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専ら「第6番」を聴く目的で購入しました。別の音源に対するコメントにも書いたように私の「第6番」の評価基準は①第一楽章はゆっくり、特に第二主題は歌って欲しい②アンダンテ楽章は限りなく美しく③ハンマーの打撃は迫力が有ればあるほど良い。の3点です。処が此の演奏は此の3点を悉く覆しているのです。にも拘らず感動したのですから矢張りヘルマン・シェルヘンは只の「変わり者指揮者」では無い事が分かります。何せ此の演奏が行われた60年には「第6盤」のステレオレコードすら無かったのです。其れは6年後のラインスドルフ盤を待たねば鳴りません。ましてバーンスタインに依る「マーラー・ルネサンス」なんて夢の時代なのです。 そんな時代に「俺の第6番を聴け!」とばかり猛烈に速いテムポで「進軍」する様は、聴く者を戦慄させるのです。第一楽章が中途半端に速いカラヤン盤、ショルティ盤と比べると、もう「指揮者の格が違う」と言わざるを得ません。 勿論、本CDが「第6番」のファースト・チョイスにはなり得ませんが、聞き飽きたと思っている方は是非聴いて下さい。 案外マーラー自身が望んでいた再現はこうだったのかもしれませんよ。
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