カスタマーズボイス一覧

金と銀~ウィンナ・ワルツ・コンサート<タワーレコード限定> / ルドルフ・ケンペ、他

快適なテンポと躍動感にあふれた演奏で、リスナーはフワフワと楽しくなって来るが、ケンペ先生とオケが先ず楽しんでいる反映か?選曲も良い。純粋なウィンナワルツの中では、看板の金と銀より、森と天体の方が曲の出来のせいか、演奏とメロディがよりチャーミング。2つの序曲も実に楽しい。ドレスデンの音が明るくまろやかに録音されている。ホント楽しいアルバム。

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なごやんさんが書いたカスタマーズボイス

(全58件)

素晴らしいアルバム。この演奏はCDに始まり、手を変え品を変えて発売されて来たが、いずれもCPが悪かった。特にブルーレイ盤に私はがっかりした。しかし、このXRCDでやっと演奏を堪能できる音に巡り合った思い。キレがよくてふくよか、各パートの鳴りっぷりがよくわかる。こんなに良いXRCD規格が何故終わるのか?それが残念。

ミュンシュ、BSO、ベルリオーズの魅力を堪能した。幻想は当録音のがミュンシュの同曲録音の中で一番楷書的でゆったり構えたものではないか?特に序奏部。慈しむような運びで美しい。音はSACDとして成功してると思う。瑞々しく美しい。音量の幅、空気感が、さすがSACDと言う趣。序曲集はLPで持ってるが、SACDだと手軽に聴けて、その点もうれしい。

コンヴィチュニーの演奏は「些事構うべからず」の範のようで、ゆったり目のテンポで小細工がなく、堂々とした印象。7番第1楽章冒頭の全奏など、すごいエネルギー感。3番や7番の第1楽章などで、通常聞かないリピートがあって、少々戸惑うが。カラヤンのスマートで推進力に満ちた演奏と、当演奏を気分により聴き分けるのが楽しい。

演奏も素晴らしいが、①商品説明にある記念コンサート ②ノイマンとチェコフィルの勇姿 ③スメタナホールの美しさ を視覚で楽しむことが出来る、そのことに感動!高齢のノイマンの痛々しささえ感じる熱のこもった指揮にも心打たれる。記念碑的ライブならではの音と映像をしっかり楽しんだ。

これはすごい演奏。聴いていて、見ていて涙が出た。カラヤンの真剣み溢れる指揮ぶりに圧倒される、と言うか、胸打たれる、と言うか、感動が極まってしまう。紹介文に「全身全霊」とあるが、正にそのとおり。そしてその棒に呼応して演奏に打ち込む楽員。必死という言葉を超越する
カラヤンとBPOの演奏姿に、忘我としてその世界に身をゆだねるのみ。

音が素晴らしい。普通のCDを持っているが、それはとても貧弱な音。LPはいい音だけど、取り扱いが手間。当SACDは奥行き、拡がり、ダイナミズム、いずれも文句なし。カラヤン、ベルリンの音響を堪能できる上、演奏が“さすが”。カラヤンの設計のうまさと、あおるような推進力がたまらない。BPOの名人芸にも惹かれる。アテネの廃墟のオーボエ(コッホさんと思うが)など、惚れ惚れ。待望のSACDで、飛びついて大正解。

ブルックナーの名盤、定盤と言われる中で、当盤のテンポは一番遅いか、それを競うものではないか?それだけに、悠然たる構えの中、山を築き上げる迫力はすごい。一方、メロディのきれいなうたわせ方に引き込まれた。ジャケットのいかつい顔に、ついそのような先入観を演奏に持ってしまうが、いやいや、クレンペラーのメロディの扱いはとても魅力的。SACDの奥行き感のある音もすばらしい。しっかり楽しませてもらった。

初めて聴いて驚いた。ベーム独特のテンポ、緩急にびっくり。クライマックスに行く時に、普通なら「ここが聞かせどころ、ウデのみせどころ」と突っ込んで行く箇所でも、ベームはゆたっと入る。待ち構えている身には、拍子抜けの感ありだが、しかしそれから大きく盛り上がって行くのはさすが。あれ?と思っている内に術中にはまり、聴き終えてしまった。うーん、星5か4か、わかりません。

実に楽しいアルバム。オケとアンチェルの名人芸が堪能出来る。とりわけ、ルスラン・・や売られた花嫁の細かい音符をよくぞ弾ききるもの、とあらためてプロの腕に驚嘆する。多彩な曲と、オケの万華鏡のような響きの変化が存分に刻まれた2枚組で、「名曲集」の白眉と確信。買ってよかった。しあわせ。

