カスタマーズボイス一覧

ブルックナー: 交響曲第3番~第5番, 第8番, テ・デウム<タワーレコード限定> / ベルナルト・ハイティンク、他

ブルックナーのシンフォニーは、ヴァント盤が代表格ですが、ハイティンクの自然体(自然な流れのテンポとサウンド)な音楽性、曲とオケの良さを引き出す手腕で野人ブルックナーを満喫するのも良いと思います。
全体と細部のバランスを取り、的を絞った音楽(精神)表現ですから、単調な演奏と受け取る方もいると思いますが、最高潮部の完成度が高く感銘を受けます。
スコア重視でオケをバランス良く響かせたハーモニーが美しく、しなやかで豊かなサウンドが魅力であり、ウィーン・フィルらしい厚みのある響きや各声部の分離の巧さが見事です。
当盤は、ブルックナーの自信作テ・デウム(声楽とオケの一体感が見事)がカップリングされているのも貴重です。
※デジタル録音、ジュエルCDケース24ミリ厚。

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Mr.ミシェルさんが書いたカスタマーズボイス

(全412件)

当曲は、バッハの世俗曲の中で屈指の名作(6曲それぞれに特長がある)であり、親しみやすく音楽を愉しむ喜びを感じさせてくれます。
バッハ音楽の探究に生涯を費やしたリヒターは、バッハの伝道師に相応しい活躍をされました。モダン楽器(チェンバロもモダン)による手兵のミュンヘン・バッハ管弦楽団を統率し、キレと華やかさのある高揚感とダイナミックな表現をする明快な演奏です。
当盤は、ピリオド・スタイルとは違った豊麗な響きを満喫できますし、リヒターの弾き振り(特に第5番のカデンツァの運指)を映像で愉しめる貴重なものです。
※1970年4月1日から10日にミュンヘンのシュライスハイム城の3つの部屋で収録、画面サイズ4:3、特典映像はPVのみ約50分、ブックレットP8、DVDトールケース樹脂製(クリアー)アマレータイプ。

当盤は、ロマンティック・バレエの代表作である「ジゼル」のプティパ版をグリゴローヴィチが振付したものになります。世界のバレエの総本山となるボリショイ劇場によるスケールの大きい舞台で見応えありますし、正統的な内容ですから、間違いのない推奨盤です。
 ルンキナ(ジゼル役)の第1幕「人間の姿」と第2幕「ウィリ(精霊)の姿」での踊りやロマンティック・チュチュの衣装を着たウィリ達の一糸乱れぬ踊り(特にアラベスクが見事)など見どころ満載です。
※DVDトールケース樹脂製(クリアー)アマレータイプ、ブックレットP16あらすじ英仏独語表記、特典映像なし。

ストラヴィンスキーの傑作(バレエ音楽)である当作品は、強烈なリズムや独特な管弦楽が聴きどころ(ゲルギエフの指揮もエネルギッシュで良い)になりますが、マリインスキー・バレエも映像として観賞できる当盤は、長身な美神として観賞者を魅力する2人のプリマ・バレリーナも見どころになっています。
 現在、両作品とも入手可能な商品が少ない状態ですから、当盤は貴重な存在ですし、ハルサイの原典版を
愉しめるというだけでも価値があると思います。
※DVDトールケース樹脂製(クリアー)アマレータイプ、ブックレットP16(仏英独語表記)。

アルゲリッチのショパン/ピアノ・ソナタNo.2,3は、別々に収録したアルバムもありますが、当盤はカップリングされており、手間を省ける良盤です。
 ショパンのピアノ・ソナタで名演の双璧となっているのが、ポリーニとアルゲリッチです。どちらも甲乙つけがたいですから、聴者の好みのピアニストでチョイスすれば良いと思います。
 当盤のカップリング曲である作品22は、ショパンの代表作ではありませんが、アルゲリッチのピアニズムを満喫できる音楽ですし、スケルツォNo.2
も素晴らしい曲です。
※アナログ・ステレオ録音、SHM-CDグリーン・カラー・レーベルコート仕様、ブックレットP4。

バッハのカンタータは、コラール(賛美歌)を核としてアリアや合唱、レチタティーヴォを融合した音楽です。平明ですがバッハにしか作れない繊細で流麗な旋律が素晴らしく、神秘的な魅力に溢れています。
 当演奏はピリオド・スタイルとなっており、アーノンクールの指揮も実験的なことをせずに自然体とし、温かみのある古楽器の響きや天使の歌声であるボーイ・ソプラノ,ボーイ・アルトを活かすことより、バロック時代を満喫することができます。
 華やかでキレのある演奏を好みの聴者には、一流歌手と現代楽器によるリヒター指揮盤を推奨します。
※1983年(BWV140)、1984年(BWV147)にウィーンでアナログ(一部デジタル)・ステレオ録音、ブックレットP8日本語歌詞(原語なし)付。

