カスタマーズボイス一覧

Ligeti: Atmospheres; Shostakovich: Symphony No.10 Op.93 / ダヴィド・アフハム、他

2001年宇宙の旅も冷戦も知らない世代の演奏は、先入観抜きに純粋な美しさが聴けます。リゲティは、不気味さよりも構造的な美しさに感心しました。10番は、スポーティーなかっこよさもさることながら、イデオロギーから開放された曲の普遍的な美しさに目が開かれます。楽器が楽しげに会話するような3楽章が特に面白かったです。

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馬羅さんが書いたカスタマーズボイス

(全361件)

映像の第9が演奏も音も素晴らしい。しかし、オーディオ版は暗騒音が目立ち、音がモワついて、合唱もビリついて聴き辛い。SACDは、音はややスッキリするが特に美しい音とは言い難い。来日公演でハイテンポの運命が評判になったが、会場のモワーンとした残響のせいか、特にインパクトのない普通の印象にとどまっている。

当時の音楽雑誌でこの幻想交響曲のジャケットを見たのを思い出した。実に瑞々しい音の復刻で、演奏も録音もレコードに妥協のないものを残そうという真摯な想いが感じられる。田園も軍隊もワルターと比べても遜色のないもので、今まで聞かなかったのが勿体なかったと反省したい。白鳥の湖とジュピターも是非、発掘して欲しい。

ほぼ半額セールで初期LP並みの価格と思うと、LPサイズの箱も当時のノスタルジーとして持てる悦びがあるといえるのでは。特に気になっていた2幕終盤のジークリンデの声のビリツキが目立たなくなっているのがよかった。ワルキューレの騎行はくっきり快晴になってしまい地獄の黙示録感がやや後退している。ステージ感を重視したマスタリングのようで魔の炎でのヴォータンの槍の音(楽譜には無い)がややオフ気味なのが音楽性をとるかサウンドをとるかで判断の難しいところ。でも、やはりこの録音の魔力は凄い。

ほぼ半額セールの誘惑に負けて購入。LPの生々しい空気感や3枚組初期CDのガツンとしたサウンドと違ってややソフトタッチで音楽性を重視したマスタリングという印象。今回写真でニーベルハイムの60人の孤児による足音や悲鳴がステージでの同時収録というのが新発見。一部気になっていた声のビリツキが目立たなくなっており、より音楽に集中して鑑賞できる。写真でドシン音の金塊?が見れたのも嬉しい。LPサイズの箱は賛否があると思うが、買ってよかった。

4番は、レーヴェ版を基にアレンジし、コーダで銅鑼やシンバルが加わって壮大に盛り上がるが、アラーム音が入ってしまうのが惜しい。8番のフィナーレは、読響よりもゆたっりとしたテンポでどっしりと終わり、個人的に満足度が高い。N響の重厚な音色を生かした演奏は、読響との緻密な演奏とは違った魅力があり、この録音が遺されたことに感謝したい。

まだっ数曲聴いただけだが、まさに音の大花火大会。散々聴いたはずの録音でも、初めて聴くような新鮮な驚きがある。特に、声楽物が素晴らしく、日本では場違いと酷評されたバッハやヘンデルも再評価されるべきだろう。一瞬、伊福部かと思わせるエア・パワーなんて珍しい曲もあってワクワクが止まらいが、何故か「おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな」と 芭蕉の句が頭に浮かぶのは私だけだろうか?アメリカンなはずなのに、どこか日本人の琴線に触れるものが潜んでいるのが、オーマンディサウンドの魅力だと私は信じている。

ホルンが危うかったベートーベン全集に比べて、5番の難所も無事切り抜けて、オケの進歩を実感できる。どの曲も粗野にならず、尚且つ盛り上げ方が巧で感動的。個人的に白鳥の湖が一番気に入った。フィレンツェやデンマーク祝典もいい曲ですよ。

テープがワカメ状態で聴きずらかった音をここまで復元してくれた努力に感謝したい。私が初めて買ったマラ9が、まるでショスタコーヴィッチの様と評されたバーンスタインの万博来日記念盤。だから、同様な過激なマラ9の演奏が鑑賞に堪える状態で聴ける喜びは計り知れない。芥川の曲もプロコフィエフの影響がよく分かる。欲を言えば、オイストラフとの協奏曲も全部聴きたかった。