音がとても良い。弦といい、管・打といい、チェコ・フィルを失礼ながら見直した。アンチェルの腕? 録音? 無論実力がいいのでしょうけど。このシリーズでも白眉の音では?アンチェルの緩徐楽章がすばらしい。各セクションの絡みが繊細で、実に美しい。迫力やショスタコらしい飛んだり跳ねたりの音型も申し分なく、聴き応えがあって、それでいて聴き疲れしないショスタコーヴィチ。

力強くてしなやかなブラームス。颯爽としたモーツァルト。さすがの米デビュー。しかし、写真はVPOとのもの。表は1960年代のLPアルバム:ペールギュント、眠りの森 のものとポーズは少し違うが、服装、髪型、背景など一緒。ケース奥の笑顔は、こうもり全曲のLPの解説書にあるリハの写真そのもの。カラヤンが写っているからいい、と言うものではないと思う。星1つマイナス。

もう言うことなし。チャイコは、これだけうねるように、推進力豊かに運ばれると、これでなくっちゃ、とはまってしまう。憂愁、迫力とも十分。カラヤンはうまい。ドボ8もLP初期にこの曲を世に知らしめた第一人者だけあって、美しいメロディと千変万化のダイナミズムが綾をなし、ひたすら聞き惚れる。カラヤン得意の曲をSACDにまとめた好企画と評価したい。

メンデルスゾーンのテンポが気に入った。私には遅からず、早からず、と思え、これぞ求めてきたテンポと思う。スークの凛とした響きがまたこの曲に合う。アンチェルのテンポとスークの響きで楽想が甘さに過ぎることなく、いいバランスでストンと心に入って来る。ブルッフも熱く語られる感じ。演奏と言い、曲のラインナップと言い、これはうれしい名盤。

ノイマン、チェコ・フィルを「わが祖国」の標準と思って来たが、アンチェル先輩のはまた違う名演。よく歌い、呼吸が大きく引き込まれる。有名なモルダウの主題の歌い出しの何と美しいことか!アンチェル盤をSACDで世に出していただき、お国もの「わが祖国」を、ノイマン盤と並べて2人のマエストロ、そしてチェコ・フィルの名演で聴くことが出来る喜びは大きい。

カラヤンの2種の春祭をSACDで発売との企画に先ず敬意と感謝。SACDの出来もよい。カラヤンの春祭はとても美しい。不協和音すら心地よく感じる。突き刺さって来る響きや迫力も十分だが、全体の印象は、「洗練」であり、時に「流麗」。音価をきっちり奏し、響きを磨きぬいた至芸の結果?この感じが作曲者から野蛮性の不足と評されたところか?新録の方がより流麗のよう。ともあれ、このCDを大いに楽しみ、満足。

LPを愛聴していたがUHQCD盤が出たので購入。CDは盤面を取っかえ引っかえする手間が少なく聴くことに集中できる。カラヤンは、緩急強弱の設計が巧みで、ドラマにぐいぐい引き込まれる。終幕の圧倒的迫力と悲劇の表出は尋常ではない。全くカラヤンならでは!この盤は台詞をフランスの声優が担当とかで、シャレた雰囲気がある。アーヘンに来た湯治客は、同市の歌劇場で若きカラヤンのオペラが楽しめて幸せだったろうな。

カラヤンにかかると、こうも曲が変わるのか。噴水のトリトンからトレヴィにかけては、まるで、R・シュトラウスのアルプス交響曲みたいに、奔流の滝から壮大な山頂を思わせる迫力で、ローマ市内の噴水の名所どころではない。松の4つの絵画的描写も引き込まれる。アッピア街道の行進は手に汗握る。カラヤンが祭も録音してくれてたらなあ。とにかくカラヤンとBPOを堪能。

ローマの謝肉祭が絶品。金管のスウィングなど、奏者がこう吹きたいっ!とやりまくるのを、カラヤンも、そうだそうだ!とばかりにノリまくってる。聴いてて笑えて来る。前奏曲は押し出しのよい威風堂々たる演奏。松は絵画を見るような見事な描写。最終のアッピア街道は圧倒的迫力。フィルハーモ二アを自在にドライブした若きカラヤンの胸のすく快演揃い。音も優秀、満足。

このような音楽でもカラヤン流は健在、如実に表れている。音価のきっちりした鳴らし方の土台の上に、幅の広い強弱、流麗さ、加減速の鮮やかさ、が加わって一曲一曲が立派な音楽になっている。聴きなれた曲、たとえば、旧友を聴くと、格調の高さを感じて、初めて聴く曲のよう。もちろん、行進曲集らしい、楽しい高揚感はしっかり味わえる。何をやってもすごいわ、マエストロ!