日本で最初に上演された歌劇はファウストであります。数々の大作曲家の創作意欲を刺激してきたゲーテの作品は、晦渋な印象が強いのですが、グノーの美しい旋律、優雅で優しく、色彩豊かな音楽により、ドラマティックな歌劇として親しみやすくなっています。
舞台装置も伝統的なスタイルで豪華絢爛なもので、フランスのグランド・オペラとして満喫することができますし、悪魔役(バス)のシュロット(ネトレプコの元夫)がイケメンでニヒルな微笑を活かし、ハマり役になっています。当盤のジャケットをピンで飾っているのも納得がいく内容となっおり、「金の子牛の歌」やファウストとのテンポの良い丁々発止、多様な服装などで悪魔的な大活躍を愉しめます。
※DVDトールケース樹脂製(ブラック)アマレータイプ、ブックレットP16(英語表記)。

 リストの管弦楽作品では、標題交響曲の当作品と交響詩の前奏曲(カラヤンの快演盤あり)が代表的なものになります。ビアノで多彩な表現を試み、ビアノの魔術師と云われたリストが管弦楽(ベルリオーズに影響を受けた標題音楽)でも響麗な快作となっています。
 歌劇を得意とするショルティですから、当曲も劇的な表現が素晴らしく、精緻なアンサンブルによる第2楽章(グレートヒュン)など聴き応えのある快演になっています。
※1986年1月にシカゴのオーケストラ・ホールでデジタル録音、ブックレット三つ折りP6歌詞対訳(神秘の合唱)付。

当盤は、悲劇と喜劇を同時進行させる奇抜な構成や独・重唱などR.シュトラウスの多彩な表現を愉しめる作品であり、他のシュトラウス作品にはない内容になっています。
甘美なノーマンの独唱が際立っていますが、バトル(コロラトゥーラ・ソプラノ)の超絶技巧も負けておらず、フィナーレの2人による二重唱などは、オペラの極致といえる快演ですし、他の重唱も聴き応えある魅力的なものになっています。
メトロポリタンで培ったレヴァインの独自なスタイルも素晴らしく、オケをメロディアスに歌わせた完成度の高い演奏により、シュトラウス音楽と響き合い活力あるものになっています。
※特典映像:リハーサル風景(冒頭14分)、ジュエルケース12ミリ厚、ブックレットP12。

スパルタクスは抜粋・組曲盤が多く、当盤の全曲盤は貴重な存在です。ハチャトゥリアンの親しみやすい旋律と強烈なリズムによる原色的な音楽(ガイーヌよりは西洋音楽に近い作品)を充分に満喫することができます。魅惑的な「エギナの踊り」や叙情的な「スパルタクスのレクイエム」など魅力的な音楽が含まれています。
ショスタコを得意とするミハイル・ユロフスキが指揮するベルリン・ドイツ交響楽団は、民俗的な響きが控え目ではありますが、洗練されたアンサンブルとパワフルな金管によるダイナミックな演奏が作品の魅力を引き立てています。
※1996年2月6日~9日と1997年2月14日~18日にベルリン・ダーレムのイエス・キリスト教会でデジタル録音、CDレーベル・プリント仕様(ジャケット同写真2種類)、ブックレットP12独英語表記、ジュエルCDケース12ミリ厚、オーストリア製。

ハイドンが開拓した弦楽四重奏曲をベートーヴェンは、技巧や精神性も含めて極め尽くしており、名弦楽四重奏団が全集録音をした多数の名盤で満喫することができます。聴者が好みの四重奏団をチョイスすれば良いと思いますが、メロスは全体が一つの楽器の様に響く精密な演奏をします。調和の取れた美しい響きから精神性の表現に深みを感じることができますし、ドイツらしい落ち着きのある重厚な音にも特徴があります。高評価の演奏であることは間違いなく、アルバン・ベルク等を好む聴者も新たな愉しみをしてみて下さい。
※デジタル(セッション)録音、ルビジウム・クロック・カッティングCD、紙製クラムシェル・ボックス20ミリ厚、各CD不織布ケース、日本製。