これは凄い。一番古いハイティンクの1番からして、オケの燃焼度が尋常ではない。最近入手した中古のオーラトーンの小型SPでも部屋がオルガンのような壮大な響きで満たされる。それぞれの指揮者の得意な曲を網羅した選び方も見事だが、BPO全集でもよかったメータの8番など、更にコンセルトヘボウの響きこそがブルックナーなんだという気迫が感じられる。欲を言えば、0番とテ・デウムを誰かが振ってくれていればと思う。

伝統や近年の研究に拘らず、メータが聴衆と共に分かち合ってきた長い音楽人生で感じた、音楽の一番美しい姿を後世に残そうという信念が伝わってくる全集。第9のアッチェレランドをかけない荘厳なクライマックスに辿り着くと、中学の時から半世紀以上付き合ってきたメータの演奏の集大成を実感して感無量です。

同じマスタリングのはずなのにずいぶんと音が違い、シングルレイヤーの生々しさやBDオーディオの滑らかさはないが、音場感が豊かで、やや埃っぽいながらホールで聴いている雰囲気がある。CD層(カーステ)で聴いても素晴らしく、個人的に車で聴けるのも有難い。ロジェベンのも音響のよいホールなので、レスギンカのリムを叩く音がホールにこだまする様は他では聴けないだけに貴重。ダ・リミニもオケの凄さに圧倒される。

いずれも独自のニュアンスで耳を驚かせる快演。特にP協は、文句なしの名演だろう。フェドセーエフが拘るアンダンテも、この演奏が一番説得力があると思う。珍しいアンコール曲も素敵だが、鮮烈なスペインの踊りを聴くと、この曲の為だけに買ってもいいと思えてしまう。再び、世界が音楽で一つになれる日に祈りを込めて、ブラボー!

客席の臨場感?が凄い。ちょっとマイクが遠いが、チェリ独特の柔らかい響きが他のオケより美しく再現されていると思った。あの生放送を体験したというだけで、これを買った理由として十分だろう。今、キーウの大きな門を聴くと、平和への熱い思いを感じる。戦後の混乱期に運命を翻弄された者にしかできない演奏だろう。

黄金の子羊が2面に分かれているのがやや残念。エテルナのSACDマスタリングの傾向として、音楽的に美しい音になっているので、暴力的な迫力は一歩後退している。でも、声は残響が分離してリアルさが増したようで、ドラマとしての迫力には不足しない。「言葉よ…」とモーゼが絶句するラストが最高。「ワルソー…」は、音の古さが目立つが、ベルクを含めて人間の声の凄さや美しさが実感できる、よいカップリングだと思う。

初出時の8番は、何故かカッティングレベルが低く、セヴェランスホールのせいもあってか、弱音で響きがやせ過ぎで聴くのが辛かった。SACD化されたセル(ノヴァーク版)が凄い音だったので、リマスタリングに期待して購入。今回の音は、弱音でも擦れないで、ようやく旧配置・ハース版の真価が発揮できた(他の曲は現代配置)。全体的にハイ上がりだったサウンドが落ち着いて、バッハとの宗教音楽的繋がりを感じさせるオマケ付きの6番も充実感が増した。8番は、メスト(初版)も揃えると、同じオケで三種の版が聴けるのは至上の悦びだ。

以前のCDでは、録音会場が放送局になってから、音がドライで、聴き通すのが辛かったが、SACD化されたチャイコ三大バレエを聴いたら、放送局でもキリスト教会に負けない音が響いたので、もしやと思ってリベンジした。音のヒステリックさが減って、若干潤いが増しただけでも、随分と印象が変わるもので、近年の速めのテンポに慣れたせいもあってか、むしろ音の強弱や間の取り方の工夫に感心させられて楽しめた。時折見せる、ティンパニの強打が効果的。

久しぶりのアブラヴァネル=ユタ響の復刻。昔のやや人工着色気味の総天然色映画を視る趣のある録音が、サティの音楽とマッチして、楽しめる。以前の復刻を買いそびれたので、高価だがXRCDでの復刻は有難い。余談だが、ピストルの音で、DENONのサンプラーLPにホールの残響測定用のピストル音が入っていたのを思い出した。

手持ちのCD(33CO-1016)と比べて、音が全く違っていて驚いた。CDは、くっきりと鮮明で音像が大きく華やかだが、今回のSACDは、高音が柔らかくなって、低音や響きが豊かになり、音が溶け合ってやや透明感が失われて(スイトナーと同じ)エテルナのサウンドに近づいている。個人的な感想だが、CDでは、音は綺麗だが楽器がバラバラに聴こえて落ち着かない。SACDでは、音は地味だが、音が有機的に絡まって一体感があり、音楽としての息遣いが感じられる。かなり好みが分かれそうなマスタリングではあるが、私の好みはSACDの方。

