メンバーズレビュー一覧

BE BOP ECONOMY CLASSさんが書いたメンバーズレビュー

(全63件)

このサントラ盤が一時的にせよ廃盤になってしまうのだから困ったものだが、こうして再販されるのもまた頷ける。初CD化の時は「あの曲が入ってない」「こんな曲は要らない」と騒いだのに、30余年かかってすっかり馴染んでしまい、いまや一枚全部で一つの組曲として楽しんでいる。
酸性の雨がやむとき 青空さして鳩が飛ぶ…

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著者の祖父は旧陸軍が養成したスパイ第一期生であり、その本人が生前に書き残した記録を著者がまとめた本だ。ただし、記録に基づいて巷間の俗説や過去の証言を点検し、中野学校の実像に迫る部分がかなり多い。
派遣されたインドでの活動はフィクションのような派手さが全くなく、ひたすら地味だが、それが諜報員の実体なのだろう。陸軍の軍人であるにも拘らず、一貫してリベラル指向なのが興味を引く。戦後の振舞いも含めて、誠実な人柄が偲ばれる。

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ウリッコ(1)

殺野高菜、他

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

2025年に始まった新作マンガの中で自分が一番注目する作品はこれだ。最底辺の劣悪環境にいる女の子が、ふとしたキッカケでマンガを描き始める。先がまだ全く見えないが、2020年代の『まんが道』は本作の形になるのだろう。読者を引っ張る手腕はなかなかのもの。来年は彼女の行方を見守りたい。

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アンダー3(1)

榎本俊二

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

これは危険なマンガだ。発売元が宣伝を一切やらないぐらい危い。この危険さを楽しめる人だけが買って読んで笑えばよい。よく紙で出したな。多分すぐ絶版になり、のちのち天下の奇書として遇されるに相違ない。

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As Time Goes By

Bryan Ferry

4:
☆☆☆☆☆
★★★★★

1999年の初リリース時は歌声の老け込みぶりにたじろいだが、いま聴くと実に良い。自分も本作当時のフェリーの年齢を超えて、この声が馴染む境地に達したようだ。電気楽器はオンド・マルトノなど僅かで、モノラルにミックスした曲が複数ある徹底したオールド・ファッション指向。フェリーはこのアルバムを亡父に捧げている。

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AKIRA 3

大友克洋

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

面白いなぁ。立て続けに3回読んだが、ちっとも飽きない。やっぱり大したもんだよ。リアルタイムで読んだ時、『AKIRA』を最後に大友克洋が描かなくなるなんて思いもよらなかった。内燃機関は壊れる寸前に一番調子が上がる。その危険な輝きが読み取れる第3巻。アールデコへの顕著な傾倒も興味深い。

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90125

Yes

3:
☆☆☆☆☆
★★★★★

このアルバムは初CD化の西独盤からマスタリングが変るごとに聴いてきた。今回のアナプロ盤SACDは音質の操作を極力避け、マスターの音を生かす方針で臨んだと察する。聴感では国内盤SACDより5〜6dBほどレベルが小さく、fレンジ・Dレンジとも狭い。この音がおそらくマスターの実相なのだろう。本アルバムの音には最初からコンプがかかっており、DSDで得られるメリットとは相容れない。CD規格で充分なのではないか。
歴代の国内盤はマスタリングで演出を加えて迫力や熱気を盛り上げているため、そちらに慣れた人はアナプロSACDの音に物足りなさを覚えるはずだ。
アートワークはオリジナルの銀刷り部分をただのグレーで刷っちゃったのでマイナス100点。Disappointed a lot.