交響曲の父であるハイドンの交響曲で唯一の標題音楽(日の出と嵐のみで本質的には絶対音楽)となる一日の三部作です。ハイドン初期の宮廷音楽を懐かしさを感じさせる響き・音色によるピリオド・スタイルで心地よく愉しめるアルバムです。
古楽器演奏の名手である指揮者クイケンの手兵ラ・プティット・バンド(古楽器オーケストラ)は、合奏力が高く、美しい響きと豊かな音楽性で聴者を魅了します。
※デジタル・セッション録音、デジパック(クリアー・トレー)ケース・二つ折り8ミリ厚、ブックレットP20英独語表記、オランダ製。

当ボックスはモーツァルト/弦楽四重奏曲の全23曲から17曲を収録したものであり、全集ボックスと間違わないようにしてください。ハイドン・セットとプロシャ王セットに欠曲がありますが、この曲には名四重奏団による名盤が多数ありますし、バリリ四重奏団で聴く1番、ミラノとウィーンの四重奏曲に魅力があるので貴重なものになります。
ウィーンフィルのコンマスであったバリリが同僚と結成した四重奏団ですから、ウィーンの伝統な演奏であり、流麗なアンサンブルによる濃密な情感表現が見事です。柔らかく艷やかな響きのヴァイオリン(バリリ)やチェロ(クロチャック)の演奏も室内楽に相応しい魅力があります。
※1953~1955年にウィーンのコンツェルトハウス、モーツァルトザールでアナログ・モノラル録音(音質良好)、UHQCD、紙製クラムシェル・ボックス20ミリ厚、各CDケース片面透明フィルムの不織布、ブックレットP12。

稀代のオペラ作曲家ヴェルディが脚光を浴びる元になった「ナブッコ」をMETらしい完成度の高い内容で満喫できます。
ウクライナ生まれのソプラノ歌手グレギーナが難役のアビガイッレを快唱しており、技巧と表現力に魅了されてしまいます。主役のバリトンとバスの2人も人気歌手で魅力があります。
METで培った指揮者レヴァインの演奏スタイルも素晴らしく、正確なアンサンブルと響きの良いサウンドでメロディアスに歌わせる音楽は、自然体で完成度が高いです。
※映像特典:フォトギャラリー(1960年のMETにおけるナブッコ)17枚と他盤P.V.、DVDトールケース樹脂製アマレータイプ、ブックレットP16(内あらすじP5)。

無調音楽と十二音技法を開拓した新ウィーン楽派の作品は、前衛的な現代音楽なので聴者にとって難解な音楽になります。それでもインテリ指揮者のシノーポリ(シュターツカペレ常任指揮者の時に収録)による精緻で調和のとれた美しいアンサンブルと豊かな歌心が素晴らしく、劇的な表現(オペラも得意な指揮者)も魅力となってダイナミックな演奏を楽しむことができます。
当盤には、単品アルバムとして入手困難(廃盤)なものも含まれていますので、貴重な新ウィーン楽派のバジェット・ボックスになります。
※デジタル録音、紙製クラムシェル・ボックス27ミリ厚、各CD紙ケース(海外盤オリジナル・ジャケット、裏面に曲リスト)、ブックレットP28英独仏語表記(歌詞なし)、EU製。
※誤記載があり、CD5の13トラック「ぶどう酒」、14~16トラック「3つの管弦楽曲」が正しい収録順番になります。

モーツァルト最良の指揮者であったワルターの引退直前に収録した演奏ですから、生気に満ちて充実したものになっています。ジュピターの堂々たる演奏を一聴すれば分かるのですが、幅と厚みのある響きは力強く、柔らかく良く歌う表現にも優美さがあり、コロンビア響盤(ステレオ録音)より演奏の内容自体は勝っています。
録音の音質を最優先にされる聴者には、コロンビア響盤を推奨しておきます。
1953-56年(No.39)、1953年(No.40)、1956年(No.41)にニューヨークの30丁目スタジオでアナログ・モノラル録音、ブックレット(十字四つ折り)。

嘆きの歌はマーラーの初期作品とはいえ後年の作風が垣間見える渋いカンタータです。マーラーの歌曲の中では、聴く機会が少ないですが、ブーレーズが遺してくれた当盤はスコアを重視した明晰・明快な音楽性による精緻で色彩豊かな演奏ですし、客観的なスタイルに徹したスタンスもブーレーズらしさが出ている貴重なものになります。
リュッケルト歌曲は、マーラー歌手として有名なミントン(Ms)が魅力的な歌唱で楽しませてくれます。
マーラー10はクック版が代表的な存在(主流)ですから、当盤のクルシェネク版(マーラーの未亡人アルマに頼まれたもの)は貴重な演奏になります。版による違いもあり、聴き比べてみるのも一興です。
※アナログ・ステレオ録音、ブックレットP24歌詞対訳付(裏表紙も古いオリジナルジャケ)、ジュエルCDケース12ミリ厚。

