このレビューは2022年11月23日に再発された日本盤CDについてのものです。
本作は、実に6年ぶりのオリジナル・アルバムで1987年に発売された。6年の間、グループとしてはサントラ『ステイン・アライブ』だけだったが、ソロ・アルバムや大物アーティストとコラボして大活躍だった。詳しくは新しくなった解説をご覧ください。
ワーナーブラザーズに移籍後初ということで日本でも結構宣伝していたことを覚えている。なんと言ってもシングル『ユー・ウィン・アゲイン』がイギリスでNo.1になり、ドイツはじめヨーロッパで大ヒットしたことはうれしかった。しかし、アメリカではシングルもアルバムもさっぱりで、信じられない気がした。桁外れの成功に対する揺り戻しは、殊の外大きいということか。アメリカでの人気復活はあと10年待たねばならない。
プロデュースはアリフ・マーディンとビー・ジーズで、『メイン・コース』の復活かと大いに期待したが、「めでたさも中くらい」というのが正直な感想だ。
お気に入りは、「ユー・ウイン・アゲイン」はもちろんだが、「ESP」と「リブ・オア・ダイ」だ。「ESP」は、疾走するようなサウンドでコーラスは美しく、「これが彼らが目指す音だ」と思った。「リブ・オア・ダイ」は「Hold me like a child~I will stay with you」の部分が最高に美しい。もう1曲「オーバーナイト」は、モーリスのリードで珍しく彼がシャウトしている。ロビンやバリーの声もしっかり入っていて、3人でやっている感じが実に素敵だ。
少し残念なのは、私の好きなロビンがメインの曲がイマイチなのと、その他の曲がどこかのんびりした感じを受けること。60年代から感じていた、美しく優しく悲しい曲でもシャープなところが好きだったが、さすがのビー・ジーズも年を取ってるのだなと思った。