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カーズ グレイテスト・ヒッツ

The Cars

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

バンド活動中に最も売れた5thアルバム『ハートビート・シティ』からのシングル曲までを集め、オリジナル・アルバム未収録の佳曲「トゥナイト・シー・カムズ」を加えた初の公式ベスト盤。前半の曲順を後の別編集ベスト盤でも踏襲しており、バンド側のこだわりが窺える。これを聴けばカーズの良さがだいたい分ってもらえると思う。

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官能先生(4)

吉田基已

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

3巻が出た後で連載が中断し、6年後に4巻が出て続きが読めるというマンガは滅多にありません。続きを描く価値があり、読む価値があるマンガだと思ってます。こんな題名ですけど、読者を色気で釣る安易な作品ではなく、むしろ志の高さを感じます。絵の魅力が素晴らしい。これはぜひ紙の本で読んでほしいですね。

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戸川純のベスト盤は山ほど出たが、本人が関与して選曲したのはこの3枚組が初めてだ。それだけに納得の内容で、手元に置く価値がある。だからソニーも廃盤にしない。NHKみんなのうた「ラジャ・マハラジャー」や北野武と共演した際の「蘇州夜曲」など、痒いところを血が出るまでかきむしる必殺のセレクション。ブックレットの超長編インタビューも貴重です。

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終の花嫁 (2)

谷和野

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

いいねいいね。文字通り毒のある話になってきた。まだ主人公は気付いていないが、すべては計画通りの展開なのだ。次巻からがいよいよ本番というところ。
かつて少女マンガにはこういう変ったお話が珍しくない時代があった。本作はその頃の状況を思い出させてくれる。堪らねえぜ!

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文化が爛熟したイギリスをうまく舞台に生かし、当シリーズの中でも筆が乗っている快作だ。作者はこのコンビがいたく気に入ったようで、二人の掛け合いは栞と紙魚子の再来を感じさせる。

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David Shire Selected Works (The 1970s)

David Shire

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

高いCDだが『ジョーイ』の劇伴が入っている! それだけで買ってしまった。NHK-FM「夜のスクリーンミュージック」でカセットテープに録って以来、半世紀近く探していた曲だ。モノラルの作品も混じっているが、音質はおおむね申し分ない。今夜はお祝いする。

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緑の予感たち (1巻)

千葉ミドリ

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

失礼なのを承知で書くと、黒田硫黄系か。私は楽しんで読んだ。決して分かりやすいマンガではありません。そこがいい。何度でも繰り返し読めます。本書は第1巻と謳っているので、とうぜん第2巻に期待しないわけにいかない。待ってます。

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劇場版 銀河鉄道999 File No.1&2

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

この2枚組「エターナル・エディション」は劇場版初公開時に発売されたサントラ盤「交響詩 銀河鉄道999」の曲目に加えて、実際にフィルムで使われた曲を補った完全版サントラです。「交響詩」には入っていない挿入歌「やさしくしないで」(歌:かおりくみこ)も収録し、決定版と呼べる内容になりました。音質も発売元の威信をかけた充実ぶりで、999ファンなら必携のセットです。正直、再販されるとは考えもしませんでした。再発売は待望の好企画であり、新品を入手できるチャンスはおそらく今回が最後になるでしょう。

2

好き好き大好き

戸川純

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

戸川純のソロ名義作品の中では本作と『昭和享年』が好きで、繰り返し聴いてきた。オペラ的な発声でポップな曲をこなす仕掛けはクラウス・ノミと共通する。巻上公一とのデュエット「おおブレネリ」に始まり、はにわオールスターズを従えた「リボンの騎士」へと至る作業は本当にユニークで素晴らしい。何より、笑えるところが最高だ。

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イーグルスの文学性と社会性を主にドン・ヘンリーが担当していたことがよく判る力作。アナログ盤のA面はノスタルジー指向、B面は現実指向と作り分けている。シンセの音がチープなのは惜しいが、それも時代の刻印だ。これより後のソロアルバムはお金持ちクラブのパーティみたいになるので、あんまり好きじゃない。

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知名度は決して高くないが、私小説・短篇小説に真摯に取り組んだ作家のベスト作品を集めた本です。現代国語の教科書で読んだ作品が見つかるかもしれない。表題作はこの作家にとって例外的な内容ながら、自宅の近所で起きた小事件を描いて忘れがたい印象を残す。最後の1行を味わって下さい。

