このアルバムは初CD化の西独盤からマスタリングが変るごとに聴いてきた。今回のアナプロ盤SACDは音質の操作を極力避け、マスターの音を生かす方針で臨んだと察する。聴感では国内盤SACDより5〜6dBほどレベルが小さく、fレンジ・Dレンジとも狭い。この音がおそらくマスターの実相なのだろう。本アルバムの音には最初からコンプがかかっており、DSDで得られるメリットとは相容れない。CD規格で充分なのではないか。
歴代の国内盤はマスタリングで演出を加えて迫力や熱気を盛り上げているため、そちらに慣れた人はアナプロSACDの音に物足りなさを覚えるはずだ。
アートワークはオリジナルの銀刷り部分をただのグレーで刷っちゃったのでマイナス100点。Disappointed a lot.