念なのが、第2部の途中で2枚目のディスクに交換という編集。ストーリーに合わせて、1枚目に第2部の最後までを収録してもらいたかったです。
宗教音楽の女声パートを少年合唱、男声ソプラノで聴きたい方には絶好のアルバムになっています。もちろんそれだけではなく、真摯な演奏にも好感のもてる演奏になっています。勿論、他のアルバムとの聴き比べに選ぶ隠し玉になる1枚です。 特別な違和感もなく、ハイドンの明るい姿がしっかりと感じられる素直な演奏は、初めて聴く方にも 安心してお薦めできます。
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ウィーン少年合唱団が歌う ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル:マックス・エマヌエル・チェンチッチ エヴァ:ゲルトラウト・シュミット ウリエル:クリスチャン・バウアー ラファエル/アダム:エルンスト・ヤンコヴィッチ ウィーン少年合唱団、ウィーン合唱団 ウィーン・フォルクスオパー管弦楽団 指揮:ペーター・マルシク 通奏低音はチェンバロとチェロ。 チェンバロはレチタティーヴォのみ参加です。 1994年5月のウィーン楽友協会でのライヴの録画。
ウィーン少年合唱団を前面に推し出したアルバム。合唱の女声パートが少年合唱です。 マルシクの折り目正しい指揮は、等身大のハイドンの姿を優しく描いています。ソロの歌手の個性を引き出した素直で聴きやすい演奏。 描写音楽の箇所も音楽の流れに合わせたスタイル。ただ オーケストラについてはソロで動くフレーズなどでの荒さが散見されます。 チェンチッチの歌唱は 線が細いものの、小さなアインガンクや装飾なども加えた 立派な歌唱を聴かせてくれます。 バウアーの凛とした清楚で真っ直ぐな 美しく丁寧で細かな表情をもった語りと歌唱は、このアルバムの白眉ともいえます。 ヤンコヴィッチの端正な落ち着いた低音は、大人の魅力のように聴こえてきます。 そして第3部のエヴァを女性のソプラノ、シュミットに交替させたのは 配慮がしっかりと行き届いた配役です。
ライヴ録画ですが、同じ音声を元に作られたCDとは(収録日数も)異なっており、こちらは聴衆のノイズも多少あるライヴ感のある音に仕上がっています。
映像つきなので、臨場感も感じられのがいいですね。画像は今観ると少し古めかしい感じも否めませんが、映像と音のズレ(音が先になること)もほとんどなく、ストレスなく観ることができます。 宗教音楽の女声パートを少年合唱で聴きたい方には絶好のアルバムになっています。もちろんそれだけではなく、情感あふれる真摯なスタイルにも好感のもてる演奏となっています。 特別な違和感もなく、ハイドンの天真爛漫な音楽がしっかりと感じられる演奏は、初めて聴く方にも 安心してお薦めできます。
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ルイージ・マルケージのアリエッタとその周辺の室内楽集!
18世紀後半のロンドンで聴かれたルイージ・マルケージのアリエッタと、それとともに聴かれた作品を集めた、とても魅力的なアルバムです。 フランチェスカ・カッシナーリのソプラノと『スティーレ・ガランテ』による演奏。
収録作品はマルケージと同時期に活動をした3人の作曲家の器楽作品を織り交ぜています。 ルイージ・マルケージ 🎵アリエッタ集 作品1(全6曲) 🎵アリエッタ集 作品2(全6曲)
アンネ=マリー・クルムフォルツ 🎵新しい序奏とピエモンテのエールによる変奏曲 🎵クルムフォルツ氏によるメヌエットとその夫人による変奏曲
ジェイムズ・チェルヴェット 🎵2本のチェロのための二重奏曲 ハ長調
ヴェロニカ・チャンケッティーニ 🎵ピアノフォルテのためのソナタ
どれも古典派らしい、優しい旋律に心が温まる作品ばかりです。
日本ではまったく知られていない作曲家ですが、とても魅力的な音楽ばかりです。ピリオド楽器で明るく快活な演奏を聴かせてくれます。 古典派音楽の好きな方であれば、驚き、かつ顔がほころぶこと間違いなしのアルバムです。もちろん モーツァルトの音楽の好きな方ならば、自信をもってお薦めできます。
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シュペルガーのコントラバス協奏曲集!
ハイドンの『告別』交響曲に応えた、『到着』交響曲を書いたことで知られるシュペルガーの 本領発揮のコントラバス協奏曲が3曲聴ける 好企画盤。
ヤン・クリゴフスキーのコントラバス、コレギウム ヴァルトベルク430(3-3-2-1-1+チェンバロ)による演奏。
収録作品は すべてシュペルガー作曲の 🎵コントラバス協奏曲第2番 ニ長調 🎵コントラバス協奏曲第3番 変ロ長調 🎵コントラバス協奏曲第4番 ヘ長調 クリゴフスキーのアグレッシヴな演奏は、古典派の穏やかな作品に 生命力と躍動感を加えています。一部のカデンツァがモダン過ぎて唖然とさせられたりもしますが、それは些細。
ニ長調の協奏曲は、管楽器が加わり後期の古典派らしく鮮やかなさ色彩感を加えたオーケストラが素敵です。 変ロ長調の協奏曲では、オーケストラのティンパニが活躍。力漲るリズムで鼓舞するオーケストラの煽りを聴くのが楽しいです。 ヘ長調の協奏曲では なんと オーケストラにダルシマーが加わっていて、独特の色合いにワクワクさせられます。そしてダルシマー(の弱音までも!)がしっかりと聴こえる素晴らしい録音に仕上がっています。なお、ダルシマーは通奏低音ではなく、ひとつのパートとして弾かれています。通奏低音のチェンバロも加わっています。
クリゴフスキーの妙技とシュペルガーの古典派の枠内での実験的な音楽が融合した 充実した響きを紹介してくれる素晴らしいアルバムです。
古典派音楽ファンやコントラバス奏者はもちろん、バロックから現代までの協奏曲や室内楽を聴かれる方にもお薦めできるアルバムです!
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ボヘミアのバロックとその後の音楽 第20巻
第9巻が出たのとほぼ同時期に、一気に飛んで「第20巻」が発売されました。 今回は、1970年の録音とデジタル録音の始まった90年前後の魅力的な選曲の再編集の1枚です。
1曲目は 🎵カール・シュターミッツ:ヴィオラ協奏曲 ニ長調 ヴィオラ:ヴォルフラム・クリスト 指揮:ヘルムート・ミュラー=ブリュール ケルン室内管弦楽団、 1987年の録音 カール・シュターミッツの代表作。このアルバムの最初に入れるに相応しい 古典派の協奏曲の代表格(モーツァルトは特別とすれば)とも言える秀作です。端正で落ち着いた演奏は、20世紀後半の古典派音楽をモダン楽器の室内オーケストラでの演奏の典型を聴くことができます。モダンなカデンツァなところで好き嫌いが分かれそうです。
2曲目は 🎵ヨゼフ・ライヒャ:フルート協奏曲 変ロ長調 フルート:ブルーノ・マイアー プラハ室内管弦楽団 1991年の録音 ライヒャのほとんど知られていない フルート協奏曲。古典派らしい 流麗な旋律に彩られた幸福感溢れる音楽です。マイアーの美しいモダンフルートの音色と、チェンバロの加わった輝くようなモダンオーケストラとの色彩感は、「古典派はピリオド楽器じゃないと…」いう硬い頭を一気に壊すでしょう。
3曲目は 🎵パヴェル・ヴラニツキー:描写的大交響曲『フランス共和国との和平のために』 作品31 指揮:ヴァーツラフ・スメターチェク プラハ放送交響楽団 1970年の録音 ヴラニツキーのフランス革命を綴った、100年後の時代であれば『交響詩』と呼ばれるような作品。第1楽章から、「革命」「ルイ16世の死と葬儀」「戦争」「平和の到来・平和の式典」という、古典派の交響曲の4楽章形式に則って作られた聴きやすい素敵な作品です。心温まる優しい演奏は、聴いた方の心も癒す 笑顔が似合う音楽です。好演です! 18世紀の歴史を映す資料としても重要な作品を実際に耳にできる とても貴重な1枚になっています。
3曲とも 録音も良好で、存在価値の高いアルバムになっています。
古典派音楽ファンには言うまでもなく、18世紀のヨーロッパ史を幅広く研究する方にも 要チェックの、このシリーズでの大当たりの選曲の1枚てす。
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古典派のヴィオラ協奏曲集!