カラヤンのワーグナーはすごい。最初にローエングリン第3幕への前奏曲を聴いてぶっ飛んだ。一体どうしたら、これほど見事にワーグナーの世界を表出できるのだろう?LP時代から聞き惚れて来た名演が、SACDで艶やかな音になって復活してくれてありがたい。

世評名高い名演盤。ワーグナーの情念、激情、神秘性の表出が誠に見事。聴かせ上手な大名人の指揮に放心状態。音も、拡がり、密度、ダイナミックレンジなどなどが良くなり、至宝を手にした想い。

LP、CDで聴いてきたが、SACDが出て、やはり欲しくなり買ってしまった。でもその価値はある。音がすっきりし、つややかに感じる。モーツァルトは、LP黎明期に、ジュピターなどの有名曲でない、地味なこの2曲を世に問うたカラヤンの“ご推薦”“自信”が伝わって来るようで、美しさと憂愁が心に響く。シューベルトは快速なテンポで、転調が次々に万華鏡のような変化をもたらす、はつらつとした演奏。

アイネクライネはBPOの弦を快適なテンポで豊かに鳴らし、この美しい曲の美しさをたっぷり引き出している。メロディの歌わせ方はダレたところのない楷書的な感じで、私には好感が持てる。ヘンデルは堂々たる押し出しでこれぞ天下一品。BPOの金管群とカラヤンの貫録に圧倒される。貴族の舟遊びの音楽はこうでなくっちゃ。音は残響豊か。SACD化で分離と拡がりがよくなった。

オケと言いラインの乙女と言い、歌い回しが他の演奏と一味も二味も違う親密感があり、聴きだしてすぐ一気に曲の世界に引き込まれてしまった。それがどうしてなのか、私の聴く力と表現する力では到底言い表せない。聞かせ上手なカラヤンの至芸、と言うのがせいぜい。CDより音の解像度、充実度も上がっている。モニターにカラヤンの顔が写るのはファンにとっては歓迎だが、アンチの方にはご迷惑か?

このCDの登場に接し : ①ロス・アンヘルスの声 ②ビーチャムの棒 ③フランスのオケの音 ④SACDの音 この4点に大きな興味を持った。いずれも満足。特にロス・アンヘルスの絹のようなチャーミングな声に魅了された。カラヤンのドラマティックで引き締まった演奏と、この盤を気分によって聞き分けて行こうと思うが、贅沢を味わえる時代だと感謝。

冒頭から気宇壮大な金管軍が咆哮し、構えの大きな設計のもと、チャイコのうねりとメランコリーが存分に味わえる。第2楽章のオーボエソロのチャーミングな響きはたまらない。カラヤンの後年の同曲録音と較べると「楷書」的な指揮に思うが、天下の名器を駆使して、得意曲で実力を世に問う若きマエストロの気概がひしひしと伝わって来るよう。SACDの音もよい。

いい音が聴けて満足。この演奏はLP,CDで楽しんで来たが、LPはかけるまで手数がかかるし、CDはもっているものの、名演のSACD-SHMとなれば、これは買わずばと言う心持ちになった次第。期待どおりの、分離がよく、豊饒な音に魅了される。演奏はもう言を尽くすに及ばない。

素晴らしいモーツァルト。聴く前は、セルだから端然とした演奏かと思っていたが、何と美しく味わいのあるモーツァルトであることか。テンポも快適。情緒てんめんの演奏もいいが、セルのは引き締まり感があり、曲に酔いつつも後味爽快。セルの実力、魅力に開眼した想い。

今でもウィンナ・ワルツの決定盤と言ってよいと思う。節回しとアクセントの妙、ウィーン独特の3拍子、快適なテンポなどの至芸で、背筋がゾクゾクするような優美さ、色香を振りまく。伝説のクレメンス・クラウスもよい。カラヤンもすばらしい。あまた巨匠、名匠もよい。その中で、この名コンビの名演はかれらならではの味わいを誇る。ホント、楽しいです!録音も優秀。

