このレビューは2022年11月23日に再発された日本盤CDについてのものです。
前作の2年後の1989年に発売された本作は、ビー・ジーズの歴史でも最大の悲劇といえるアンディの死を挟んで制作されている。
そのせいか、悲しくて美しい「ティアーズ」、アンディに捧げた「ウイッシュ・ユー・アー・ヒア」という悲しみの傑作が並ぶ。この2曲を聴くために、このアルバムを購入する意味があるとさえ思う。
タイトル曲「ONE」はアメリカで7位まで上昇した。実に10年ぶりのアメリカでのシングル・トップ10である。バリーは、この曲がラジオに戻してくれたという発言をしていた。しかし、アメリカでは最後のトップ10で、その後は20位内にも入れなかった。アルバムは最高位68位。アルバムにあわせてツアーを行ったにもかかわらずだ。アメリカでの冬の時代はなかなか終わりを見せなかった。
「TOKYOナイツ」というタイトルには驚いた。なんでも前作でカムバックして以来、日本のファンからいっぱい手紙をもらったそうで、そのお返しなのだろう。事実、この年の日本公演ではオーストラリアに続きこの曲が演奏されている。解説には、『ドイツではシングルとして発売された。東京の夜景のようにきらめくこの曲は日本でこそ来日記念盤として発売されるべきだった!』とあるが、全く同感である。
本作発売後に日本にも来てくれた。何と北アメリカ大陸以外では、1974年が最後で以降ライブをやっていなかったのだ。やっと念願の彼らのステージを観ることが出来た。その公演でオープニングを飾った「オーディナリー・ライブス」や、ロビンの哀愁感漂う「ボディガード」、ロビンがシャウトする「フレッシュ・アンド・ブラッド」がお気に入り。
アンディの死を3人がどんなに悲しんだか、アルバム・タイトルの意味、15年ぶりの世界ツアーに込めた思いは、新しくなった解説に詳しいので、ぜひ一読してください。