ウルバン・カメラータという(3-3-4-3-1のメンバー表記)シュトゥットガルトで設立されたモダン楽器による室内オーケストラに、ヴィオラのアンドラ・ダルツィナのソロで、古典派の3人のヴィオラ協奏曲を収録したアルバムてす。
🎵フランツ・アントン・ホフマイスター:ヴィオラ協奏曲 ニ長調 明るく、天真爛漫な速い楽章と、Adagioの寂しげな音楽との対比が魅力の 古典派らしい美しい旋律に満たされた協奏曲です。
🎵カール・シュターミッツ:ヴィオラ協奏曲 ニ長調 この作品は カール・シュターミッツを代表するように、良く聴かれる(録音される)作品です。人懐こい温かな旋律とヴィオラの重音に癒される 古典派を代表すると言っても過言ではない協奏曲作品です。
🎵ミヒャエル・ハイドン:オルガンとヴィオラの二重協奏曲 ハ長調 P.55 オルガンのソロはユルゲン・エッスル。 こちらは前の2曲に比べると 無骨ではあるものの、しっかりとした立体感が感じられる 知的な興味をそそる秀作。ちょっぴりくぐもった音色のオルガンが ヴィオラとのバランスにピッタリです。
弦楽器では地味な存在のヴィオラをソロに置いた古典派の名協奏曲が3曲並べた、ヴィオラ演奏者はもちろん、古典派音楽ファンにもお薦めのアルバムです。
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ノリントンの指揮する ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:クリスティアーネ・ニルツェ ウリエル:スコット・ウィアー ラファエル/アダム:ペーター・リカ RIAS室内合唱団 ヨーロッパ室内管弦楽団 指揮:サー・ロジャー・ノリントン 通奏低音はフォルテピアノとチェロ。演奏者の記載はありません。フォルテピアノはレチタティーヴォだけの参加ではなく、必要に応じてアリア等でのアインガンクで効果的に使われています。 1990年3月のライヴ録音。
ノリントンの生き生きとしたハイドンは、ちょっぴり癖が強い感じもしますが、それにより、音楽自身の発するエネルギーがダイレクトに伝わってきます。バロック音楽の演奏法の成果をそのまま古典派へと延長しての実験的な取り組みの最初期の演奏例のひとつです。 モダン楽器のオーケストラを使っての ピリオド奏法を応用したアグレッシヴな演奏の最初期の記録といえるでしょう。 ソリストにも、装飾やヴァリアントを積極的に(自由に?)加えさせての歌唱を聴くことができます。 ニルツェの清楚な歌唱は 宗教作品にピッタリ。弛緩を巧みに織りまぜた表情豊かな歌唱が見事です。 ウィアーの最初から装飾でお洒落に攻めてくる歌唱は流麗で美しいです。 リカの明るい艶のある低音も魅力的です。
描写音楽を扱う箇所は、意外とさらりとした表現で流しているような印象です。
そして特筆すべきは、ディスク1枚目に第1部と第2部が収録、2枚目に第3部という、一見不釣り合いな収録。てすが 配役を見ればわかるように、第3部がアダムとエヴァの物語りなので、『天地創造』を2つに分けるとすれば これが最も適切なのです。
ライヴ録音となってはいるものの、聴衆のノイズはしっかりカットされています。モダンオーケストラによる ピリオド奏法を援用した実験的な記録ともいえる録音です。しかし 現在では、様々な団体(日本でも山形交響楽団を筆頭に、東京交響楽団など)でも行われており、違和感を感じることはありません。ノリントンらしいリズムに乗った 勢いのある音楽が聴けるというアルバムです。 ですから、初めて聴く方にも 安心してお薦めできます。
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ボルトンの指揮する ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:ミア・パーソン ウリエル:トピー・レーティプー ラファエル/アダム:デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン ザルツブルク・バッハコーア ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団 指揮:アイヴォー・ボルトン 通奏低音はフォルテピアノとチェロ。 フォルテピアノ:ヴォルフガンク・ブルンナー チェロ:マルクス・プジェ フォルテピアノはアリアなどの歌唱のナンバーにも通奏低音として参加しています(ほとんど聴こえないレベルですが…)。 2005年10月のライヴ録音。
ボルトンの指揮は、古典派という形式の枠内で、しっかりとした骨組みで固めたあとのすき間を自由に散策するような、肩の力の抜けた 爽やかな風が吹き抜ける、初夏ような暖かな音楽です。 基本となるテンポは モダンで速め。軽快で明るい音楽になっています。とても自然に音楽が流れているので、ボルトンがどのように手を加えているのかがわからないくらいです。 ソリストの歌唱は、装飾やヴァリアントなどを適宜加えています。 第3部のパーションの可憐な声は、エヴァらしい清楚な空気が感じられる好演です。 描写音楽を扱う箇所、特にレチタティーヴォ・オブリガートでは、さらりと流すようにしながら、オーケストラには濃厚なニュアンスを求めた演奏を聴くことがてきます。
残念なことは、ディスクチェンジを第2部の真ん中で行わなければならないこと。ボルトンがこれを良しとは言わないように思うのですが…
日本盤の曲目解説が、安田和信氏の執筆なのてすが、非常に分かりやすく、簡潔かつ詳細です。これを入手するために このアルバムを手にとっても良いくらいです。これに比する解説は、コッホの1960年録音の日本盤の大宮真琴先生の解説くらいです。
(2日間の)ライヴ録音とはいえ、聴衆のノイズはほとんど気になりません。21世紀のハイドンの『天地創造』の(モダンオーケストラによる)演奏の模範的なアルバムと言えるでしょう。 ですから、初めて聴く方にも 安心してお薦めできるアルバムです。
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ホーレンシュタイン指揮の ハイドンのオラトリオ『天地創造』とモーツァルト『戴冠ミサ』!
最初は 🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:ミミ・コアース ウリエル:ユリウス・パツァーク ラファエル/アダム:デジェー・エルンシュテル ウィーン楽友協会合唱団 ウィーンフォルクスオーパー管弦楽団 指揮:ヤッシャ・ホーレンシュタイン 通奏低音はモダンチェンバロとチェロ。演奏者の記載はありません。 録音年不祥ですが、良好なステレオ録音。
この『天地創造』は、理路整然とした襟を正したような凛とした演奏です。テンポは遅めでじっくり聴かせるナンバーがあるかと思えば、颯爽と快速で飛ばすような気持ちの良い、メリハリのある音楽が聴けます。
残念だったのは、第3番のラファエルのレチタティーヴォで、1小節の音抜け(編集ミス)があったこと。
ソリストの3人は ほぼスコア通りの歌唱になっています。シュリックの甘い声質と、パツァークの端正で凛とした声が印象に残りました。
そしてこのディスクの2枚目の余白には 🎵モーツァルト:ミサ曲 ハ長調「戴冠式ミサ」 K. 317 が 収録されています。
ソプラノ:ウィルマ・リップ アルト:クリスタ・ルートヴィヒ テノール:マレイ・ディッキー バス:ヴァルター・ベリー ウィーン・オラトリオ合唱団 ウィーン交響楽団 指揮:ヤッシャ・ホーレンシュタイン 1957年のモノラル録音。
悠然としたキリエから、キビキビしたグローリアへ。その後も作品を客観的に観ているかのような、サッパリとしたモーツァルトが続きました。 ベネディクトゥス、アニュス・デイとリップの美しいソプラノが堪能できます。
2作品の録音の格差が大きいです。 ハイドンは聴きやすいですが、モーツァルトは薦められるレベルではありません。『天地創造』も編集ミスがあるので、特別に聴きたいポイントのある方以外には、残念ながら薦められません。
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ポール・クェンツの指揮の ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:バルバラ・シュリック ウリエル:アレクサンドラ・スティーヴンソン ラファエル/アダム:フィリップ・ラングショー ポール・クェンツ合唱団 ポール・クェンツ室内管弦楽団 指揮:ポール・クェンツ 通奏低音はモダンチェンバロとチェロ モダンチェンバロ:シャンタル・ペリエ=レーヤ チェロ:レジス・アティーユ モダンチェンバロは 歌のナンバーでも通奏低音として参加しています。 1996年7月の録音。
20世紀後半に フランスで自らの室内オーケストラを指揮したディスクをたくさん出していた、ポール・クェンツが録音した『天地創造』。
全体的に落ち着いた端正なスタイル。弦楽合奏(ヴァイオリン)が明瞭に聞こえてくるバランスです。通奏低音(チェンバロ)は レチタティーヴォから積極的な表現で耳を惹きつけられます。 録音はホール中央で聴いているような しっかりと各パートがミックスされた音で届きます。オーケストラは日本の音楽大学の学生オーケストラと同等レベルです。 ソリストの3人は ほぼスコア通りの歌唱になっています。そのなかで、シュリックの甘い声質が独特の味を出しています。 描写音楽の場面も極端な表現を控えた、音楽の流れを重視したスタイルです。 第3部の淀みのない清流のような爽やかな演奏が印象に残ります。
フランス語圏により演奏されたハイドンです。穏やかでモダンチェンバロの響きに支えられた温かな音楽作りが煌びやかですが、全体的なレベルがお薦めに値するまでに至っていないのが残念です。 全体を通しての通奏低音を聴くのであれば、要チェックに値するアルバムになります。
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ポール・クェンツの指揮の ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:バルバラ・シュリック ウリエル:アレクサンドラ・スティーヴンソン ラファエル/アダム:フィリップ・ラングショー ポール・クェンツ合唱団 ポール・クェンツ室内管弦楽団 指揮:ポール・クェンツ 通奏低音はモダンチェンバロとチェロ モダンチェンバロ:シャンタル・ペリエ=レーヤ チェロ:レジス・アティーユ モダンチェンバロは 歌のナンバーでも通奏低音として参加しています。 1996年7月の録音。
20世紀後半に フランスで自らの室内オーケストラを指揮したディスクをたくさん出していた、ポール・クェンツが録音した『天地創造』。
全体的に落ち着いた端正なスタイル。弦楽合奏(ヴァイオリン)が明瞭に聞こえてくるバランスです。通奏低音(チェンバロ)は レチタティーヴォから積極的な表現で耳を惹きつけられます。 録音はホール中央で聴いているような しっかりと各パートがミックスされた音で届きます。オーケストラは日本の音楽大学の学生オーケストラと同等レベルです。 ソリストの3人は ほぼスコア通りの歌唱になっています。そのなかで、シュリックの甘い声質が独特の味を出しています。 描写音楽の場面も極端な表現を控えた、音楽の流れを重視したスタイルです。 第3部の淀みのない清流のような爽やかな演奏が印象に残ります。
フランス語圏により演奏されたハイドンです。穏やかでモダンチェンバロの響きに支えられた温かな音楽作りが煌びやかですが、全体的なレベルがお薦めに値するまでに至っていないのが残念です。 全体を通しての通奏低音を聴くのであれば、要チェックに値するアルバムになります。
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バーダーの指揮する極上の、ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:テレサ・ザイドル ウリエル:クリスティアン・エルスナー ラファエル/アダム:ミヒャエル・ヴォレ ポーランド国立クラクフフィルハーモニー合唱団 ポーランド国立クラクフフィルハーモニー管弦楽団 指揮とモダンチェンバロ:ローランド・バーダー その他の通奏低音の記載はありません。 チェンバロはレチタティーヴォのみの参加です。 1992年6月の、残響が豊かなホールでのセッション録音てす。
バーダーは冒頭から、テンポを微妙に揺らしながら、表情豊かにオーケストラを響かせていきます。 「光あれ」の後は、歌手の繊細な歌唱の表情、歌いかたを引き出して、自然で落ち着いた『天地創造』の物語りを編んでいきます。 有名な「天は神の栄光を語り」の神々しさは圧巻です。
ソリストの3人の爽やかな歌唱も素敵です。 ザイドルの明るく甘い声は、天使、エヴァともにピッタリ。 エルスナーのカシミアのような光沢と肌触りの声と 表情豊かな安定した 時に装飾をさりげなく加えた歌唱も魅力的。 ヴォレの安定した掘りごたつのような温かな低音は心を豊かにさせられます。 描写音楽の箇所も丁寧にオーケストラをコントロールはしているものの、嫌みになるような強い描写にしていないのが、いい。
唯一、CDの交換が 第2部の真ん中なのが残念です。
日本ではまったく知られていない音楽家たちによる演奏ですが、丁寧で心の籠った語りと歌に満ちたこのアルバムは、モダンオーケストラによる『天地創造』のナンバーワンにお薦めの録音です。 もちろん『天地創造』を初めて聴く方にもお薦めできる素敵なアルバムです。
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ハイドンのオラトリオ『天地創造』と『ハルモニーミサ』!
