2年ちょっと前から始めた室内楽曲探求も1000曲を超え、その中で特に短調作品の隠れた名曲を発掘してきた。だいぶ新しい出会いが少なくなった昨今、心ときめく名曲に出会えた。それがフィリップ・シャルヴェンカの2曲のヴァイオリンソナタだ。とにかく個性的で抒情的で痺れてしまった。シャルヴェンカは兄弟の作曲家で、3つ歳下のフランツ・クサヴァー・シャルヴェンカは素晴らしい4つの短調ピアノ協奏曲を残していて、私のコレクションでは同ジャンルのベスト10を形成している。一方の兄フィリップのヴァイオリンソナタも一気に名曲入りを果たした。複数の短調作品の名曲を残したのは、ゴダール、ブゾーニ、フックス、ボーエン、メトネル、ラフ、ルビンシテイン、レーガーが挙げられるが、そこにシャルヴェンカの2作品が堂々名を連ねてくれた。ヴァイオリンソナタ・ファンの方々、ベートーヴェン、ブラームスなどの有名曲に惑わされず、沢山の隠れた名曲を知ってほしいです。