ハチャトゥリアンのガイーヌは、「剣の舞」とか組曲までしか聴かない方が多いと思いますが、他にも親しみやすい旋律がありますし、ロシア伝統の色彩豊かな管弦楽法やエキゾチックで強烈なリズムの野性味あふれる音楽を満喫するには、全曲盤を推奨します。補足ですが、当盤は原点版の曲順になっています。
ハチャトゥリアンのスペシャリストとして有名なチェクナヴォリアンの指揮は、原色的なサウンドで躍動感と野性味にあふれ、エネルギッシュで濃厚な演奏が見事です。ロンドン響による仮面舞踏会も魅力的なカップリングですし、ロシア幻想曲も貴重なものになります。
※ブックレットP12、ジュエルCDケース12ミリ厚。

アーノンクールは、その音楽の生まれた当初の新鮮さを取り戻す演奏でなければ意味がないとして、既成概念を覆して再考したブラームス本来の音楽を試みています。ピリオド・アプローチで弦楽器の奏法まで考証した原点重視の解釈から当時の響きを引き出し、新風を吹き込んだ演奏は、強弱をつけて歌わせるスタイルの音楽です。
ピアノ協奏曲は、ウィーンの宝であるブッフビンダーのいぶし銀でノスタルジックな表現と生命力に満ちた豊かな歌心を堪能できます。軽やかなタッチでクリアな音色と弱音の美しさが魅力でしなやかな演奏をします。スコアを研究し、作曲家の意図を追求する完璧主義者でもありますから、アーノンクールとの協奏も快演になっています。
※1996-7年にベルリンのフィルハーモニーでライヴ(交響曲、ハイドン変奏曲)、1999年にアムステルダムのコンセルトヘボウでライヴ(協奏曲)、1996-2000年にライヴとスタジオ(序曲)でデジタル録音。紙製クラムシェル・ボックス22ミリ厚、各CD紙ケース(オリジナル・ジャケ写真2種類、裏面に曲リスト)、ブックレットP12独英仏語表記、EU製。

若きアルゲリッチとアバドのコンビは活力ある音楽性に満ちていますし、共に協奏曲を得意としていることもあり、当盤のモダン・コンチェルトは聴き映えの良い快演になっています。鍵盤の女王の艶のある鮮明に磨かれた音、速いテンポでも乱れない正確なリズムが見事であり、即興的な自由さで表現するダイナミックなピアニズムもラヴェルのコンチェルト(ジャズの要素、ゴジラのテーマ曲の元ネタなど)で満喫できます。
※ベルリンのイエス・キリスト協会でアナログ・ステレオ録音、グリーン・カラー・レーベルコートUHQCD、ブックレット三つ折りP6。

フルトヴェングラー、トスカニーニと並び一時代を築いた三大指揮者のワルターは、ステレオ録音の遺産がアドバンテージになっていますが、繊細で感度の良い教育的(トスカニーニのような専制君主ではない)指揮者ですから、特別編成オケのCSOを見事にまとめ上げ(当盤にリハーサル風景あり)ており、美しい響きによる洗練された演奏になっています。
「田園」を筆頭にした偶数番は、ワルターの持ち味と作品がマッチしており、上品で優美な音楽を満喫することができます。
単品で入手困難なフランチェスカッティのヴァイオリン協奏曲も歌いまわしが得意なコンビなだけに輝かしく味のある演奏に聴き応えがあります。
※アナログ・ステレオ録音、紙製クラムシェル・ボックス22ミリ厚、各CD紙ケース(ボックス同ジャケ写真、裏面に曲リスト)、ブックレットなし、EU製。

フルトヴェングラー、ワルターとトスカニーニは、一時代を築いた三大指揮者であり、各々特徴のあるスタイルで聴者を魅了します。当盤のトスカニーニは、加飾を排したスコア重視のスタイルを基本とし、専制的な指揮でオケを鍛え上げ、正確で速いテンポ(イン・テンポが基本)と統一されたアンサンブルによる緻密な演奏をします。更に、躍動感ある響きでダイナミックに前進していく様な音楽が見事な指揮者です。ゆえに、当盤の奇数番作品(偶数番はワルターのスタイルが作品に合う)では持ち味を活かしており、トスカニーニでしか満喫できない快演になっています。
※アナログ・モノラル録音、紙製クラムシェル・ボックス22ミリ厚、各CD紙ケース(ボックス同ジャケ写真、裏面に曲リスト)、ブックレットなし、EU製。