まずは 🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:テレサ・ザイドル ウリエル:クリスティアン・エルスナー ラファエル/アダム:ミヒャエル・ヴォレ ポーランド国立クラクフフィルハーモニー合唱団 ポーランド国立クラクフフィルハーモニー管弦楽団 指揮とモダンチェンバロ:ローランド・バーダー その他の通奏低音の記載はありません。 チェンバロはレチタティーヴォのみの参加です。 1992年6月の、残響が豊かなホールでのセッション録音てす。
バーダーは冒頭から、テンポを微妙に揺らしながら、表情豊かにオーケストラを響かせていきます。 「光あれ」の後は、歌手の繊細な歌唱の表情、歌いかたを引き出して、自然で落ち着いた『天地創造』の物語りを編んでいきます。 有名な「天は神の栄光を語り」の神々しさは圧巻です。
唯一、CDの交換が 第2部の真ん中なのが残念です。
モダン楽器の『天地創造』のナンバーワンのお薦めアルバムです。 『天地創造』を初めて聴く方にお薦めできる素敵なアルバムです。
3枚目は 🎵ハイドン:ミサ曲第14番 変ロ長調『ハルモニーミサ』 ハイドン最後のミサ曲。 ソプラノ:イローナ・トコディ アルト:クララ・タカーチュ テノール:デネシュ・グヤーシュ バス:ジョゼフ・グレゴル スロヴァキア・フィルハーモニー合唱団 スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団 指揮: ヤーノシュ・フェレンチク 1982年以前のデジタル録音。 ソリストは、ハンガリーの当時の第一線級で活躍していた4人。
フェレンチクの落ち着いた 真摯な姿勢でスコアに対峙した 構築力に長けた充実した音楽になっています。 ピリオド楽器演奏が行われる以前の、20世紀の古典派音楽の受容史を感じるには 絶好の1枚です。
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フェレンチクが指揮した、ハイドンの『ハルモニーミサ』!
ハイドンの最後のミサ曲をフェレンチクがチェコスロバキアのオーケストラと合唱団にハンガリーのソリストで演奏をしたもの。 ソプラノ:イローナ・トコディ アルト:クララ・タカーチュ テノール:デネシュ・グヤーシュ バス:ジョゼフ・グレゴル スロヴァキア・フィルハーモニー合唱団 スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団 指揮: ヤーノシュ・フェレンチク 1982年以前のデジタル録音。
フェレンチクはハンガリーに縁のハイドンを 積極的に取り上げてはいたものの、ステレオ期のハンガリーでのハイドンの録音は、室内オーケストラが中心だったため、録音には恵まれませんてした。これはどのような機会かはわかりませんが、チェコスロバキアのスロヴァキアのオーケストラと合唱団を振った珍しいアルバムです。
ソリストは、ハンガリーの当時の第一線級で活躍していた4人を揃えています。みな 余裕をもった堂々とした歌唱が見事です。 フェレンチクの指揮は落ち着いた 真摯な姿勢でスコアに対峙した 構築力に長けた堂々とした、交響曲を4曲並べたような 充実した音楽になっています。
まさに1980年代前半に 最高の輝きを(日本での来日公演でも)見せたフェレンチクの 素晴らしいハイドンがここで聴けます。 ベネディクトゥスの流麗極まりないスタイルの美しさから、ベネディクトゥスの心温まる音楽は絶品です。
ピリオド楽器が古典派に入る前の時代です。 古典派の宗教作品の愛好者はもちろん、20世紀の古典派音楽の受容史を感じるには 絶好の1枚だと思います。
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ゲンネンヴァイン指揮の ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:ヘレン・ドナート ウリエル:アダルベルト・クラウス ラファエル/アダム:クルト・ヴィドマー 南ドイツマドリガル合唱団 ルートヴィッヒスブルク祝祭管弦楽団 指揮:ヴォルフガンク・ゲンネンヴァイン 通奏低音はモダンチェンバロとチェロ。演奏者の記載はありません。チェンバロはレチタティーヴォのみの参加ですが、右手の積極的な動きで 語りの背中を押しています。 1970年代前半頃の録音。
ハイドンに真正面から、リラックスして臨んだ『天地創造』てす。 心地好いテンポで一気に流れていきます。器楽のアーティキュレーションの未定の箇所を中心として、柔らかにスラーで繋いでいく傾向があるので、とても滑らかな音楽という感じに仕上がっています。 ちょっぴり地味でくすんだ感じのオーケストラの音が ハイドンの真摯な音楽にピッタリです。ただ、ホルンやトランペットの音が しっかりと聴こえ過ぎます! 金管の予習に聴くにはめちゃ適しているディスクてす。 描写音楽の箇所も、フレーズを強調はするものの、流麗に進んで行く音楽は、とても気持ちの良い音楽です。
3人のソリストでは、ドナートのスピントでいろいろと装飾を加えたりする歌唱は「オペラか?」と錯覚するくらい情感豊かで 感情に訴えかけてきます。 クラウスは明るい優しさあふれる歌唱が素敵です。 ヴィドマーは低音よりも、伸び伸びとした高音域の美しい声が魅力的です。 古典派のオラトリオで 装飾を入れるスタイルは、70年代には珍しかったのではないでしょうか。
気になる点といえば、CDの1枚目から2枚目へ交換する箇所が 第2部の真ん中。ハイドンの音楽の構成を無視した編集が残念です。
統率の取れた バランス感に優れた 気持ち良く聴ける爽やかな『天地創造』です。音質も悪くはありません。ピリオド楽器との比較で聴くのであれば 3指に入るアルバムです。 『天地創造』を初めて聴く方にお薦めできる素敵なアルバムです。
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アルミン・ジョルダンの指揮する ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル:マーガレット・マーシャル ウリエル:エリク・タピー ラファエル:クルト・リドゥル エヴァ:ホリアナ・ブラニステアヌー アダム:フイリップ・フッテンロッハー スイス・ロマンド合唱団 ローザンヌ・プロ アルテ合唱団 ローザンヌ室内管弦楽団 指揮:アルミン・ジョルダン 通奏低音はチェンバロとチェロ。演奏者の記載はありません。 チェンバロはレチタティーヴォのみに参加です。 1981年5月のセッション録音。
ハイドン生誕250年のLPとして録音されたもの。日本でもミドルプライスの新録音盤として発売されました。ただ 当時はフランス語圏、小型オーケストラということで ほとんど話題に上がりませんでした。そのような偏見を取り払って聴けば、モダン室内オーケストラの『天地創造』の音盤としての代表になるべきアルバムであることがわかると思います。 ジョルダンは 緩急のメリハリのある、聴きやすい端正な音楽作り。テンポもそれぞれのナンバーで一定させた、落ち着いて聴けるスタイル。ハーモニーの色彩感は、明瞭で中間色が豊かなイメージで、曲のなかでの千変万化が鮮やかです。 基本、スコアに忠実な、過度な装飾やアインガンクを避けた演奏です。 マーシャルの凛とした清楚な声は 宗教作品にぴったりではありますが、言葉がやや不明瞭なのが残念です。 タピーは暖色系の声質で 独特の空気を醸し出しています。 リドゥルの強固な安定感のある声は心地好さ抜群。
CDの1枚目と2枚目との交換の箇所が、第2部の途中という 中途半端な箇所です。ハイドンが構成した音楽の流れが途中で切られていることが残念でなりません。
温かみのある愉しい『天地創造』が聴ける素敵なアルバムです。 初めて『天地創造』を聴くためのアルバムとしてもお薦めできる1枚です。
蛇足ですが、厚いジャケットですが、ナンバーのトラック表示とアーティストの名前表記のみで、解説はありません。残りはシリーズのCDの案内です。
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リリンクの指揮する ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:クリスティーネ・シェーファー ウリエル:ミヒャエル・シャーデ ラファエル/アダム:アンドレアス・シュミット シュトゥットガルト ゲヒンガーカントライ シュトゥットガルト バッハコレギウム 指揮:ヘルムート・リリンク 通奏低音はフォルテピアノとチェロ。 フォルテピアノ:ミヒャエル・ベーリンガー チェロ:ミヒャエル・グロス オーケストラは8型ですが、十分にエネルギーを感じられる演奏をしています。 1993年9月の録音です。
リリンクは この作品を まるで舞台を観ているかのように、オペラのようにレチタティーヴォをじっくり 丁寧に語らせ、その後のアリアや合唱を流れるように爽やかにした 組み立て方。そんな中、ダイナミックのメリハリをしっかり効かせた引き締まった音楽になっています。 描写音楽についてもレチタティーヴォで 独特な空気感を醸し出す 強い個性を打ち出しています。 ソロでは シェーファーの潔癖な美しさをもった声は『天地創造』にぴったり。ちょっとした粋な装飾を加えた歌唱を聴くことができます。 シュミットは幅広い声域を安定した滑らかな声で語り、歌っています。
気になる点といえば、CDの1枚目から2枚目へ交換する箇所が 第2部の真ん中。ハイドンの音楽の構成を無視した編集が残念です。
小型のオーケストラですが、それをまったく感じさせない熱量を感じられる秀演です。 『天地創造』を初めて聴く方にもお薦めできるアルバムです。
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メニューインの指揮する ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:テレサ・ザイドル ウリエル:アルギルダス・ヤヌタス ラファエル/アダム:ベンノ・ショルム カナウス国立合唱団 リトアニア室内管弦楽団 指揮:ユーディー・メニューイン 通奏低音はチェンバロとチェロ。奏者の記載はありません。第3部の二重唱を除いてチェンバロは歌の通奏低音には参加していません。 1998年7月11日のラインガウ音楽祭でのライヴ録音となっていますが、聴衆のノイズは少なく、拍手も無いところからも、ゲネプロの音源も加えての編集ですね。
メニューインの演奏は、1曲1曲をとても丁寧に演奏しています。オーケストラの統率もライヴとは思えないくらいの見事なもの。そして それがわかるくらいの明瞭なオーケストラの録音。 描写音楽についてはレチタティーヴォでは、ダイナミックとテンポの緩急を巧みに織り成しながらの 明瞭な描き分けを聴くことができます。アリアの部分では一転、インテンポで流れるような音楽になっています。 そして第3部の、歌手が絶好調となってきての、幸福感あふれる音楽は絶品です。 ソロの歌唱は、ほぼスコア通りの歌唱。 ザイドルはスピント寄りの成熟した歌唱。コーダの部分などでのドラマチックな盛り上げ方も見事です。ビブラートはしっかり掛けています。 ヤヌタスはとても情緒的な歌唱です。 ショルムの深い低音を利かせた語りや歌唱は 正教会の響きを思わせる魅力的もの。 重唱の箇所でソロのバランスが悪いのは、録音(編集)のせいでしょう。
メニューインは、第3部が「おまけ」ではなく、「第3部に向けた『天地創造』の物語」というスタイルで演奏している様に感じました。
気になる点といえば、CDの1枚目から2枚目へと交換する箇所が 第2部の真ん中。音楽の構成を無視した編集が残念です。
引き締まったオーケストラの骨格に乗って演奏された『天地創造』の物語。もしかして これは隠れた名盤ではないでしょうか? ソロのバランスなどが気になりましたが、『天地創造』を初めて聴く方にもお薦めできるアルバムです。
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マリナーの指揮する ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル:バーバラ・ボニー ウリエル:ハンス・ペーター・ブロッホヴィッツ ラファエル:ヤン・ヘンドリック・ローテリング エヴァ:エディト・ヴィーンズ アダム:オラフ・ベーア 南放送局合唱団 シュトゥットガルト放送交響楽団 指揮:ネヴィル・マリナー 通奏低音はフォルテピアノとチェロ。演奏者の記載はありません。 フォルテピアノはレチタティーヴォのみの参加です。 1989年6月の録音。
マリナーがEMIレーベルにハイドンの主要な宗教曲の録音を行ったシリーズのひとつ。 全体的に 快速で、しかも速すぎない絶妙な塩梅の、流れるような気持ち良さに包まれた 聴きやすい(自然な)テンポ設定です。 そして 一連のアーカイブ的な側面もあるためか、資料的価値に重点を置いたような、スコアに忠実なスタイルです。第1部と第2部のソリストは、スコア以上の装飾やアインガンクを掛けていません。そしてソロの伴奏のオーケストラは、編成を刈り込んでいるかのような爽やかな音で声をバックアップ。それに対して 合唱ナンバーでは 元気爆発の流麗な歌を聴くことができます。 ハイドンが嫌々書いたと言われる描写音楽の箇所でも、そこをさほど強調せずに、サラッと流しているようなスタイル~これはハイドンの意図した通りなのですが…~ ボニーの可憐で清楚な歌と、ロングトーンでの拍節感なく伸ばす声にゾクッとさせられます。 ブロッホヴィッツの健康的な歌唱も素敵です。 ローテリングはオペラ的な表情豊かな語りと歌唱と 甘い低音が魅力です。 アダムとイヴの2名も 清楚で若々しい声が役にぴったりです。