4番はノヴァーク版だが、シンバルを使っていない。CD層でも従来より落ち着いた音で、自分の好みだが、SACD層では更に渋くなって、従来のサウンドイメージを大切にしている方には、物足りないかもしれない。特に何か特別なことをしている訳ではないが、心に染み入る様な静謐な情感の美しさが印象的。また、じわりじわりと盛り上がるフィナーレは壮大だが、あくまでも爽やか。再録音とは違う魅力があり貴重な録音だ。

引退の予定を発表された井上氏若き日のとにかく熱いマーラー。SACD化で、雷鳴の様な巨大な音響の迫力が凄まじいが、各楽器がきちんと聴き分けられるのが見事。恥ずかしながら、4番3楽章の盛り上がりでの銅鑼の効果に初めて気づかされた。6番4楽章の22分での盛り上がりで聴こえる井上氏の叫び声が印象的。復刻されてブラボー!

初出時、割高感があって買いそびれていた。ボルドーのオケは、ベンツィとのブラームス4番でも、芳醇なワインのような味わいがあって好感をもっていたが、ここでも、やや早めのテンポと優美なフレージング(特に8番)で、爽やかな朝の風を浴びるような趣がある。ソフトタッチだが、包み込むように豊かなティンパニの響きもあって充分に迫力も感じられ、癒し系だが決して脱力系という訳ではない。疲れた時の処方箋としてお薦め。

お目当ての田園はCD層(カーステ)で聴いても生との音の違いは少なく、高弦の硬質感が気にならず音楽に没入できる。婚約中だった連れ合いが涙を流していた2楽章もSACD層で聴くと当時の奏者の息遣いまで思い出されて感無量である。完全にワンポイントになってからの録音は文句なく、発売当時、音が遠いと言われた欠点も気にならず、まさに音楽の世界遺産と言っていい仕上がりに感謝します。

国境を越えた友人同士、せっかく三人集まったから何か録音しようで生まれたヴィヴァルディ。当時は冷戦時代、でも今よりずっと音楽に国境はなかった気がする。演奏はもちろん、ライナーノートを読んだだけでも、遂目頭が熱くなってしまった。

4楽章は冒頭から大太鼓が活躍、これなら4楽章の最後に衝撃の一発をいれる意味がある。5楽章では、クック版にはない銅鑼が凄い効果!まるでホラー映画のよう。煉獄から地獄、そして未来への微かな光明へ…この版を選んだ理由に納得。

BD付きのは高域をカットしたというので、ノイズを残して無加工のこちらを購入。SACDのメリットでノイズが楽音から分離して、LP時代から音符が増えたように気になっていたバーンスタインの声や足音がすっきりして音楽に集中できるようになった。まだ、古風な音色が残っていたVPOに響きが堪能できるのがいい。

シンバルとトライアングルの代わりに猫が入った唯一無二の8番だが、これはこれで、荘厳さがあっていい。いかにも70年代オケあるあるの金管の外しっぷりは、今聴くと微笑ましい。でも、新日フィルのひたむきさには好感が持てる。SACD化で、時間が経つのも忘れて一気に聴けてしまった。

今までのCDの音は何だったんだ、というほどの弦の音色の美しさに驚かされる。特に、7番は手持ちのCDの音が不安定だったので、別物といってよいほどの改善に感謝。後年よりも引き締まった、ハードボイルドな演奏の魅力が克明に伝わる。なお6番のハンマーは、1回目のチェコフィルと同じく金床。

左chのエコーが気になるが、咳や演奏に伴うノイズや拍手がビックリするほどのステレオで、自分が会場にいる様な臨場感がある。楽音はこじんまりとしたステージで拡がりは希薄。でも、微かに位置関係は判別できるし、演奏にはぐいぐい引き込まれる。声はややビリつき気味(賢者は苦しい)なのが惜しい。銃声がリアルでギョッとした。しかし、こんな体験が出来るだけでも有難いことだ思う。

聴き始めたら、手持ちのキャニオン盤との音質比較をするのも忘れて音楽を聴くのに没頭してしまった。まだ、5・6・7・9番が「歌のないカンタータ」と呼ばれて敬遠されていた時代にユダヤ系指揮者よりも先にステレオ録音をしたノイマンの雑味のない純音楽的なマーラーは、やはり素晴らしい。9番のラスト、ヴィオラによる亡き子を偲ぶ歌のフレーズがこれほどの充実感をもって奏でられるとは…まさに我が生涯に一片の悔いなし…合掌…