スカルラッティのソナタでピアノ演奏による名盤と言えば、ホロヴィッツを筆頭にしてギレリスやハスキル等が定番ですが、天才肌のポゴレリチによる当盤もデジタル録音時代の中では筆頭格のレベルになります。個性派のピアニストではありますが、確かなピアニズムによる軽快なリズム感、繊細なタッチの美しい弱音、透明感あふれる多彩な美しい音色と絶妙なダイナミックスによる奥深い演奏が魅力になっています。
※デジタル録音、ルビジウム・クロック・カッティングSHM-CD、ブックレット三つ折りP6。

クライバーとバイエルンのコンビによるベト4,7と同様に作曲家の指示(スコア)にこだわり、活発なテンポ(速め、時には快速など変化あり)の生き生きとした解釈により、既存のセンチメンタリズムを払拭し、本来のベートーヴェン像を新しく示している演奏になります。
当盤のベト6は、第1楽章が快速すぎるので世評が低くなっていますが、快速表現での躍動する突進力が新鮮ですし、第2楽章は標準的なテンポで美しく詩情性豊かな音楽にまとめたり、第4楽章ではトスカニーニの様な爆演でスーパー台風的な表現をしたりと変化に富んだ豊かな自然として印象に残るアルバムです。
※アナログ・ステレオ録音、ブックレットP8独英仏語表記、オーストリア製。

ベームのエロイカは、VPO演奏盤(1971年録音)もありますが、当盤ではBPOの特徴を活かした力強い重厚な演奏に魅力があります。それから、ベト交響曲の全集録音をしているウィーン・フィルと違い、ベルリン・フィルとは3曲しか録音していないところも貴重な存在になっています。何方にしても、正確で安定感抜群な演奏は屈指のレベルに至っており、強豪犇めく中でも見劣りしません。
※アナログ・ステレオ録音、ルビジウム・クロック・カッティングCD、ブックレット二つ折りP4。

完璧主義者のショルティが指揮するとロンドン交響楽団でもシカゴ交響楽団に勝るとも劣らない鋭く引き締まった演奏になります。絶妙なテンポと精緻なアンサンブルが生み出す輝かしい響きにより、マーラーの自然をテーマ(No.3)にした音楽の魅力を劇的に表現できる見事な指揮者です。
※アナログ・ステレオ録音、ルビジウム・クロック・カッティングCD、ブックレット三つ折りP6歌詞対訳付。

完璧主義者のショルティは、「大地の歌」を1972年にシカゴ響で1度目の録音をしており、ショルティらしい聴き応えのある快演として世評を得ています。
当盤は2度目となり、円熟味を増したショルティとマーラーの演奏に伝統があるRCO(ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)のコンビにより、精密なアンサンブルが生み出すドラマティックな音楽が魅力になっています。
※デジタル録音、ルビジウム・クロック・カッティングCD、ブックレットP10歌詞対訳付。

社会主義リアリズムとロシア伝統の色彩豊かな管弦楽法によるハチャトゥリアンの作品は、エキゾチックなコーカサスの民俗的要素と西洋音楽を融合しつつ、親しみやすい旋律と強烈なリズムによる原色(野生)的な音楽です。
代表作のガイーヌとスパルタクスは、名盤として既に入手済の聴者が多いと思いますが、当盤には現在入手困難なシンフォニーの鐘(3作品中1番聴き応えある)が収録されています。ハチャトゥリアンらしい作風をウィーン・フィルハーモニーの極上な演奏で満喫できる貴重なアルバムです。
※アナログ・ステレオ録音、ルビジウム・クロック・カッティングCD、CDジュエルケース10ミリ厚。

激動時代のモダニストであったプロコフィエフは、音楽様式が変化した作曲家でした。初期作品のスキタイ組曲は強烈なバーバリズム、中期の3つオレンジは古典的な抒情性、後期の交響曲No.5はシリアスな抒情表現となっており、レパートリーが広く音楽性が豊かな指揮者ドラティの見事な手腕を楽しめるアルバムになっています。ドラティは、バレエ音楽を十八番とするだけにスキタイ組曲は特に聴き応えがありますし、他の2曲も端正なアンサンブルとリズム感の良さで美しく歌います。
※ノースロップ記念オーディトリアム(No.5)、ワトフォード・タウン・ホール(その他)でアナログ・ステレオ録音、ルビジウム・クロック・カッティングCD、ブックレット三つ折りP6。

