王国の、そしてその時代々々の構成人員の人間模様も交えながら(人物の心象には少し踏み込みすぎか?)、オペラという王国の目的に最もかなった「録音」というエビデンスを用いた一大興隆物語。データ的にもしっかり調べられているし、音源も確実に入手され、そして何よりもすべて熟聴吟味した上でご自分の所感や感想をご自身の言葉で書かれておられる(どこぞの誰かさんのように、ろくに聴きもせず(聴き取れるだけの教養もなく)、「感じ」と通説の屋上屋を重ねるだけの論説とは大違い!)。最新研究やSNS上などの意見も視野に入っているのがよく分かる。前々から思っていたことがズバリ書かれていて、かゆいところに手が届いたような思いがしたり、従来カットといわれていた部分が「録音の失敗」であると知り、目からウロコが落ちたりもしました。いくつかの下世話なエピソードが珠に瑕。
特筆すべきはドイツ文学の学者さんらしく、文法面や発音面での文字表記が適切なこと。プリンツレゲント劇場(プリンツレゲンテン??😆)やティーティエン(ティーチェン??😆)など。
読みだしたらやめられなくなり、一晩で読み終えてしまいました。超オススメの一冊です。