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TRINITY イヤホン Black

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

損か得かで言えば絶対にお得な製品です。もちろん5ケタ級の製品には勝てませんが、同価格帯でこれだけの音を出すイヤフォンは自分が知る限りありません。この価格で売ってるのは何かの間違いではないかとすら思う。全ジャンルの音楽におすすめです。

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一九八四

ジョージ・オーウェル、他

2:
☆☆☆☆☆
★★★★★

この小説を訳出できて訳者は満足したに違いないが、このバージョンの寿命は長くないと予想する。訳文が正確だとしても、それ以上の深みはないからだ。この作品は小説であり、翻訳にも一定の文体と、それを支架する蓄積を要求する。ところが訳者は、翻訳は正確であればよしとして、文体に注意を払った形跡がない。これは文体を持たない翻訳者の(あるいは時代の、と言うべきか)不幸であろう。この点において本書は新庄哲夫の旧訳を超えない。角川文庫版は論外、ハヤカワ文庫の新訳も疑問なしとしないが、価格競争で山形訳を駆逐できる。新庄訳を手放すことは当分できないようだ。

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かわいすぎる人よ! 3 (3)

綿野マイコ

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

つい先ごろ知って読み始めたが、これはいい作品です。繰り返し読んでしまう。異世界やらゲームの中へ出かけていくマンガが大流行してるけど、そういう設定は自分と関係ないから興味が湧かないんだよね。本作は日常の延長線上にあるんで、こんな人たちがどこかで本当に生活していそうな気がする。そういった感覚をくれるマンガは今どき貴重かもしれない。キャラがみんな良い顔をしてます。

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APPLE PARADISE

大友克洋

4:
☆☆☆☆☆
★★★★★

収録内容については文句なし。巻末の作者コメントも面白い。
ただしブックデザインに問題アリ。作品と作品の間に黒ベタのページを置くのは良くない。対抗ページ(作品の一部)にインクが移って汚れる。これは年月が経つにつれてさらに目立ってくると思う。映画の暗転を模した効果であることは理解できるが、やめてくれないかな。今からでも遅くはない。

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Brothers In Arms (40th Anniversary)

Dire Straits

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

スタジオ盤の音質は1996年リマスターと大差ない。ライヴ盤2枚は合計124分収録。演奏・音質とも高品質で、概ね満足できた(ピッチが狂った楽器あり)。先に出たライヴ盤ボックスは1985年ツアー音源が抜けているのが不思議だったが、この商品に入れたわけね。納得しました。
ブックレットはノップラー、イルズリー、ドーフスマンによる回想が興味深い。カリブ海モンセラト島にあった録音スタジオで「この部分をスティングが歌ってくれたらいいのに」「彼ならジョギングで毎日スタジオの前を通るから捕まえれば?」→スティング捕獲→「I want my MTV」 それ本当かよ。40周年記念で話を盛ってねえか?
巻末の写真で影武者ギタリストのジャック・ソニが大写しになっている。ライムグリーンのストラトがトレードマークだった。2023年に死去、R.I.P.

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天使のたまご 音楽編 「水に棲む」

菅野由弘

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

40年前の作品で、リマスターはこれが初となる。マスターテープの経年劣化を新規マスタリングによる音質改善が上回り、総合点で空間の広がりやディティールの表現が向上した。テープのヨレや転写は極少。印刷物の仕上がりも非常によろしい。今回の文字組みはノーマルなヨコ組だ。押井監督の新規コメントは無し。

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発売予定日は3099年12月31日。気が遠くなる。H.G.ウェルズの仮説によれば、人類はその頃……