①大変お得な内容であること ②ブルックナーの音が従来の盤より改善されていることへの期待 から購入。内容は、安定感のある演奏で楽しめるが、特にブラームスは素晴らしい。第4の出だしなど、慈しむように大切に大切に歩を進めており、これに参った! ブルックナーは音は良くなっている。よかった。演奏は、意外にテンポをいじっているなと、聴き直して気づく。世評ほどの名演かどうか、わからない。

快適なテンポと躍動感にあふれた演奏で、リスナーはフワフワと楽しくなって来るが、ケンペ先生とオケが先ず楽しんでいる反映か?選曲も良い。純粋なウィンナワルツの中では、看板の金と銀より、森と天体の方が曲の出来のせいか、演奏とメロディがよりチャーミング。2つの序曲も実に楽しい。ドレスデンの音が明るくまろやかに録音されている。ホント楽しいアルバム。

クリュイタンスの指揮は力みがなく、音楽が自然に流れる。しかし、3流の指揮者とはまるで違い、演奏に味があり、迫力がある。英雄は速いテンポを取り、一見(一聴?)軽やかながら、要所の迫力、推進力はすごい。田園はゆったり目でその美しさは今風に言えば癒しの極致。1,2番の爽やかさ、4番の明るさ、5,9番のすっきり感とほどよい重さ、7,8番の快活さ等々、いつまでも愛聴したいベートーヴェン。

絢爛、優美の極み。ややゆっくり目のテンポのウィンナワルツに陶然とする。とりわけ、楽想(=メロディ)のつなぎのところでのテンポのゆらぎや、入りの呼吸はたまらない美しさ。からだ中がしびれる、とでも表現しようか。バトルとの春の声はじっくり歌い上げ、貴重。ポルカ、マーチも実に楽しい。カラヤンがこの舞台に立ってくれたことはかげがえのない文化遺産。

悠揚迫らざる運び。それでいて高揚箇所ではズシンと重力が漲る。緊張感を強いられることなく聴き進む内に、熟成した味わいにグイグイ引き込まれる。ベートーヴェンも同じ印象。ただ、ブルックナーの音はモノラルみたい。1963年録音としては情けない。この点で星1個マイナス。高名な名盤を出して下さったタワレコさん、ありがとうございます。

華麗なフィラデルフィア・サウンドが楽しめる。テンポ、強弱なども一部を除いて良いなあと思う。気になる点①リストの狂詩曲の左スピーカーからの音が小さく、左右がアンバランス。最初、左が故障したのか?とびっくりした。②シャブリエのスペインはもったりしている。もっと切れ味よく弾んでもらいたかった・・・。

セルらしくあまりテンポを揺らさず、直線的に曲を進める。凡庸な指揮者がこれをやったら凡演の極みだろうが、不思議なことにセルの演奏は聴いていて、ふわふわとウィンナワルツの味わいに包まれて来る。これが芸の力と言うものか?“いかにもウィンナワルツ”と言う演奏ではないが、聴いてよかったと感じる演奏。

未完成が絶品。ゆったりしたテンポでシューベルトの歌と哀愁を美しく紡いで行く。一方、悲劇性は過度にならない。シューベルトの美しく哀しい世界が気品を持って描かれ素晴らしい。前奏曲は気宇壮大だが、もうひとつ粘りがあれば、と思う。ベートーヴェンは抒情性が実に美しく、躍動感もしっかり。いずれの曲でもクリュイタンスは各パート、特に、木管と金管の扱いがうまく、それだけでも聴く喜びを感じる。

LP時代に愛聴したなつかしい名匠の演奏がSACDで蘇った! 先ずもってこの企画に大拍手。
音はやや硬いかな?と言う印象だが、随分昔の音がこれだけ瑞々しければ驚く以外にない。演奏はスケール感が大きく、緩急のメリハリも効いて、迫力と美しさが綾をなす。つきつめた緊張感はなく、聴き疲れしない。クリュイタンスの品格ある演奏は素晴らしい。

滔々と曲を進めて行く演奏に安心して耳を傾けられる。オケは素晴らしいし録音にも不満はなく、聴き終えていい演奏だなあと感じる。ただ、メリハリや推進力は“薄味”でドラマ性は少ないように思う。このディスクのラインナップはおしゃれ。カサドシュの登場もうれしい。なかなかCPに優れたアルバム。