ケンペによる、再生音であることを忘れる程のまさに絹ごしの美音の後に、鼓膜を切り裂くような広島の鮮烈なサウンド!予想以上に衝撃的なカップリングだ!最後にプルチネルラが入ってなっかたら精神が崩壊したかも…装置と心に自信のある方にはお薦めできる。

「四季」が大好きだが、モノラルなので敬遠してきたが、SACDなので思い切って購入した。このレーベル特有のエコー処理でモノラルのデメリットは感じず部屋が豊かな色彩に満たされる。有名な5番ばかり聞いてきたが、4番がこんなにいい曲だと初めて知らされた。「四季」はカットが多いのが残念だが、意外にノスタルジックな面があり、ややクリップ気味ながら盛り上がりも凄く満足した。

コンドラシンの悲愴を密に愛聴しているので、ロメジュリを期待して買った。期待通り、洞窟のようなエコーで団子状態になった音が押し寄せてきて痛快だ!モントゥーは、合唱の出番が少ないのが惜しいが、独特の色彩感が豊かでハープの目覚ましさが印象的。お馴染みのムラヴィンスキーは、墓の前のロミオの凄まじい盛り上がりはいつ聴いても感動してしまう。

ミュンヘンライヴを持っているが、シュトゥットガルトライヴは持ってないので購入した。冒頭のホルンがヨレヨレなのは、ご愛敬だが、なるほど、音はずっと鮮明だ。低弦の空気感も豊かで心地よい。逆にコーダのシンバルはリアル過ぎて、神秘感がやや薄らいでしまった感があるのだが。続けて、パルシファルが聴けるカップリングもよく、お値打ちだ。

日頃は、ブライトロン盤を聴いているが、好きなレーベルのSACDなので、つい買ってしまった。ノイズも目立たず、このレーベル特有のエコー処理も心地よく、本家のSACDのようにハイ上がりにならず、低音の充実したよいバランスで復刻されている。女声も目立たなく処理されていて気にならない。他の2曲も素晴らしく、買ってよかった。

クレンペラーは、ワルターと共にスコアの完成を手伝った7番では、まるで自分の曲の様に改変しましたが、他の曲では真面目すぎ、9番もVPOとのライヴでは、淡泊な印象でした。しかし、これはオケがメロメロな(好意的な意味で)せいもあり、感情の変化がうねる大波の様に押し寄せてきます。マーラーと共に生きた人間にしか演奏できない貴重な遺産でしょう。

本当にSACD?まるでAMラジオをラジカセでエアチェックしたような音。ノイズが酷く、我が家の旧タイプのアンプのハイカットフィルターを入れたら、やっと落ち着いて聞けた。オーマンディ盤の様に歪だらけでも説得力のある演奏なら感動できるが、これは厚みが無く、低音もスカスカで感動以前の問題。まだ、強風の山の上で録音したバーンスタインのイスラエル盤の方がいい音。今時こんな音は、海賊盤でも中々お目にかかれない。なんて、SACDだ!

ゼルキンの拘りが生んだ再録音。以前よりタッチが柔らかくなったが、彼なりのブラームスの音宇宙を見事に再創造している。1番では、初めてセルと音量バランスを巡って意見が対立したらしいが、今回の入念なマスタリングを聴けば、両者共に満足するに違いない素晴らしい音。慈愛に満ちたアバド盤と趣が違い、指が鍵盤を駆け回るように透明な音彩が空間に解き放たれるモーツァルトも素晴らしい。

ティンパニの鮮明な打音が好きでLP時代からの愛聴盤。この曲を生で初めて聴いたとき、ウィーン育ちのギリシア系指揮者がN響を振った演奏だったが、この演奏にそっくりで驚いた。ワルターらのユダヤ系の血による演奏とは別におそらくウィーンで伝統的に受け継がれたスタイルではないだろうか?いろいろと気持ちをリセットしたいときに聴くと、とても癒されます。

LP初出時から木製の王子はやや抜けの悪いサウンドで、何かもやもやした印象しか残らなかった。今回、SACD化でようやくメルヘンチックな曲の真価が理解できた。生で聴いたショルティと並ぶ名演の舞踏組曲の復活は嬉しい。

演奏旅行用の特製電子オルガンを使ったサンサーンスは、オーマンディにしては珍しく、フィナーレにテンポを落として、打楽器がオルガンを押しのけて大見えを切り痛快。やや混濁感が多い録音だが、SACD化で意外と繊細な音も聴こえてすっきりと見通しがよくなった。巨大なウインナワルツのような甘美なツァラ…も素敵。