セルとカサドシュは共に端正な表現で作品本来の音楽美を引き出す演奏スタイルですから、相性が良いコンビと言えます。モーツァルトのピア・コンにおける名演奏の数々で定評があり、端正で力強く劇的なところやカサドシュの粒立ちがよく爽やかで軽く弾ける様な美音がモーツァルト音楽にマッチしています。
ファリャのスペインの庭の夜は、フランス印象派の影響を受けており、フランス色彩によるスペイン音楽という折衷的な作風です。オーケストラにピアノが融和され、民族音楽の要素も相まって見事な音色のピアノ協奏曲になっています。
※アナログ・ステレオ録音、ブックレットなし、イタリア製、日本語帯付。

ワルター、クレンペラー、バーンスタインなどマーラーの歴史的な名演奏盤が沢山ありますが、シノーポリ独自の明晰な解釈による細かい音楽性は、旋律家マーラーの独創的な構成と表情美を精緻な美しい音色でダイナミックに歌い込んでおり、優秀な録音と相まって聴き応えのあるマーラー・サウンドになっています。
※デジタル録音、紙製クラムシェル・ボックス32ミリ厚、各CD白紙ケース(ベロ付で両面テープ貼り、セロ丸窓)、ブックレット(曲リストのみ)P8英語表記、ドイツ製。

当盤は世界初のマーラー交響曲全録音であり、モントルー国際レコード賞を受賞しております。同じ音源の黒色バジェット・ボックスもありますが、傑作である「大地の歌」が集録されておりませんので、ご注意してください。それから、晩年の80年代に録音したグラモフォン盤もありますが、途中で他界されたので全曲ではありません。
マーラーが似合う指揮者のレニーは、マーラー音楽を復活させてブームにした立役者です。マーラーの音楽でしか味わえない不思議な世界観を伸び伸びと振り撒く演奏に魅力があります。若きレニーが感情移入した情熱的でダイナミックな演奏スタイルを満喫できる全集です。
※1960年~75年にアナログ・ステレオ録音、紙製クラムシェル・ボックス29ミリ厚、各CD紙ジャケット(ケース)はボックスと同写真で裏面に曲リスト、ブックレットなし、EU製。

スカルラッティの典雅でダイナミックな活気があるソナタは、各々(当盤は11人)のピアニストによって多彩な響きの音楽を楽しむことができます。
集成盤ですが、入手困難な録音が多い貴重なものであり、ハスキルの生き生きとした色彩やギレリスの軽やかなタッチの爽やかな美しい響きなど奏者の持ち味も満喫できます。不滅のホロヴィッツ盤と違ったスカルラッティも一興として楽しいものです。
※セミダブル紙ジャケット4ミリ厚、ライナーノーツなし、帯に日本語の曲リスト記載。

広いレパートリーとスタイルの多様性があるラトルはマーラーを得意としており、ロマン派の様な濃厚な抒情表現とは違った独自の深い解釈から多彩で革新的な表現による明快な演奏をします。人格者なのでオケの自発性を活かすタイプですが、リハーサルを重視した精緻な演奏が素晴らしいです。
当バジェット・ボックスは、手兵であったバーミンガム響とベルリンフィルによる演奏がミックスされている買い得(ベルリンフィル・単盤は価格高め)なものですし、入手困難な単盤もあるので貴重な存在です。
※No.1,7~10はライヴ録音、紙製クラムシェル・ボックス32ミリ厚、各CD紙ケース(オリジナル・ジャケット、裏面に曲リスト)、ブックレットP24英独仏語表記、歌詞なし、EU製。

マーラーの門下でマーラーの正統的解釈家であるワルターは、洗練された優美な演奏であり、細やかな情感表現で柔らかく歌います。マラ1は1954年のNYP盤(モノラル)もありますが、当盤の方が充実していますし、密接な関係の「さすらう若人の歌」がカップリングされているので満喫感があります。ただし、ワルターは女性歌手(メゾ・ソプラノ)で表現しているので、バリトン(フィッシャー=ディースカウなど)とは趣が異なります。
※極HiHi CD音匠レーベル、ブックレットP16歌詞対訳付。

モーツァルトの女王ヘブラーが5月14日に93才で他界されました。ピュリストで厳格な音楽性ですが、繊細で穏やかな美しさに魅力がありました。
ヴァイオリンのシェリングも端正で高潔な厳しい演奏をしますが、しなやかで澄んだ美しい音色から幅広い表現力があります。
両者とも知的で精緻な音楽であり、誇張しない演奏スタイルですから、ヴァイオリンとピアノのバランスが良く、音楽で作品の魅力を引き出します。
※アナログ・ステレオ録音、ルビジウム・クロック・カッティングCD、ジュエルCDマルチケース24ミリ厚、ブックレットP16(オリジナル・ジャケット3枚)。