CDの1枚目と2枚目との交換のタイミングが、第2の途中という 中途半端な箇所で切られていることが残念でなりません。
オーソドックスで逆に非の打ち所のない、減点法で評価をすれば 高得点間違いなしというアルバムです。ただ、個性的という印象からは離れてはいます。ということから、初めて『天地創造』を聴くためのアルバムとしてお薦めできる1枚です。
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ヨッフムの指揮する ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:アグネス・ギーベル ウリエル:ワルデマー・クメント ラファエル/アダム:ゴットロープ・フリック バイエルン放送合唱団 バイエルン放送管弦楽団 指揮:オイゲン・ヨッフム 通奏低音にはチェンバロとオルガン、及びチェロ。 チェンバロ:マルガレーテ・シャリッツェル オルガン:メフィティルト・フォン・クリース チェロの演奏者の記載はありません。 1966年7月の録音です。
ヨッフムの壮年期の躍動感あふれる『天地創造』です。 明るく軽快なテンポで聴かせてくれますが、それぞれの曲で 最後のフレーズを思い切ってテンポを緩めて情緒豊かに終わらせる、巨匠の時代を感じさせるスタイルを ここで聴くことができます。 合唱の入る曲では、オーケストラと合唱の力を存分に発揮させた、とてもシンフォニックな響きを堪能できます。 描写音楽の箇所は楽譜通りではあるものの、大きなダイナミックやテンポの弛緩を巧みに用いて、雄弁に音楽を語らせています。 ソロの装飾やアインガンクはスコア通り。 ギーベルの甘い声が独特の空気を作っています。 クメントの伸びのある声が気持ち良いです。 緻密で力強い合唱も見事です。
巨匠の時代から モダンオーケストラでの「原典主義」を叫ぶ時代への 過渡期のスタイルによる演奏といえるでしょう。能面になる前、写楽のような表情の豊かさが残るスタイルでの演奏です。 ダイナミックな合唱により、しっかりと段落分けができている、『天地創造』の初心者にも分かりやすいアルバムになっています。
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カイルベルトの指揮する ハイドンのオラトリオ『天地創造』他!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル:アンネリース・クッパー ウリエル:ヨゼフ・トラクセル ラファエル:ヨゼフ・グラインドル エヴァ:ケティー・クラウス アダム:ヴァルター・ベリー ケルン放送交響楽団 ケルン放送合唱団 指揮:ヨゼフ・カイルベルト 通奏低音はチェンバロとチェロ。奏者の記載はありません。 1957年12月21日のモノラル録音。 音の広がりは感じられませんが、クリアな録音でオーケストラのそれぞれの楽器の音がしっかり聴くことができます。ソリストは前面に位置した 明瞭なしっかりとした発音まで聴き取れる良好な録音です。拍手やノイズも無いので、演奏会前後にラジオ放送用として収録したものかもしれません。
大きなオーケストラと充実した合唱団を伴っての悠然とした『天地創造』です。全体的に遅めのテンポ設定の堂々とした、ロマン派音楽のような『天地創造』を描いています。第2部では インテンポの演奏を通して 神のみ業を丁寧に描いていきます。
ソリストは楽譜通りの歌唱です。装飾や過度なアインガンクは加えていません。 クッパーは 20世紀半ばに多く活躍がみられた 甘い声質のソプラノです。少し力み気味なのが気になりました。 グラインドルのまるでオペラを演じているような語りと歌唱が 音楽に活力を与えています。 エヴァとアダム役の2名の清楚な声は、5人のソリストを擁した配役が大成功となっています。
ボーナストラックとして 🎵ドヴォルザーク: 交響曲第9番 ホ短調『新世界より』 指揮:ヨゼフ・カイルベルト 聖チェチーリア音楽院管弦楽団 1952年4月27日のライヴのモノラル録音。聴衆のノイズがこちらは聞こえます。
元気いっぱいのノスタルジーを感じさせる、中音域の楽器の絡みがいい、中央ヨーロッパの空気を感じられる「新世界より」です。
『天地創造』に「新世界より」をプラスしたお得盤です。新世界が天地創造に劣らぬ名演奏になっているのにも注目かもしれません。 ゆったりとした『天地創造』を聴きたい方にお薦めのアルバムです。
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アンドレアス・シュペーリンク指揮の ハイドンのオラトリオ『天地創造』の決定盤!
シュペーリンクがハイドンのスコアから明快にそのストーリーを描いた 、秀れたピリオド楽器の伴奏によるアルバム。 ガブリエル/エヴァ:スンハエ・イム ウリエル:ヤン・コボウ ラファエル/アダム:ハンノ・ミュラー=ブラハマン ヴォーカルアンサンブル・ケルン カペラ・アウグスティーナ 指揮:アンドレアス・シュペーリンク 通奏低音についての記載がありませんが、鍵盤楽器はフォルテピアノを使用しています。
爽やかな古楽器オーケストラが、それぞれの場面を描写するような 劇的な場面をつくりあげています。 基本、ハイドンのスコア通りの歌唱で、ヴィブラートやトリル、アインガンクを効果的に加えての歌唱が聴けますが、ヴァリアントは控え目です。 ハイドンが好まなかった描写音楽の類いは、意外とあっさり(ハイドンの意図を生かして?)とという感じです。
ソリストも 一言ひとことを丁寧に、感情豊かな 個性を生かした語りと歌唱が素敵です。 イムさんの 軽妙で清楚で温かみのある歌唱と語りは心がほっこり。そして光輝く絶唱まで! コボウさんの絹のような肌触りの声と 歌唱と語りでのことばを大切にした 巧みな表情づけは素晴らしいです。 ミュラー=ブラハマンさんは身体全体から響くようなふくよかで温かい声に 心が暖められます。
とても美しい紙芝居を見ているように 7日間のお話しが 愉しく語られていきます。
私の持っている70種類超の『天地創造』のディスクで最もお気に入りのアルバムです。古楽器に慣れていない方にも それほど抵抗なく入っていける 中庸なスタイルです。 初めて『天地創造』を聴く方は勿論、モダン楽器による端正なディスクをお持ちの方には 多様な表現を楽しむことが感じられる、お薦めのアルバムになります。
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マルケヴィッチの指揮する ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:イルムガルト・ゼーフリート ウリエル:リヒャルト・ホルム ラファエル/アダム:キム・ボルク ベルリン聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, 指揮とチェンバロ:イーゴル・マルケヴィッチ レチタティーヴォはモダンチェンバロとチェロの伴奏。歌の部分でのチェンバロの(通奏低音)参加はありません。 1955年5月のモノラルのセッション録音です。
マルケヴィッチの指揮は、キビキビとした 竹を割るような切れ味鋭いスタイル。そして曲(フレーズ)の最後に、アインガンクの代わりになるようになテンポの変化を加えて、ロマンチックな表情を作る対比が鮮やか。その他はオーケストラと合唱の能力を最大限発揮させた、ダイナミックな『天地創造』になっています。 描写音楽の箇所も、楽譜通りではあるものの、ダイナミックを大きく、テンポの緩急巧みな表情づけが見事です。
ソロの歌唱は スコア通りの端正な歌唱。 ゼーフリートは少し鼻にかかった甘い声。ビブラートが小さいので宗教音楽に合った歌唱です。 ホルムの表情豊かな軽い歌唱は 20世紀前半のロマンチックな風を感じさせるもの。 ボルクのふくよかで温かい低音による歌唱も魅力的。 合唱も、モノラル時代の録音としてはきわめて明快な、歌詞がしっかり聴きとれる 整えられた美しい歌唱です。
気になる点といえば、CDの1枚目から2枚目へと交換する箇所が 第2部の真ん中。音楽の構成を無視した、LP時の盤面割りをそのまま編集をしたことが残念です。
第2次大戦後、カラヤンの一時代前の巨匠の時代の香りの『天地創造』の素晴らしい記録です~➀原典主義のモダンオーケストラ→②モダン室内オーケストラによる古典派音楽の再考→③ピリオド楽器による時代考証の探求→④音楽ホールでの公演を行うための古楽とモダンのスタイル融合、の➀~④のもうひとつ前の時代です~。 『天地創造』を初めて聴く方は、上記➀~④の気になるスタイルの盤から聴くのがお薦めです。そのどれかを聴かれたあと ➀の前の時代が気になる方に真っ先にお薦めてきるのが このアルバムです。その時代の『天地創造』のアルバムとして オススメ度を『5』にしました。
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マルケヴィッチの指揮する ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:イルムガルト・ゼーフリート ウリエル:リヒャルト・ホルム ラファエル/アダム:キム・ボルク ベルリン聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, 指揮とチェンバロ:イーゴル・マルケヴィッチ レチタティーヴォはモダンチェンバロとチェロの伴奏。歌の部分でのチェンバロの(通奏低音)参加はありません。 1955年5月のモノラルのセッション録音です。
マルケヴィッチの指揮は、キビキビとした 竹を割るような切れ味鋭いスタイル。そして曲(フレーズ)の最後に、アインガンクの代わりになるようになテンポの変化を加えて、ロマンチックな表情を作る対比が鮮やか。その他はオーケストラと合唱の能力を最大限発揮させた、ダイナミックな『天地創造』になっています。 描写音楽の箇所も、楽譜通りではあるものの、ダイナミックを大きく、テンポの緩急巧みな表情づけが見事です。
ソロの歌唱は スコア通りの端正な歌唱。 ゼーフリートは少し鼻にかかった甘い声。ビブラートが小さいので宗教音楽に合った歌唱です。 ホルムの表情豊かな軽い歌唱は 20世紀前半のロマンチックな風を感じさせるもの。 ボルクのふくよかで温かい低音による歌唱も魅力的。 合唱も、モノラル時代の録音としてはきわめて明快な、歌詞がしっかり聴きとれる 整えられた美しい歌唱です。
気になる点といえば、CDの1枚目から2枚目へと交換する箇所が 第2部の真ん中。音楽の構成を無視した、LP時の盤面割りをそのまま編集をしたことが残念です。
第2次大戦後、カラヤンの一時代前の巨匠の時代の香りの『天地創造』の素晴らしい記録です~➀原典主義のモダンオーケストラ→②モダン室内オーケストラによる古典派音楽の再考→③ピリオド楽器による時代考証の探求→④音楽ホールでの公演を行うための古楽とモダンのスタイル融合、の➀~④のもうひとつ前の時代です~。 『天地創造』を初めて聴く方は、上記➀~④の気になるスタイルの盤から聴くのがお薦めです。そのどれかを聴かれたあと ➀の前の時代が気になる方に真っ先にお薦めてきるのが このアルバムです。その時代の『天地創造』のアルバムとして オススメ度を『5』にしました。
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ミュンヒンガー指揮の ハイドンのオラトリオ『天地創造』他!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル:エリー・アメリング ウリエル:ヴェルナー・クレン ラファエル:トム・クラウセ エヴァ:エルナ・スポーレンベルク アダム:ロビン・フェアハースト ウィーン国立歌劇場合唱団 ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 指揮:カール・ミュンヒンガー 通奏低音はチェンバロとチェロ。 演奏者の記載はありません。 チェンバロはレチタティーヴォのみの参加。 1967年5~6月の録音。
ミュンヒンガーがウィーンフィルを振った最初期の録音。シュトゥットガルトとのバロック音楽のような四角四面の固さのようなものはありません。しかし 当時のウィーンフィルにしては几帳面な演奏という感じ。それに対して 合唱がおおらかに感じてしまうのは、歌詞(内容)の違いからなのだろうか? ハイドンが嫌々書いた 描写音楽は それほど意識せずにサラッと流している様子。
美声を揃えたソリストは楽譜に忠実。装飾やアインガンクはほとんど加えていません。 クレンの流麗な歌唱この録音の一番の魅力かもしれません。 クラウセの軽めの声は、軽快さをもった知的な歌唱(語り)となって届いてきます。
