このレビューは2022年11月23日に再発された日本盤CDについてです。
69年12月にバリーがビー・ジーズを抜けると発表して解散していた彼らが、70年の夏ごろに突然「アイ・オー・アイ・オー」と深夜放送で流れたときは本当に驚いた。しかもアルバムまで出た。シングル「アイ・オー・アイ・オー」は日本ではよくラジオで流れかなりヒットした(事実、「ジョーク」以来の売り上げで、その時点で「マサチューセッツ」「ジョーク」「ワールド」「ワーズ」に次ぐ)。
アルバムはロビン抜きなので、今までと随分違って聴こえたが、バリーとモーリスはカントリー好きなのが良く分かった。しかしバリーらしいソウルフルな「ダウン・バイ・ザ・リバー」や「アイ・レイ・ダウン・アンド・ダイ」は大傑作だ。一番好きなのは「スウィートハート」でエンゲルにあげたのはもったいない。「思い出を胸に」は初めて買ったシングルで忘れられない曲。バリーのセリフ入りの「君との別れ」はエンディングが今一つ気に入らないが、たぶん女性ファンは大好きなんだろうなと勝手に思う。
というように、どの曲も素敵でロビン抜きでもこれだけのものを作るとは、やっぱり彼らは只者ではない。「売れ行きなんか気にしなくていいよ。中身だよ」と言いたくなる好アルバムだ。
最後にドラマーのコリン・ピーターセンはなぜやめたのか疑問だったけど、解雇されたことが後年(私には)分かった。なぜなのか、この再発CDの解説に記載してあった。執筆者に感謝です。しかしコリンかわいそうだと思った。