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Oblivion

Utopia

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

バンドの運営が思い通りにいかず、トッド自身は出来に満足していないのかも知れないが、この年に出さなければ意味がなかったアルバム。ジョージ・オーウェル『1984年』を原作としているからだ。同コンセプトでボウイが作った『ダイヤモンドの犬』とは毛色が異なるが、これはこれで面白い。耳に残る曲が複数あるのは、さすがトッド。「Fix Your Gaze」をボートラで入れるアルバムは、これ以外にあり得ない。

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Schoolyard Ghosts

No-Man

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

今まで聴いたスティーヴン・ウィルスン関連作品の中で再生回数が一番多いのはこれだと思う。SSWが吹き込んだナイーヴな小品、という趣の1枚。秋口から本格的な寒さが来るまでリピートする定番だ。ラウドな曲が1つだけあって、自分のプレイリストからは外してある。

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復刻版 ファイヤー! 上

水野英子

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

このマンガは本当にすごい。世界に誇ってよい作品だと思う。発表されたのは1970年を挟んだ3年間だが、その時点でロックの熱狂と発展からロック幻想の崩壊までを恐るべき正確さで描き切っている。鬼気迫る結末は、ピンク・フロイドの『狂気』と『炎』を先取りしていた。今回の復刊のため新規に書かれた後書きが、また泣ける。これぞロックだ!

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Matrix

Don Davis

4:
☆☆☆☆☆
★★★★★

先に出た2枚組バージョンと差別化したのか、44分しか入ってないのは残念。音質は初回CDに比べて深みや広がりがあり、別物と呼べるレベルまで改善されていて満足した。それにしても怖い音楽だなあ。演奏者のクレジットは異様に充実している。
ジャケはキティちゃんのデザイナーが描いたイラストだ。しかし、作品成立の経緯を考えれば沖浦啓之か黄瀬和哉に発注すべきだった。詰めで甘さを暴露してしもたね。よって星一つ減点。

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Diamond Head<初回限定盤>

Phil Manzanera

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

マスターは一旦PCMを通っていると思うが、在来CDとの比較ではレット・デイヴィス空間の表現で一味違う気持ちよさがある。ロキシー作品群と同じで、もう普通のCDでは聴けなくなった。
今回出た一連のSACD化は二度とないだろう。その筋の人は購入の決断を過らぬよう。自分は本作と『801 LIVE』の2枚だけ押さえた。あとはいいかな。QSはCDすら手元に置いてないんで。

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beautiful place (3)

松本 次郎

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

こんばんは、リン・ミンメイです。星の砂の満ちる海〜
値段が予価より上がった原因は増ページでしょ。こんな厚みのB6単行本は久々に買った気がする。ラストにいろいろ胸糞が悪くなる面白いお話で、待った甲斐 山ー形ー
作者はN崎市に移住でもしたんですか? やたら現地の事情に詳しいんですが。背景を中心にCGを多用する新機軸は押井守の『イノセンス』ばりで面白いが、長年のファンには賛否両論ありそう。あの独特な荒い線に作者自身が飽きたのかも知れない。
2巻の発売から1年ぴったりで3巻めを出してくれたのは、作者の年齢を考慮すれば大変ありがたい。来年もよろしく!

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限定BOXの外箱はプラモデルの箱がモチーフですよね。本当はかぶせ箱にしたかったんでしょうけど、気分は充分出てます。
本の中身はいつものスケッチ集ですが、作者が老境に入ってきたというか、一種の達観が感じられるネタが増えた印象です。例によって、他人が見てる場所で読むのは勧めません。

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Blue Velvet: The Deluxe Edition

Angelo Badalamenti

4:
☆☆☆☆☆
★★★★★

最初に発売された一枚物サントラには、ボビー・ヴィントンが歌唱した主題歌を収めていないという致命的な欠陥があった。その時の失望をようやく埋め合わせることができた。ただし、この2枚組を私が手にした時は6,381円だったから、リンチ監督の死去を受けて再販された際に2倍近くまで値上がりした勘定になる。国力の衰微を実感させられる出来事であり、高天原におわす陛下もさぞやお嘆きであろうと察する。