『天地創造』の前に『小オルガンミサ』が入っています。 🎵ハイドン:ミサ曲第5番 変ロ長調『小オルガン・ミサ』Hob.XXII:7 ソプラノ:エリー・アメリング オルガン:ペテル・プラニャフスキー ウィーン国立歌劇場合唱団 ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 指揮:カール・ミュンヒンガー 1974年12月の録音。 作品に合った小編成のウィーンフィル。 清楚なアメリンクのソプラノ、節度を持ったストップ選択によるオルガンにより、ゆったりとした温かな音楽が紡がれています。楽譜通りの演奏です。 合唱はかなり厚く時代を感じます。
『天地創造』と『小オルガンミサ』の2作品がカップリングされたお得盤です。『天地創造』は70年代には名盤と高い評価を得ていた録音です。今では「中庸」な安定感ある演奏という評価になりそうです。それに対して『小オルガンミサ』は モーツァルトのミサ曲とのカップリングで発売されたもの。地味な組み合わせだったので、全く話題に乗らずに消えてしまった記憶があります。今回の復活は嬉しい限りです。
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ドラティの指揮する ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ドラティがハイドンの交響曲全集を出した勢いを受けて、オラトリオの全集に取り組んで収録した『天地創造』です。 ガブリエル:ルチア・ポップ ウリエル:ヴェルナー・ホルヴェーク ラファエル:クルト・モル エヴァ:ヘレナ・デーゼ アダム:ベンジャミン・ラクソン ブライトン・フェスティヴァル合唱団 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 指揮(とチェンバロ):アンタル・ドラティ 通奏低音はチェンバロとチェロとコントラバス チェンバロ:アンタル・ドラティ チェロ:デヴィッド・ストレンジ コントラバス:ジャック・マコーマック チェンバロはレチタティーヴォのみの参加です。 1976年12月の録音。
ロイヤルフィルの爽やかな弦楽器の音色と、キレキレのリズムに乗った推進力溢れる『天地創造』のストーリーを奏でています。 快速のナンバーは勿論、じっくり歌う曲の生命力あふれる音楽作り。レチタティーヴォの映画を観ているかのような語りと伴奏。鮮明な録音とともに愉しく聴くことができます。 ソリストは楽譜に忠実。装飾やアインガンクはほとんど加えていません。 ポップの可憐で清楚なビブラート控え目な声はガブリエルにぴったり。 ホルヴェークの端正で伸びのある声とモルの安定した低音の、ともに甘い声質は ハイドンの明るい音楽にぴったり。
ハイドンの意図通りに、CDの1枚目に第1部を収録。2枚目に第2部と第3部となっています。中途半端な箇所で切られることがないので 落ち着いて聴くことができます。
楽譜に忠実な演奏。それでいて ダイナミックさと細かな表情まで丁寧に読み込んだスタイルです。個性的な演奏に飽きた方にも、気分転換できるアルバムになると思います。そして資料として手元に置くのにも適しています。 初めて『天地創造』を聴くためのアルバムとしても 最適な1枚です。
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ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮の ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:ヘレン・ドナート ウリエル:ロバート・ティアー ラファエル/アダム:ヨゼ・ファン・ダム フィルハーモニーア合唱団 フィルハーモニア管弦楽団 指揮:ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス レチタティーヴォはモダンチェンバロとチェロの伴奏。演奏者の記載はありません。 モダンチェンバロはレチタティーヴォと第3部の第30曲の「二重唱と合唱」で弾かれています。 1977年11月の録音です。管弦楽と合唱がフォルテで来る箇所で 少し歪んでいるように感じられました。
ブルゴスの指揮は、聴かせるところでは これぞという見得を切る、(金管・打楽器を目一杯活躍させる)色彩感あふれる派手なパフォーマンスで聴かせるのは、読響での客演でお馴染みのスタイルです。 テンポは走ることのない、しっかりと細部まで気を配った丁寧な仕上がりを感じる演奏です。 描写音楽の箇所も、楽譜から逸脱することはないものの、ダイナミックに攻めた音楽を聴くことができます。
ソロの歌唱は、ほぼスコア通りの端正な歌唱。 ドナートはビブラートが大きめ。ぎこちなさ(声のふらつき)を感じたのは私だけでしょうか? ティアーは流麗で艶のある声が美しいのですが、時にテンポが落ち着かない様。 ダムの包容力のある 温かな低音は魅力的です。
残念なことは、CDの1枚目から2枚目交換する箇所が、第2部の真ん中です。音楽の構成を全く無視した、きっとLPの時の盤面割りをそのままに編集をしたのでしょう。
オーソドックスな演奏ですが、このアルバムで描かれている生物圏は、亜熱帯の様な色彩感です。ブルゴスならではのラテン系の『天地創造』になっています。
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ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮の ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:ヘレン・ドナート ウリエル:ロバート・ティアー ラファエル/アダム:ヨゼ・ファン・ダム フィルハーモニーア合唱団 フィルハーモニア管弦楽団 指揮:ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス レチタティーヴォはモダンチェンバロとチェロの伴奏。演奏者の記載はありません。 モダンチェンバロはレチタティーヴォと第3部の第30曲の「二重唱と合唱」で弾かれています。 1977年11月の録音です。管弦楽と合唱がフォルテで来る箇所で 少し歪んでいるように感じられました。
ブルゴスの指揮は、聴かせるところでは これぞという見得を切る、(金管・打楽器を目一杯活躍させる)色彩感あふれる派手なパフォーマンスで聴かせるのは、読響での客演でお馴染みのスタイルです。 テンポは走ることのない、しっかりと細部まで気を配った丁寧な仕上がりを感じる演奏です。 描写音楽の箇所も、楽譜から逸脱することはないものの、ダイナミックに攻めた音楽を聴くことができます。
ソロの歌唱は、ほぼスコア通りの端正な歌唱。 ドナートはビブラートが大きめ。ぎこちなさ(声のふらつき)を感じたのは私だけでしょうか? ティアーは流麗で艶のある声が美しいのですが、時にテンポが落ち着かない様。 ダムの包容力のある 温かな低音は魅力的です。
残念なことは、CDの1枚目から2枚目交換する箇所が、第2部の真ん中です。音楽の構成を全く無視した、きっとLPの時の盤面割りをそのままに編集をしたのでしょう。
オーソドックスな演奏ですが、このアルバムで描かれている生物圏は、亜熱帯の様な色彩感です。ブルゴスならではのラテン系の『天地創造』になっています。
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グッテンベルク指揮の ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:マーリン・ハルテリウス ウリエル:ロタール・オディニウス ラファエル/アダム:アントン・シャーリンガー ノイボイレン合唱協会合唱団 ザールブリュッケン放送交響楽団 指揮:エノッホ・ツー・グッテンベルク レチタティーヴォはフォルテピアノとチェロ。 フォルテピアノ:ラインハルト・フォーゲル チェロ奏者の記載はありません。 フォルテピアノは歌の通奏低音としても参加しています。 録音の記載もありませんが、1999年頃のアルバムで、ライヴ前後のセッション録音の様。
大きめのオーケストラと合唱による演奏のように思われるのですが、録音を聴くかぎり、器楽はそれぞれの楽器の音が聴こえてくるような、まるで指揮台で聴いているような音になっています。それは特に木管楽器に顕著です~いくつかのアリアでは木管楽器との協奏曲の様なバランスです~ レチタティーヴォのフォルテピアノの才気煥発の冴えが、アリアの通奏低音まで光っています。 キビキビとした指揮は、とてもモダンな緩急の対比のはっきりとした音楽づくりです。フレーズの最後を、その方向性により、弱めることがみられる音楽作りが特徴的です。そして対旋律を時にくっきりと浮かび上がられるなどの生きた音楽を聴くことができます。 描写音楽の箇所では、ハイドンが意図した(本人は描写音楽を書きたくなかった!)ように、それらを音楽の構成要素の一部として、さらりと組み立てて(流して)います。 ソロは、ほぼスコア通り。 凹凸のない3人が 力一杯の歌唱を聴かせてくれます。 合唱では バランスの影響か、男声のまとまらない部分が聞こえたのが残念でした。
CDの1枚目が第1部、2枚目が第2部と第3部という収録なので、中途半端に切られることがないので落ち着いて聴くことができます。
日本で知られていないアーティストたちで、手に取られることの少ないアルバムですが、個性的な『天地創造』を聴かせています。 モダン楽器の『天地創造』の2組目として選ぶには面白いと思います。
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テンシュテットの ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:ルチア・ポップ ウリエル:アンソニー・ロルフ・ジョンソン ラファエル/アダム:ベンジャミン・ラクソン ロンドンフィルハーモニー合唱団 ロンドンフィルハーモニー管弦楽団 指揮:クラウス・テンシュテット レチタティーヴォはチェンバロとチェロ。 チェンバロはオーケストラ伴奏の箇所での参加はありません。 演奏者の記載はありません。 1984年2月19日のライヴの収録です。 聴衆のノイズも、ホールに居るかの様に聴こえてきます。
大オーケストラと大合唱を存分に使った、壮大な地球を創りあげるストーリーを祝典的に歌い上げた演奏になっています。終始 オーソドックスで、優しさあふれる表現とテンポ設定は、聴いていて心地好い温かさが伝わってきます。 描写音楽の箇所でも、ハイドンが意図した(本人は描写音楽を書きたくなかった!)ように、それらを音楽の構成要素の一部として、20世紀の演奏らしく さらりと流しています。
ソロは、ほぼスコア通りの端正な歌唱。 ポップの端正な古典派らしい歌唱、ロルフ・ジョンソンの情感豊かな美声、ラクソンの堂々たる幅広い伸びのある声による語りと歌唱が聴きものです。
CDの1枚目に第1部、2枚目に第2部と第3部という収録なので、中途半端に切られることがないので落ち着いて聴くことができます。
大オーケストラと大合唱による20世紀のハイドン像を打ち出した演奏です。ライヴにもかかわらず安定感抜群の演奏です、が、聴衆のノイズは多めです。 ライヴ録音の好きな方であれば、初めて『天地創造』を聴く方にもお薦めできます。聴き比べでは、古楽系との比較であれば良いかもしれません。
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バーンスタイン2回目のハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル:ジュディス・ブレゲン ウリエル:トマス・モーザー ラファエル:クルト・モル エヴァ:ルチア・ポップ アダム:カート・オルマン バイエルン放送交響楽団・合唱団 指揮:レナード・バーンスタイン 通奏低音はチェンバロとチェロ。 チェンバロ:ヘトヴィヒ・ビルグラム チェロの演奏者は未記載。 チェンバロはレチタティーヴォみ中心の参加(第3部の第28曲では効果的に演奏されています)。 1986年6月の録音。
旧録音に比べて、曲ごとのテンポの緩急を大きくとり、オーケストラの機能を存分に発揮させたダイナミックで、ロマン派音楽のような 極彩色を感じさせるハイドンになっています。第1部と第2部では、ソリストとオーケストラの華やかな競演がききものです。トリルやターンなどの装飾ものんびりとした温かみのある演奏になっています。 そして第2部の動物のあまりに描写的な音楽には 思わす微笑んでしまうくらい。 そして第1部終曲「天は神の栄光を語り」をこれだけゆっくりとしたテンポで悠然と聴かせる指揮者は他にいただろうか? バーンスタイン節満開の『天地創造』です。
ソリストは楽譜に忠実。装飾やアインガンクはほとんど加えていません。 ブレゲンの輝くような高音がオーケストラと和した時の華やかさが素敵。 モーザーの流麗で弱音でのロマンチックな語りと歌唱も魅力的。 モルの甘美な低音はオペラを聴いているかの様。 第3部では、ポップの可憐な歌唱が素敵(圧巻)です!