ルーマニアが産んだ美貌なヴァイオリニストのボベスコは、力まずに等身大な演奏であり、女性らしい繊細で柔らかな音運びによる気品のある表現に魅力があります。豊潤なヴィヴラートもボベスコらしい美しい響きになっており、クライスラーの名曲を心地よく堪能できるアルバムです。
ピアノ伴奏は、フィリップスの名プロデューサーが快演する珍しい演奏でもあります。
※デジタル録音、ルビジウム・クロック・カッティングCD、ブックレット(三つ折り)P6。

カラヤンとBPOのコンビによるブラームス交響曲の国内盤は現在のところ廃盤中ですから、当盤は貴重なものになります。帝王カラヤンの構築したカラヤン美学が円熟した時期に収録されており、ブラームスの旋律を流麗に歌う滑らかな響きは美しさの極みですし、ベルリンフィル(オケ)の厚みと力強い演奏も相まって魅力的な音響になっています。
ブラームスらしい枯淡の境地をロマンティックな歌わせ方で満喫されたい聴者は、他の好みの指揮者(快演が多数有り)によるアルバムを検討してみて下さい。
※1987年(No.1)、1986年(No.2)、1988年(No.3)、1977-78年(No.4)にベルリン・フィルハーモニーの大ホールで録音、ブックレットP8、ジュエルCDケース12ミリ厚。

鍵盤の王者・ルービンシュタインが見い出したシェリング(シゲティの再来:精神主義)とチェロの貴公子・フルニエによる自発性に富んだ演奏は、端正ながら深い音楽性と豊かな表現力が素晴らしく、他に類を見ない魅力に溢れています。晩年のルービンシュタインらしいピアニズムも絶妙です。
※アナログ録音、ジュエルCDマルチケース24ミリ厚、ブックレットP12(裏表紙にシューベルトのオリジナル・ジャケット)。

完璧主義のツィメルマンが盤石の体制で再録した当曲は、革新的な表現と精緻な演奏をする指揮者のラトルとの協奏です。BPOの重厚でパワフルな響きに負けることの無いツィメルマンの強靭なタッチも素晴らしく、第2楽章アダージョでの弱音も絶妙なダイナミックスにより、ラトルと共に見事な協奏をしています。
※2003年にベルリンのスコアリング・ステージ(録音用ホール)でデジタル録音、グリーン・カラー・レーベルコートSHM-CD、ブックレットP4。

鍵盤の女王であるアルゲリッチが20才くらいの時に収録されたアルバムですが、難曲だらけにも関わらず卓越した技巧が冴えまくっています。この天性の指回りは驚愕であり、強い打鍵の豊かな響きと鮮明に磨かれた音で即興的な自由さをダイナミックに表現する魅惑に満ちた独創的な演奏です。
※1960年にドイツ・ハノーファーのベートーヴェン・ザール(ホール)でアナログ録音、UHQCD、ブックレットP6。

天才肌のピアニズムであるピリスによるニュアンスに富んだモーツァルトのピアノ・ソナタは、テンポを自由に変化させアゴーギクも烈しくダイナミックに生きた演奏です。柔らかく繊細なタッチによる弱音の表現も素晴らしく、シャープな音色と歯切れのよいリズムと相まったピリス・ワールドで楽しめます。
※ドイツのハンブルク=ハールブルクにあるフリードリヒ・エーベルト・ハレ(ホール)、ポルトガルのリスボンにあるカルースト・グルベンキアン財団でデジタル録音、グリーン・カラー・レーベルコートSHM-CD、ブックレットP4。

当コンビのステレオ録音による三大交響曲盤に続き、当盤も貴重な好演奏になっています。モーツァルトの最良の指揮者であるワルターは、モーツァルトの音楽から心地よい魅力的なカンタービレを引き出し、躍動感や感情表現も素晴らしい演奏です。
※アナログ録音、音匠レーベル仕様、ジュエルCDケース(クリアー)、ブックレットP24。

クライバーには当曲のウィーン・フィル盤(グラモフォン)があり最高レベルの演奏なのですが、当盤は更に上を行く快演になっています。天才指揮者クライバーによる速いテンポからの歯切れのよいリズムが明るく力強い音楽となって聴者を沸き立たせます。この活力のある正確な響きと変化に富んだ豊かな音楽はクライバー・マジックでしか堪能できないものがあります。
当演と同時に収録したベト4(オルフェオ盤)もクライバーの代表格となる快演ですから必聴です。
※アナログ録音、ブックレットP8独英仏語表記、独特な形状のジュエルCDケース(クリアー)、オーストリア製。