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Sand<初回限定盤>

Allan Holdsworth

2:
☆☆☆☆☆
★★★★★

ジャケが気に入らないので購入を見送った。左右逆版、アーティスト名が赤文字、アルバムタイトルも色が違う。どうしてこうなった? こんな商品は音を聴く前から信頼度がガタ落ちする。別ジャケを採用したビクター盤の方がまだましだ。作り直してもらいたい。

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2012年に出たハイブリッド盤と同マスターで、価格はちょうど1.5倍。物価の上昇を勘案しても、買い替えはちと厳しいので我慢します。2012年盤はブックレットのデータにミスがあるから、このさい直す方がいい。
2枚に詰め込まないのは圧縮による音質劣化を嫌ったためと解釈しておく。

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歌謡曲が本当に力を持っていた時代。その最後の大物女性歌手が岩崎宏美だったと思う。ビクター期にリリースした全シングルA面曲を3枚のCDに収めたシンプルな構成だ。デビュー当初からの安定した実力と、その後に獲得した表現力の伸びを確認できる。
ブックレットは歌詞のみで、各シングル盤の画像や解説文などはなく、資料性の点で不満が残る。音質は一昔前のレベルだ。そろそろ作り直しが必要だろう。

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前2作ほど長くはないが65分収録。いつも通り死角なしの見事なコーラスを聴かせる。ヒーリング効果大(たぶん)。
デッカへ移籍した時に計画された三部作が本作で完結し、今後どうなるか気がかりだ。デッカに居続けるか、手堅い別レーベルと契約してもらいたい。

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じんちく以外 (1)

小田扉

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

『団地ともお』完結後に出た小田扉の新作の中で一番すごいのは本作かも知れない。笑わせに来てるんだけど、油断すると泣きます。透徹した死生観と申しますか、善悪の狭間を超えたというか。1巻ではケルベロスの回がベストかな。オマケの2コマにやられた!

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発売日が3099年12月31日になってますが、その頃にもマンガや日本国や人類が健在だといいですね。地球が金星みたいになっても知らないぞ。

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ソラリス 上

スタニスワフ・レム、他

3:
☆☆☆☆☆
★★★★★

原作小説に酷似しているのだが、何かが足りない。作者が原作から読み取りたい要素のみで押し通した、という印象だ。その結果できあがったマンガ作品は、ソラリスの海が主人公ケルヴィンのもとへ送り込んだハリー2と共通する違和感がある。
読んでいる間じゅう、頭の中でずっとバッハが流れていた。タルコフスキー監督が作った映画版の呪縛は今なお強い。

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邪神の弁当屋さん(1)

イシコ

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

2024年に読んだ新作マンガで一番気に入った作品はこれです。明るさと暗さのバランスが絶妙。単純に見えるのに表現が豊かな絵柄も特筆もの。繰り返しの熟読に耐える名作だと思います。

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ホルスト:組曲「惑星」

冨田勲

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

4年前に出た国内盤と基本的に同一の商品だと判断した。盤面の印刷だけが異なり、今回の方がより音質を尊重したパターンだが、そのために200円の割増料を払う価値があるとは思わない。
音質は極めて優秀。他のジャンルはこの仕様で出さないんですか?

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Berlin<完全生産限定盤>

Lou Reed

4:
☆☆☆☆☆
★★★★★

発売がずいぶん延びたが、無事に出たのでまずは重畳。今回が初SACD化であり、音の立体感やリヴァーヴなど細部の表現で既存のCDに決定的な差をつけた。ただし個人的には、せっかくRCA音源を保有しているのだからソニー自身の手で音質を改善してほしかった。
パッケージは毎度おなじみの粗雑さを嫌って星1個マイナス。ジャケ内面はクレジットを転記したのみで、初回LPや紙ジャケCDに添付された歌詞・写真入り豪華ブックレットの再現は望むべくもない。RCAのファットなロゴが付いた新商品は久々に見たと思うよ、マミイー!