このイタリアはいい。巨匠に失礼ながら想像以上に楽しめてびっくり。楽章の描き分けがしっかりなされ、第2楽章には癒され胸が熱くさえなる。楽器もよく浮かび上がって、楽想や表情の進行がよくわかる。オーマンディは腕の良い職人くらいに思っていたが、この盤で音楽の美しさ、楽しさを気負うことなく伝える名人だと認識させてもらった。

これが3万円の音かと思うと・・・。正直期待外れ。CDよりは音の密度、分離、奥行きは感じるけど。先に発売された同じコンビのR・シュトラウスのアルバム中のブルーレイはもっとスゴイ。コストパフォーマンス的には評価2~3にしたいけど、名演に免じて4.

つくづくカラヤンさんはすごい指揮者と思う。R・シュトラウスを満喫。レコード、CDともほとんど持っているが、この豪華アルバム、買って本当によかった。音に関して:ブルーレイディスクは楽器の分離、奥行き感、空気管が全く素晴らしい。他のCDは従来盤と同様か、ややふくよかな感じ。VPO盤はSHM-CDの方が良いと思う。

壮年期カラヤンの覇気と表現意欲が刻された金字塔。カラヤン一流の推進力、うねり、盛り上げ、音価を大切にし地に足のついた音のつながりなどなどは既に完成され、いかんなく発揮されている。6番はややスマートに過ぎると思うが、曲の性格の描き方は実に見事ですばらしいベートーヴェンを堪能出来る。さすがカラヤン!

巧みなカメラワークによりマーラーの複雑な楽想、楽器の絡み合いが良くわかる。マーラーは観て聴くと楽しさ倍増と聞いたことがあるが、ナルホドと思う。マエストロたちの渾身の棒、オケの見事な合奏、それらを捉えた臨場感溢れる音と映像に、まるで会場にいるかのよう。もう演奏の出来をとやかく言うレベルではない。こんな素晴らしいDVDの世界に浸っては小賢しいことなど、とても言えない。とにかく楽しい!感動!!

カラヤンが録音を「音の缶詰」ではなく、演奏会場では表現し得ない「レコード芸術」として、その極致を追い求めた人であることがよくわかる。新鮮な驚きを持って巨匠の挑戦の過程を知り得たと共に、やっぱりな、と響き、表情の秘密を垣間見た思いのところも多い。ムターはじめプロの人たちが、カラヤンのリハーサルの記録を見ながら発するコメントがまた大変興味深く面白い。これを見るだけでも大きな価値がある。貴重なDVD.

フライシャーのきびきびとして正確なピアノに、セルとクリーブランド管の緻密でムダのない響きが一体となって、芯のある、しかし肩ひじ張らないベートーヴェンを聴かせてくれる。ブラームスの哀愁、情感の表現もすばらしい。特に2番冒頭のホルンの深々とした響きに引きつけられる。実にお買い得なありがたいセット。

カラヤンのライブはすごい。彼のスタジオ録音は「レコード芸術」の記念碑となっているが、ライブだとさらに熱気、気合が伝わって来る。ツァラの迫力、大きな呼吸、しみじみとした歌などなど実に見事。聞かせ上手な至芸に圧倒される。協奏交響曲はベルリン・フィルの名人達の名妓を堪能。すばらしいCD.

巨匠に失礼ながら期待以上の素晴らしさ。LED照明を持つ大聖堂のよう。くっきりとした輪郭、中庸で揺れの少ないテンポでありながら、しかし光と影があり聴き進むと歌と抒情が浮かび上がって来る。強靭なダイナミズムは無論十分。オケは一糸乱れず。セルの至芸の下、荘厳な大聖堂で祈りを体感した想い。

幻想は全体に遅いテンポだが、特に第1楽章序奏部は夢幻的な雰囲気に満ち、麻薬を飲んで恋人の幻を見ると言う曲のコンセプトにぴったり。以降のドラマの起伏、強弱、緩急も素晴らしい。ただ、音が古く少しくキンキンする。ドビュッシーも名演と思うが、やはり音の影響でドビュッシーの点描の味がそがれている。願わくば、と言う点はあるものの、大指揮者の名盤登場を喜びたい。

ショルティの先入観を破る優美さがあるが、陰影感はあまり無く、健康優良児的ベートーヴェン。指揮のせいか録音の良さのせいか、音の情報量が多く、ウルサイ感じがないでもない。シカゴ響は見事。買ってよかった。

(全58件)