当カップリング曲の歴史的演奏にウラッハ盤が君臨していますが、古録音が好みではない聴者に推奨できるのが当盤です。プリンツはウラッハに師事しており、ウィーン様式の演奏スタイルで素朴な魅力があります。柔らかく艶のある美しい音色、まろやかで深みのある響きも素晴らしいですし、安定感の高いテクニックは師匠を超えているとも云われます。
ウィーン室内合奏団もヘッツェルのヴァイオリンが好演しており、ウィーン・スタイルで満喫することができるアルバムです。
※1979年(モーツァルト)、1980年(ブラームス)にウィーンのポリヒムニア・スタジオでアナログ録音、ブックレットP8。

20世紀のヴァイオリンの王者であるクライスラーは、黄金の音と云われる特有の甘美な音色に魅力があるだけではなく、濃厚なヴィブラートとポルタメントを駆使したロマンティックで情趣あふれる演奏により、華やかさと語りかける様な美しい旋律と相まって聴者を安らぎの世界へ導きます。
当盤は、代表格の6曲をオーケストラの伴奏でも堪能できます。
※1910~42年にフィラデルフィアのアカデミー・オブ・ミュージック(歌劇場)でモノラル/アナログ録音、音匠レーベル仕様BSCD2、ブックレットP8。
ピアノ伴奏以外に弦楽四重奏(7)と管弦楽(13,20~25)。

当盤は、世紀のBIG3であるフルトヴェングラー、トスカニーニと並ぶワルターが指揮した演奏をステレオ録音で楽しめる貴重な遺産です。さらに、モーツァルトの最良の指揮者と云われるワルターが指揮したモーツァルトの三大交響曲をカップリングしたベストなアルバムです。
CD(デジタル)時代に合ったリマスターにより、ナチュラルな音質になっており、ワルターらしい優雅で明朗な演奏を満喫できます。
※アナログ録音、音匠レーベル仕様、ジュエルCDケース、ブックレットP20。

当盤は、現在入手困難な曲を収録している貴重なアルバムです。
フルトヴェングラーで唯一となるバルトークの作品は、独自のリズムやアクセントによる傑作ですが、メニューインの輝く美しい音色と温かみのある綺麗な響きが印象的ですし、フルトヴェングラーと共に豊かな表現を楽しむことができます。
皇帝は、当演奏がベストと評価されるくらいの歴史的な快演です。フルトヴェングラーの親友であるフィッシャーは、柔らかな音色で自然に輝く響きと飾らない自然な表現で温かく心のこもった内生的な演奏をします。洗練された表情豊かな音楽は生き生きとしていて魅力的です。フルトヴェングラーも曲の感情の起伏に応じたアゴーギクやダイナミックスによる豊かな表現で寄り添い、素晴らしいコンチェルトになっています。
※モノラル録音、ブックレットは見開き日本語、日本製。

完璧主義で独裁的な指揮スタイルのセルは、端正な表現で均整な音楽ですから、聴者の好みが別れるところがありますが、手兵のクリーヴランドで紡ぎ出される音楽美には見事なものがあります。
厳しい練習で磨き抜かれた精緻なリズムとアンサンブルは室内楽的なバランスと言えますし、透明度の高い響きと相まって奥行きの深さもあります。
エロイカや第九が特に素晴らしく、優美な田園、闘争の運命、そしてリズムのベト7を含め全曲が完璧なのです。
※ステレオ(アナログ)録音、紙製クラムシェル・ボックス16ミリ厚、各CD紙ケース(ジャケット同写真、裏面に曲リスト)、ブックレットなし、EU製。

当盤は国内盤で分売されているアルバムのバジェット・ボックスですから、輸入盤に抵抗がない聴者にリーズナブルなセットになっています。
有名なバイロイトの第九、ウィーンらしい響きのエロイカなどフルヴェン・マジックによる劇的な演奏は、時代的な録音の問題(特に2,8番の音源)を超えて、聴者を感動させてしまいます。
アゴーギクやダイナミックスを情感の起伏に応じて流動させる演奏は、天才的な指揮者にしかできない音楽です。
※モノラル録音、紙製クラムシェル・ボックス22ミリ厚、各CD紙ケース(オリジナル・ジャケット、裏面に曲リスト)、ブックレットP36英独仏語表記、EU製。

独創的なレクイエムの当曲は、ブラームスが作曲家として再評価され揺るぎないものになった傑作です。歴史的な名演奏・名歌唱としてクレンペラー盤が君臨しておりますが、当盤は録音が良く独唱歌手と合唱の歌唱も見事ですし、アーノンクールの手腕も円熟したものであり、ゆっくりしたテンポで虚飾を排したクリアーな響きで魅了する耽美的な演奏です。
※デジタル録音(ライヴ)、極HiHi CD音匠レーベル仕様。

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