残念なことに、この極彩色のアルバム、第2部の途中でCDの1枚目と2枚目が交換になっています。これはハイドンの意図に沿ったものでなく、音楽的にも中途半端なものになってしまいます。第1部の終曲のあとに15秒ほどの無音の「間」を置いてはいますが…
まるで 無声映画のBGMを聴いているかの様なアルバムです。 私的には、聴き比べとして選ぶには面白いと思うアルバムです。初めての『天地創造』のアルバムとしては、他を選ぶのもありだと思います。但し、CDではなく この演奏のDVDを選ぶのであれば、初めてでも楽しめるのでお薦めします。
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バーンスタイン2回目のハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル:ジュディス・ブレゲン ウリエル:トマス・モーザー ラファエル:クルト・モル エヴァ:ルチア・ポップ アダム:カート・オルマン バイエルン放送交響楽団・合唱団 指揮:レナード・バーンスタイン 通奏低音はチェンバロとチェロ。 チェンバロ:ヘトヴィヒ・ビルグラム チェロの演奏者は未記載。 チェンバロはレチタティーヴォ中心の参加(第3部の第28曲では効果的に演奏されています)。 1986年6月のライヴ録音。
旧録音に比べて、曲ごとのテンポの緩急を大きくとり、オーケストラの機能を存分に発揮させたダイナミックで、ロマン派音楽のような 極彩色を感じさせるハイドンになっています。第1部と第2部では、ソリストとオーケストラの華やかな競演がききものです。トリルやターンなどの装飾ものんびりとした温かみのある演奏になっています。 そして第2部の動物のあまりに描写的な音楽には 思わす微笑んでしまうくらい。 そして第1部終曲「天は神の栄光を語り」をこれだけゆっくりとしたテンポで悠然と聴かせる指揮者は他にいただろうか? バーンスタイン節満開の『天地創造』です。
ソリストは楽譜に忠実。装飾やアインガンクはほとんど加えていません。 ブレゲンの輝くような高音がオーケストラと和した時の華やかさが素敵。 モーザーの流麗で弱音でのロマンチックな語りと歌唱も魅力的。 モルの甘美な低音はオペラを聴いているかの様。 第3部では、ポップの可憐な歌唱が素敵(圧巻)です!
残念なことに、この極彩色のアルバム、第2部の途中でCDの1枚目と2枚目が交換になっています。これはハイドンの意図に沿ったものでなく、音楽的にも中途半端なものになってしまいます。第1部の終曲のあとに15秒ほどの無音の「間」を置いてはいますが…
まるで 無声映画のBGMを聴いているかの様なアルバムです。 私的には、聴き比べとして選ぶには面白いと思うアルバムです。初めての『天地創造』のアルバムとしては、他を選ぶのもありだと思います。但し、CDではなく この演奏のDVDを選ぶのであれば、初めてでも楽しめるのでお薦めします。
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核戦争防止国際医師会議(IPPNW)における ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:エディット・マティス ウリエル:クリストフ・プレガルディエン ラファエル/アダム:ハラルド・シュタム 晋友会合唱団、HDK室内合唱団、ペーチュ室内合唱団 The World Symphony Orchestra(コンサートマスター:安永 徹) 指揮:モーシェ・アツモン レチタティーヴォはチェンバロとチェロ。 演奏者の記載はありません。 チェンバロはレチタティーヴォのみの参加です。 1990年8月のアッシジの聖フランチェスコ教会でのライヴ収録です。
世界各国の36のオーケストラと音楽アカデミーの学生からなるオーケストラによる演奏。日本のオーケストラへの客演もあるモーシェ・アツモンの指揮による演奏です。 大きなオーケストラと合唱を擁していると思うのですが、オーソドックスで温かみのある音楽になっています。テンポは速めで心地好い音楽に仕上がっています。 描写音楽の箇所では 特定のフレーズをそれほど強調することなく、20世紀の演奏らしく さらりと流しています。
ソロは、ほぼスコア通りの端正な歌唱。 マティスの自信を持った堂々とした歌唱は圧巻。ドームの残響の衣が 幽玄さを加えています。 プレガルディエンも暖色系の安定感抜群の歌唱が素敵です。 シュタムも包容力のある美しい声が ドームの空間に満ちている様子が聴こえてきます。
CDの1枚目に第1部、2枚目に第2部と第3部という収録なので、中途半端に切られることがないので落ち着いて聴くことができます。
特別なイベントのための臨時編成のオーケストラによるドレスリハーサルとコンサートの2日間のライヴ録音。ノイズもほとんど無い、聴きやすい録音になっています。先に書いたように、残響が豊かで 音は柔らかく感じられます。
ホールの関係から、とても温かみのある音楽になっています。おしなべてオーソドックスといえますが、ソロ、合唱ともに素晴らしいレベルで(残響の関係で歌詞は聴きとりにくくなりますが)、ライヴ録音の好きな方にはお薦め度高めのアルバムてす。 初めて『天地創造』を手にする方にも、否定的な点は皆無です。
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ヘルムート・コッホの ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエルとエヴァ:インゲボルク・ヴェングロール ウリエル:ヘルベルト・リッペルト ラファエル:ゲルハルト・ウンガー ベルリン放送大合唱団 ベルリン放送交響楽団 指揮:ヘルムート・コッホ 通奏低音はチェンバロとチェロ。 チェンバロ:ロベルト・ケプラー チェロの演奏者は未記載。 チェンバロはレチタティーヴォのみの参加。 1960年8月のステレオ録音。合唱が加わるフォルテの部分で歪み気味なのが惜しいです。
コッホは冒頭から アグレッシヴな表情づけの、まるで次々と隕石が地球にぶつかり 灼熱の大地と化しているかの様な序奏から開始されます。そして 冷えて固まった地球に『光あれ!』 弦楽器を刈り込み、管楽器の響きを明瞭に聴かせながら ソロ(声楽)と器楽(特に管楽器)のアンサンブルを密に作っていくスタイルは時代からすると先進的。テンポは軽快、推進力に溢れる 心躍らせる気持ちの良い速さとリズム。 ハイドンが嫌々書いた 描写音楽は、特に動物が現れる場面などは とても丁寧な演奏です。 ソリストは 装飾を加えずに 楽譜に忠実に歌っています。34歳のテオ・アダムの若々しい真っ直ぐな爽やかな声が『天地創造』にぴったり。ただ 他のソリストがちょっぴり残念です。 合唱は中音や低音の旋律がしっかりと聴こえる「4声のバランス」の良い録音となっています。
このアルバムで特筆すべきは、曲目解説と対訳の27ページが大宮真琴先生の執筆です。ハイドン研究者らしい 極めて詳細な内容を簡潔に述べられています。十分な資料となる、これを読むために入手する価値のあるブックレットです。
このアルバム、第2部の途中でCDの1枚目と2枚目の交換。これはハイドンの意図に沿ったものでなく、音楽的にも中途半端なもの。無関心な編集が残念でなりません。
1960年当時、室内楽的なアンサンブルを感じさせる画期的な素晴らしい演奏ですが、1974年にソリスト2人を交代させたコッホの新盤があり、勿論 細部の違いはありますが、シュライヤーの歌う新盤が頭ひとつ飛び出しているため、この盤のお薦め度は『3』となります(新盤がなければ「4」です)。
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ヘルムート・コッホ、2回目のハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエルとエヴァ:レギーナ・ヴェルナー ウリエル:ペーター・シュライヤー ラファエルとアダム:テオ・アダム ベルリン放送合唱団 ベルリン放送交響楽団 指揮:ヘルムート・コッホ 通奏低音はチェンバロとチェロ。 チェンバロ:ヴォルフ=ディーター・ハウシルト チェロの演奏者は未記載。 チェンバロはレチタティーヴォのみの参加。 1974年1~2月の録音。
旧録音と変わらず、コッホは冒頭から アグレッシヴな表情づけ。弦楽器を刈り込み、管楽器を明瞭に聴かせ、ソロ(声楽)と器楽(特に管楽器)のアンサンブルを密に作っていくアンサンブル重視のスタイル。テンポは軽快、推進力溢れる 心躍らせる気持ちの良い速さとリズム。 第2部の鳥や動物の描写の場面のオーケストラや歌唱に対する(今となっては遅く感じられるテンポでの)丁寧な指揮は、それらの場面を想像させるに十分なレベルです(馬の駆け足が インテンポでここまで自然に聴こえるとは!)。そしてそれぞれのレチタティーヴォやアリアでの美しい対旋律の絡みも絶妙です。
ソリストは楽譜に忠実に歌っています。装飾やアインガンクはほとんど加えていません。 ヴェルナーの清楚で真っ直ぐで軽快なボーイソプラノのような『天地創造』にぴったりな声質。 シュライヤーの柔らかで絹のような美しい声。 旧録音から連続で参加のアダムの甘い優しい穏やかな安定感抜群の歌唱。 重唱においても 等質な響きのアンサンブルで安心して聴けます。 合唱はまとまった響きの中から アルトや男声の旋律もしっかりと聴こえる「4声のバランス」の良い立体的なバランスが見事です。
ただ このアルバム、第2部の途中でCDの1枚目と2枚目が交換になっています。これはハイドンの意図に沿ったものでなく、音楽的にも中途半端なものになってしまいます。LP時代の裏表をそのままに区切った、この作品に無関心な編集が残念でなりません。