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Instant Disk Audio-Bluetooth CD Player Black

3:
☆☆☆☆☆
★★★★★

有線ヘッドフォンで試聴しました。普通に使えるが、音質は眠い感じ。ポータブルCDプレーヤー全盛期の音を期待しないで下さい。でも、ソニーが最後に出したOEM製品もこんな音だったしな……。CD本来の音質は、これで聴くより良いはずなんだけど。

2

Instant Disk Audio-CP2 スピーカー搭載 White

3:
☆☆☆☆☆
★★★★★

有線ヘッドフォンで試聴しました。普通に使えるが、音質は眠い感じ。ポータブルCDプレーヤー全盛期の音を期待しないで下さい。でも、ソニーが最後に出したOEM製品もこんな音だったしな……。CD本来の音質は、これで聴くより良いはずなんだけど。

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有線ヘッドフォンで試聴しました。普通に使えるが、音質は眠い感じ。ポータブルCDプレーヤー全盛期の音を期待しないで下さい。でも、ソニーが最後に出したOEM製品もこんな音だったしな……。CD本来の音質は、これで聴くより良いはずなんだけど。

5

AKIRA 1 OTOMO THE COMPLETE WORKS

大友克洋

3:
☆☆☆☆☆
★★★★★

旧版で何十ぺんも読んだのに、面白くて真剣に読んでしまった。絵はまだ不安定だが、後に安定するのと引き換えに失ってしまう勢いがあって素晴らしい。巻末に作者インタビューが付いていないのは減点。最終巻でちょこっと喋るだけだとすれば残念だ。
色付きビニールカバーは速攻で外して棄てた。放っておくと知らない間にベタベタに溶け、周囲も巻き込んで酷いザマになると思う。何を考えてこの仕様にしたのだろう。

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Synchronicity

The Police

3:
☆☆☆☆☆
★★★★★

「Someone To Talk To」「I Burn For You」「Once Upon A Daydream」は1993年発売の4枚組BOXに収録されたバージョンの再録だと思う。だとすればDisc 2は「全て初CD化」ではない。そんなんで大丈夫っすか?

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エクステンションズ

Manhattan Transfer

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

前作までのノスタルジー路線から一転してレトロ・フューチャーな装いを取り入れ、キャリアの転換点となった傑作アルバム。万全のプロダクションで捨て曲がなく、リスナーを飽きさせない。日本での快進撃も本作あたりから始まった。
グループが黄金時代を築いたワーナー期の旧作がユニバーサルから発売されるのは今回が初となる。おそらく新規にデジタル変換しており、レギュラー盤がリマスターされたのは初CD化以来の快挙だ。
日本語解説が1ページのみと分量が少なく、訳詞の省略も惜しまれるものの、正規盤が久々に再発されたのは喜ばしい。男女混成でマントラを超えたジャズヴォーカルグループは未だ出現していないと思う。同時発売の『ヴォーカリーズ』ともども、じっくりお楽しみ下さい。

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たいへん面白い。戦後のマスコミ伸長と、それを象徴する巨大建築計画の盛衰を、人脈や学閥など人間関係を軸に概観した書物だ。文化史的な側面は弱いものの、文献調査が徹底した労作と評せる。膨大な脚注は巻末でなくウェブ上に置き、QRコードで参照する仕組みが目新しい。
ヒトラーやムッソリーニが典型的だが、巨大な権力を得た者は大それた建築プランに執念を燃やす。戦後日本ではメディア業界の大立者が政治家を凌ぐ実権を得て、国民を実質的に支配する勢いだった。彼らの気狂いじみた欲求が危なく形になりかねなかった「幻の誇大妄想的建築群」の顛末を、本書はたっぷり教えてくれる。そんな時代は二度と日本に訪れまい。つまらん国になったものだ。

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