カップリングのメータ2度目のハルサイは、2chで再生してもクライマックスでティンパニが部屋中を駆け回るとんでも録音。2曲とも当時LPをFE203×2バックロードホーンで爆音再生してた音は再現できないけど、機材を調整してきちんとサラウンドで再生したいな。

生で見たショルティの指揮は剛腕でオケから音を絞り出す様だった。R・シュトラウスの知遇を得た思い出の地のオケを健脚でガシガシ山登りさせるアルプス…はその記憶を蘇らせてくれる。1月にN響でソロを弾いたお馴染みのキュッヘルさんの若き日の甘美なソロが聴ける英雄…は最高。シカゴの名人たちの胸のすくようなサウンドを楽しめる3曲も楽しい。

偶然見つけたが、不思議なことにエクストンの同内容盤よりも安い。そして、試聴サイトを開いて驚いた!バッカス…が第1組曲から入っていて、しかも色彩感が凄い!迷わず購入した。サンサーンスは、バランスがよく生で聴いた愛知県芸ホールよりも色彩感豊かで迫力大。バッカス…は、ようやくミュンシュのモノラル盤に代わる録音に巡り会えて感謝!

マンハッタンセンターの2曲は豊かすぎるホールトーンとハウリング的重低音が面白い。但し、楽器の距離感に比べて演奏ノイズがやけに鮮明で気になる。フィルハーモニックのラコッツィは、ややクリップ感があるがクライマックスが大迫力。そして、30丁目スタジオのカーニバルはこれぞバーンスタインの最高の録音!3つのホールの違いが味わえてブラボー!

セルとのSACDの発売が遅れているので、浮気して購入してしまった。2番はLPを持っていたが、ややハイ上がりでブラームスにしては明るすぎる音色が好みに合わなくて、CDではルービンシュタインとの演奏ばかリ聴いていた。しかし、今回のCDは高音が落ち着いた美音で、バランスもピラピッド型でじっくりと鑑賞できる。セル盤に比べて自由に弾けている感じがよく分かる。オマケのシューマンもいい。

まさに大指揮者たちの同窓会みたいな企画が見事。一部持っているCDもあるが、バルビローリが亡くなる三か月前の演奏会が聴きたくて購入した。その年1970年は、ちょうどFMラジオを買ってクラシック番組をエアチェックし始めた頃だったので、他のCDを聴いていても当時のことが思い出されて感無量…。特にサヴァリッシュのブルックナーを聴いていると8番をN響とのエアチェックでお世話になったので、サヴァリッシュがブル8を録音できなかったのは残念な思いが胸にこみあげる。とにかく、選曲が各々指揮者の個性がより強く発揮されたものばかりでお腹一杯、胸一杯です。

以前から気になっていたイベールをFMで聴いたらよかったので、調べたら限定BOXが激安で在庫があったので、思わず購入した。ご丁寧にサンプラー盤のオマケ付きで届いた。とにかく音が素晴らしくあまり録音のない珍しい曲が極上のサウンドで楽しめるのが嬉しい。持っていなかった、初期のプロコフィエフやショスタコーヴィチは今でも十分通用する名盤だと感動した。特に個人的には、R・シュトラウスの歌曲「明日」が聴けただけでも買った甲斐があった。

ちょうどFMでN響との演奏が特集されていて、「特別何かをしている訳ではないが、こういう演奏が実は難しい」と評されていたブロムシュテット。この盤でも自然体で爽やかな空気を呼吸するように美しい音楽を奏でています。ドボ8、3楽章冒頭のドロップアウトは惜しいが、小音量で聴く分には気にならなくて安心しました。

まさかBPO盤がSACDで聴けるとは!ベームがフルトヴェングラーの追悼で述べた「誰が彼の後にブラームスのパッサカリアを演奏することができるでしょう?」に対する最初の回答。雨みたいだったヒスノイズもある程度収まって安心して聴ける。晩年の人間味溢れる演奏もいいが、プレッシャーに負けず挑戦する若きケンペの覇気溢れる演奏はやはり凄い!

クレンペラーと同じく、旧配置で4楽章のマンドリンもトレモロ有り。クレンペラーに比べ全体のテンポこそ速めだが、昨今の演奏に多い駆け足気味な終わり方ではなく、落ち着いたテンポでクライマックスを築き鐘も派手で満足度は高い。このマーラーのオケコンとも言える多彩な曲は、ブラッドべリの「たんぽぽのお酒」を読みながら(できれば3番も一緒に)聴くのがお薦め。

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