一時代前の録音ですが、小型のオーケストラによる コンパクトで爽やかな演奏は、今 聴いてもとても新鮮です。 初めての『天地創造』のアルバムとして お薦めできる仕上がりです。
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ヘルムート・コッホ 2度目のハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエルとエヴァ:レギーナ・ヴェルナー ウリエル:ペーター・シュライヤー ラファエルとアダム:テオ・アダム ベルリン放送合唱団 ベルリン放送交響楽団 指揮:ヘルムート・コッホ 通奏低音はチェンバロとチェロ。 チェンバロ:ヴォルフ=ディーター・ハウシルト チェロの演奏者は未記載。 チェンバロはレチタティーヴォのみの参加。 1974年1~2月の録音。
旧録音と変わらず、コッホは冒頭から アグレッシヴな表情づけ。弦楽器を刈り込み、管楽器を明瞭に聴かせ、ソロ(声楽)と器楽(特に管楽器)のアンサンブルを密に作っていくアンサンブル重視のスタイル。テンポは軽快、推進力溢れる 心躍らせる気持ちの良い速さとリズム。 第2部の鳥や動物の描写の場面のオーケストラや歌唱に対する(今となっては遅く感じられるテンポでの)丁寧な指揮は、それらの場面を想像させるに十分なレベルです(馬の駆け足が インテンポでここまで自然に聴こえるとは!)。そしてそれぞれのレチタティーヴォやアリアでの美しい対旋律の絡みも絶妙です。
ソリストは楽譜に忠実に歌っています。装飾やアインガンクはほとんど加えていません。 ヴェルナーの清楚で真っ直ぐで軽快なボーイソプラノのような『天地創造』にぴったりな声質。 シュライヤーの柔らかで絹のような美しい声。 旧録音から連続で参加のアダムの甘い優しい穏やかな安定感抜群の歌唱。 重唱においても 等質な響きのアンサンブルで安心して聴けます。 合唱はまとまった響きの中から アルトや男声の旋律もしっかりと聴こえる「4声のバランス」の良い立体的なバランスが見事です。
ただ このアルバム、第2部の途中でCDの1枚目と2枚目が交換になっています。これはハイドンの意図に沿ったものでなく、音楽的にも中途半端なものになってしまいます。LP時代の裏表をそのままに区切った、この作品に無関心な編集が残念でなりません。
一時代前の録音ですが、小型のオーケストラによる コンパクトで爽やかな演奏は、今 聴いてもとても新鮮です。 初めて聴く『天地創造』のアルバムとしても お薦めできる仕上がりです。
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ラファエル・クーベリックの ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエルとエヴァ:テレサ・シュテッヒ=ランダル ウリエル:ペトレ・ムンテアヌー ラファエル:フレデリック・ガスリー アダム:キム・ボルイ RAIローマ交響楽団と合唱団 指揮:ラファエル・クーベリック 通奏低音はチェンバロとチェロ。 演奏者の記載はありません。 チェンバロはレチタティーヴォのみの参加です。 録音は1959年5月のライヴ録音(モノラル)。
全体的に速めの とてもキビキビとした演奏は、84年のORFEO盤と方向性は同じです。ただ、器楽の奏者の覚束ないところが所々で聴こえてくるのが残念です。クーベリックはそのようなことにお構い無しで突進していきます。 歌手陣では、シュテッヒ=ランダルが 速めのテンポの曲でも 華麗で輝かしい歌唱を聴かせてくれます。 ガスリーの凄みすら感じる、強力なバスはモノラル録音からも迫力いっぱいで届きます。
尚、8番のソプラノアリアの最後の1小節が切れているのが残念です。そして、その音が切れてすぐに次のレチタティーヴォに続くのは(頭では最後の音が鳴っているのに)めちゃめちゃ抵抗がありました。
そして最後にボーナストラックとして 🎵ドヴォルザーク:交響曲第9番『新世界より』ホ短調 作品95 指揮:ラファエル・クーベリック デンマーク放送交響楽団 こちらも1959年の2月のライヴ録音(モノラル)。
颯爽とした晴れやかな(私的にはボヘミアの)風を届けてくれる秀演です。
『天地創造』と『新世界より』のそれぞれに 拍手が入っております。 尚、このCDのブックレットは、各曲のトラックナンバーと演奏者の名前のみしか載っていません。
ハイドンを聴くために このCDを購入しましたが、『天地創造』のお薦め度はオーケストラの技量と音の切れがあるので「2」です。それに対して『新世界より』は「4」です。そのため 全体のお薦め度は「3」にしました。 クーベリックの好きな方、『新世界より』の名演奏を聴き比べしたい方にお薦めのアルバムです。
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ゲオルク・ショルティの2回目の ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエルとエヴァ:ルート・ツィーザク ウリエル:ヘルベルト・リッペルト ラファエル:ルネ・パーペ アダム:アントン・シャリンガー シカゴシンフォニー合唱団 シカゴ交響楽団 指揮:ゲオルク・ショルティ 通奏低音はフォルテピアノとチェロとコントラバス。 フォルテピアノ:デヴィッド・シュラーダー チェロ:ジョン・シャープ コントラバス:ヨーゼフ・ガスタフェステ フォルテピアノはレチタティーヴォのみの参加です。 録音は1993年10~11月のライヴ録音です。
ショルティ/シカゴの2回目の『天地創造』のアルバム。通奏低音がチェンバロからフォルテピアノに変更。そしてアリアでのソリストの装飾、アインガンクが聴かれるところが 12年前との大きな相違点でしょう。 その他、緻密でハイドンのオーケストレーションの組み立ての巧みさを透かしてみせるような透明感のあるオーケストラコントロールは相変わらず。 ただ テンポ設定が全体的に速くなっているのは 歌手の関係か、ショルティの解釈の深化か? オーケストラも繊細。テンポを変化させたりとの あざとい描写をするのではなく、さらりと、そしてフォルテにしたり。第2部の三重唱の伴奏の美しさはその例。 ツィーザクの素直で清楚な発声はガブリエルにぴったり。そして パーペの温かみのある低音は 創造主の眼差しを感じる声。
収録は1枚目に第1部、2枚目に第2部~第3部という ハイドンの意図に沿った形になっています。(これが当たり前だと思うのですが…)
私的にはショルティの『天地創造』は1981年盤の方が、チェンバロが歌にも加えられたり、ソプラノの歌唱スタイルで好きなのですが、こちらは 速い箇所では 指揮しているショルティの姿がわかるような 特徴あるキレキレの演奏です。
もちろん、ショルティファンの方のみならず、ハイドンや古典派音楽ファンの方にも聴いてもらいたいアルバムです。そしてショルティの1981年盤をお持ちの方も 是非聴き比べて下さい。音楽の深化がわかりやすく楽しめます!
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ゲオルク・ショルティの指揮する ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル:ノーマ・バロウズ ウリエル:リュディガー・ヴェーラーズ ラファエル:ジェイムズ・モリス エヴァ:シルヴィア・グリーンバーグ アダム:ジークムント・ニムスゲルン シカゴ交響楽団と合唱団 指揮:ゲオルク・ショルティ 通奏低音は チェンバロ:デヴィッド・シュラーダー チェロ:フランク・ミラー コントラバス:ヨーゼフ・ガスタフェステ チェンバロがアリアや重唱、合唱にも入っています。 録音は1981年11月。
ショルティ/シカゴの最初の『天地創造』の録音。 緻密でハイドンのオーケストレーションの組み立ての巧みさを透かしてみせるような 透明感のある演奏が聴けます。
ショルティの指揮は 落ち着いたテンポで、天地創造のひとつひとつの情景を聴衆に想像力を促している様。そして各部の締めの合唱での圧巻のエネルギーの音楽作りとの対比が素晴らしいです。
ソリストにはスコア通り歌わせています。装飾やアインガンクは「描写を表す箇所以外では」入れていません。 そのようなソリストの中で バロウズが二重(母)音として歌える8分音符ひとつに乗った言葉(音)を 16分音符2つのように丁寧に分けて発音しているのが印象に残ります(私はこのような歌い方が好きなので…)。そして第2部冒頭のアリアでの 可憐なアインガンクとハッとさせられるフレーズ終わりでの音の移動の清冽さがそれは見事です。 ヴェーラーズは浅い声ですが、温かみのある歌唱が印象的。 モリスの安定感はレチタティーヴォから この作品の前半を牽引しています。 そして第3部の若々しいグリーンバーグと情感豊かなニムスゲルンのソロも ソリストを分けたことが生きています。
収録は1枚目に第1部、2枚目に第2部~第3部という、ハイドンの意図に沿った形になっていて 安心して聴けます。
ステレオになって以降の「現代オーケストラと録音した」数多くの『天地創造』のアルバムの中で、私が最も素敵な演奏と自信をもって言える盤です。 勿論、初めて『天地創造』を聴く方にもお薦めです。 最後に、この盤と肩を並べられる「現代オーケストラによる『天地創造』のアルバム」は バーダー盤くらいでしょう。
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フランス革命のあとの、ミラノの交響曲作品集!
