LPは1971年5月に本国から半年遅れで発売、再結成後第一弾で当時発売を今か今かと待ち望んでいた。それまで2枚組のベスト盤を擦り切れるほど聴いて、ビー・ジーズにすっかり魅せられていた私が、初めて買った彼らのオリジナル・アルバムだ。以後30年間発売日にオリジナルアルバムを購入してきた。
内容は、従来のように3人で共作したのは3曲だけで、メンバーのソロが7曲、ロビンとモーリスの初めての共作が2曲と、解散していた時期に作られていたであろう曲が大部分を占める。よって3人の個性がよりはっきり表れていて、まだビー・ジーズ初心者だった私にとって、彼らを知る教科書のような思い入れが強いアルバムだ。
お気に入りは、3人のハーモニーが美しいロビンの「アローン・アゲイン」、シンガー・バリーの実力を発揮した「初めての誤り」、モーリスのライブで定番となった「レイ・イット・オン・ミー」、そして3人の共作では「恋のシーズン」が一番好きだ。当時高一だった私は原題の「Man For All Seasons」の「すべての季節を生きる男」とは、どういう意味なのかよくわかっておらず、本CDの解説に『有事に際してぶれない、何事にも立ち向かえる人』とあり、「なるほど!」と納得した次第。解説の執筆者に感謝。