ヴァンニ・モレット指揮の、アタランタ・フーギエンス管弦楽団(5-4-2-3-2のチェンバロ無し)の明るく爽やかな演奏で聴くことができます。
収録作品は 🎵ボニファツィオ・アジオーリ(1769-1832):交響曲へ短調 4楽章の充実したコントラストの光る古典派作品。第3楽章は『ワルツ』 🎵ガッツァニーガ:交響曲ニ長調 流麗で美しい 古典派らしい明るい3楽章の小さな交響曲。 🎵ロッラ:交響曲ニ長調 BI.533 堂々たる第1楽章から始まる 快活な古典派らしい爽やかな3楽章の作品。
以下の4曲は すべて単一楽章の交響曲(シンフォニア) 🎵ジュゼッペ・ニコリーニ(1762-1842):交響曲変ロ長調 🎵アジオーリ:交響曲ト長調 🎵ロッラ:交響曲ホ短調 BI.537 🎵ステファノ・パヴェージ(1779-1850):交響曲変ロ長調
すべての作品が 初録音という資料的にも有用なもの。 古典派らしい親しみやすい旋律が素敵な作品ばかりのアルバムになっています。質的なことを言えば、モーツァルトの10代前半の作品も及ばないというものもありますが、音楽を愉しく聞くには 十分な作品と演奏になっています。
古典派音楽の好きな方に 安心してお薦めできるアルバムです。
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ピリオド楽器によるミヒャエル・ハイドンの弦楽五重奏曲集!
パウル・アンゲラー率いるウィーン・コンキリウムムジクムのメンバーによる演奏です。スコアに忠実に 耳に優しい音楽を聴くことができます。 1990年の録音で、元々はバラで発売されていた2枚をまとめたもの。 この当時の古楽器受容の常として、まだ主題が戻って来た時の装飾やヴァリアントなどはみられません。そのようなスタイルなので、とても温かみのある音楽となっています。
収録作品は 🎵弦楽五重奏曲 ト長調 P109 🎵弦楽五重奏曲 ヘ長調 P110 🎵弦楽五重奏曲 ハ長調 P108 以上の3曲は、メヌエットつきの4楽章形式の古典派らしい 旋律の美しさに揺られる優雅な作品。 🎵弦楽五重奏曲 ヘ長調 🎵ディヴェルティメント 変ロ長調 2枚目の2曲は、どちらも最後に行進曲が置かれ メヌエットが2つ入った7楽章形式の作品です。作品番号は表示されていません。
引き締まったアンサンブルによる、落ち着いたピリオド楽器の響きが素敵な演奏です。 古典派の室内楽の好きな方にお薦めのアルバムです。
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古典派のフラウト・トラヴェルソを伴う室内楽選!
ピリオド楽器の「WIGソサエティ」~フルート四重奏+チェンバロ~による温かな演奏が魅力の1枚です。ここで聴ける作品は、ハイドンが一番年長として、その18歳年下までの古典派の作曲家による作品集です。そして一般的にチェロで弾くパートをバスの安定感ある音で支えているのもいい。
収録作品は 🎵アイヒナー:フルート四重奏曲 ト短調 作品4-6 🎵ハンス・ハインリヒ・ツィールヒェ:フルート四重奏曲 変ロ長調 作品2a-5 🎵シュテルケル:2つのヴァイオリンとバスのための三重奏曲 イ長調 作品6-3 🎵ハイドン:フルート四重奏曲 ト長調 作品5-2 もしくは Hob II-G4 🎵ピフル:ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 ニ長調 作品18-1 🎵ヨーゼフ・シュミット:フルート四重奏曲 ホ短調 作品10-6
初めて聞くような名前の作曲家もいますが、どの作品も古典派のスタイルの耳に優しい作品ばかり。フラウト・トラヴェルソの色彩感によるアクセントが素敵ですが、チェンバロもに抜けた弦楽合奏によるシュテルケルの生命力溢れる音楽にも惹かれます。 この中で最も知られているであろう、ハイドンの四重奏曲は、チェンバロが加わっての、アグレッシブに攻めた 賑やかな響きにワクワクさせられる 素晴らしいアンサンブルが魅力です。
初録音作品も複数含まれるアルバムのようですが、フラウト・トラヴェルソ(フルート)奏者の方は勿論、古典派音楽の好きな方にもお薦めできる、緻密なアンサンブルによる秀演の1枚です。
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クリスチャン・バッハのファゴット協奏曲とミヒャエル・ハイドンの交響曲!
ソフィー・デルヴォーのファゴット(と 指揮)、ミュンヘン室内管弦楽団のモダンオーケストラによる素敵なアルバムです。通奏低音のチェンバロが加えられています。
収録作品は 🎵J.C.バッハ:ファゴット協奏曲 変ロ長調 W.C83 古典派らしい、流麗で美しい旋律が存分に楽しめる作品です。 🎵M.ハイドン:交響曲第51番 変ロ長調 P.51 3楽章形式の端正な交響曲。第2楽章がファゴットの協奏曲楽章のように書かれた作品。終楽章はメヌエットです。 キビキビとした健康的な音楽に仕上がっています。 🎵J.C.バッハ:ファゴット協奏曲 変ホ長調 W.C82 クリスチャン・バッハらしい 歌うAllegroから開始する、古典派らしい旋律を聴かせる作品です。
クリスチャン・バッハの流れるような美しい旋律を堪能できる1枚です。ミヒャエル・ハイドンの交響曲が素敵なアクセントとして真ん中に入っています。デルヴォーさんの温かい音楽作りが これらの曲にぴったりです。
オールカラーのブックレットは 小さな写真集です。ソフィー・デルヴォーさんのファンにはたまらない1冊でしょう。
ファゴット音楽の好きな方、古典派音楽の好きな方にお薦めのアルバムです。
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バーンスタイン/ニューヨークフィルとの ハイドンの『天地創造』と『ハルモニーミサ』!
レナード・バーンスタイン指揮、ニューヨーク・フィルハーモニックによる、ハイドンの宗教音楽選。
前半は 🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:ジュディス・ラスキン ウリエル:アレクサンダー・ヤング ラファエル/アダム:ジョン・リアードン カメラータ・シンガーズ レチタティーヴォはチェンバロとチェロ。 チェンバロ:ブルース・プリンス=ヨーゼフ チェロ:ベルナルド・アルトマン 1966年の録音なのでモダンチェンバロを使っています。
バーンスタインの『天地創造』は、基本、速めのテンポでキビキビとした硬質な演奏。フレーズの最後のみ 伸ばしたりテンポを緩めて 大きな表情づけを行っています。テンポの振れ幅の大きいところが 時代的な印象(バーンスタインらしさ)を感じます。 描写音楽の箇所は オーケストラの機能を生かしたダイナミックなところが印象的。
ソロはスコア通りの歌唱。アインガンクや装飾はつけていません。ラスキンとヤングの甘美な声が耳に残ります。
後半は 🎵ハイドン:ミサ曲第14番 変ロ長調『ハルモニーミサ』Hob.XXⅡ-14 ソプラノ:ジュディス・ブレゲン メゾソプラノ:フレデリカ・フォン・シュターデ テノール:ケネス・リーゲル バス・バリトン:サイモン・エステス ウェストミンスター合唱団 1973年の録音。
大編成のダイナミックなハイドン。それに対してソロの女声2名の清楚な声が天からの響きの様。テンポの速い箇所の清々しさが気持ち良いです。
濃厚な2曲のハイドンが楽しめます。「古典派のハイドン」を聴きたい方には向いていません!ロマン派の声楽作品の好きな方が喜びそうな音楽になっています。そこを承知で聴くのであれば、2曲を聴けるお得盤として お薦めできます。
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ヴォルフガング・サヴァリッシュの ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:アンドレア・ロスト ウリエル:ヘルベルト・リッペルト ラファエル/アダム:クルト・モル フィレンツェ五月音楽祭合唱団 フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団 指揮:ヴォルフガング・サヴァリッシュ レチタティーヴォはチェンバロとチェロ。 チェンバロ:アンドレア・セヴェーリ チェロ:ジョルジュ・ジョルジェスク 1999年のライヴ収録。残響豊かな 明瞭な録音で、少しの会場ノイズもありますが気になるほどではありません。最後に拍手が少しだけ入っています。
サヴァリッシュの指揮は、イタリアのオーケストラの甘い音色をそのままに、端正で緻密でバランス良く組み立てられたハイドンを作っています。そこではオーケストラのちょっとした技術の緩さとの隙間と そこを使ったかのような突然のフレーズの強調にニンマリしちゃいます。 ソロの3人のスコア通りの端正で乾いた歌唱は サヴァリッシュのハイドンに対する姿勢を反映させています。アインガンクや装飾はつけられていません。 描写音楽の箇所も 歌手もオーケストラも特別にその箇所を強調することもなく、流れるように美しく流しています。 ソロの3人は、ロストの暖色系の特徴ある声質、モルの大地のようなすべての音を支えるかのような安定感のある声が印象に残ります。
CDの1枚目に第1部、2枚目に第2部と第3部という収録になっています。
まさに塵ひとつない、清らかなハイドンを目指した演奏が聴けます。 スコアを広げながら『天地創造』の勉強をするのに適したアルバムといえるでしょう。ただ、2枚目以降の「○○のような演奏を…」と言って聴くのであれば、つまらないかもしれません。 初めての『天地創造』として選ぶのであれば「基準」として適したアルバムだと思います。
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ギュンター・ヴァント指揮の ハイドンのオラトリオ『天地創造』!
🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.XXI-2 ガブリエル/エヴァ:ジャネッテ・ファン・ディエク ウリエル:ペーター・シュライヤー ラファエル/アダム:テオ・アダム ケルン・ギュルツェニッヒ合唱団 ケルン・ギュルツェニッヒ管弦楽団 指揮:ギュンター・ヴァント レチタティーヴォの伴奏はチェンバロとチェロ。 チェンバロ:フリッツ・レーハン、チェロ奏者の記載はありません。
1964年のレコード用のステレオ録音です。 録音年度に対しては、思った以上の音で聴くことができます。ただ、私の聴いているACCORD盤では、合唱の強奏のところで歪み気味なところが残念でした。
中庸なテンポで、声楽と器楽のバランスの取れた見事な演奏(録音)に仕上がっています。ソロの3人はスコア通りの模範的な歌唱を聴かせてくれます。シュライヤーの安定感と美声は この録音の白眉ともいえるでしょう。 ヴァントの指揮は、大きなオーケストラと合唱を使ってはいるものの、しっかりとした構築の端正なハイドンの音楽を 室内楽のような緻密さをもって聴かせてくれます。 描写音楽の箇所は、木管楽器なども旋律の一部分というように、それとなくさらっと聴かせています。
LP 時代から (日本では)話題にのぼらなかった録音ですが、1970年代までの『天地創造』のレコードでは 間違いなく 3本の指に入る素晴らしい録音と言えます。
CD 化に際して、第2部の途中で2枚目のディスクに交換という編集が残念です。できれば ストーリーに合わせて、1枚目に第2部の最後までを収録してもらいたかったです。
大きめのオーケストラと合唱で『天地創造』を勉強をする目的で聴くのであれば、とても良い教材となるアルバムです。またそれは 教科書的で没個性的な演奏とも捉えられます。でもこれが1960~70年代のヨーロッパの音楽の目指していた方向てすので、時代を反映した当時の姿を聴ける素晴らしい録音とも言えるでしょう。
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