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第90回 ─ ネオアコ

第90回 ─ ネオアコ(6)

連載
Discographic  
公開
2009/06/10   17:00
更新
2009/06/10   17:59
ソース
『bounce』 310号(2009/5/25)
テキスト
文/北爪 啓之、柴田 かずえ、村尾 泰郎

Once Again And More あれから20年、ネオアコ世代がいま奏でる大人のためのネオアコ盤

RODDY FRAME 『Western Skies』 Redemption(2006)
アズテック・カメラのロディ・フレイムによる目下のところ最新作。かつてのようなひたむきに青々しい感性はここにはないが、卓抜した演奏で聴かせるアコギの調べや、ホロ苦く清冽な歌声は年を経ても変わらず美しい。静謐なメロディーが心を疼かせる好盤だ。
(北爪)

SHACK 『...The Corner Of Miles & Gil』 Sourmash(2006)
元ペイル・ファウンテンズのマイケル・ヘッドが弟ジョンと結成したシャック。かつての〈蒼さ〉と引き替えに、磨き抜かれたメロディーやアレンジはますます深みを増してビター・スウィートな味わい。ノエル・ギャラガーのレーベルからリリースされた一枚。
(村尾)

TRACY THORN 『Out Of The Woods』 Rough Trade(2007)
エヴリシング・バット・ザ・ガールの歌姫、トレイシー・ソーンから届けられた25年ぶり(!)のセカンド・ソロ・アルバム。クラブ・サウンドに接近した後年のEBTGのその先を体現したような、彩り豊かで洒脱なエレポップの逸品に仕立てている。
(北爪)

EDWIN COLLINS 『Home Again』 Heavenly(2007)
脳溢血で倒れていたエドウィン・コリンズが、5年ぶりに発表した復帰作。倒れる前に録音は終わっていたらしいが、ほとんどの曲をひとりで作り上げ、初期に通じるシンガー・ソングライター的な仕上がりに。変わることのないソウルフルな歌声に胸が熱くなる。
(村尾)

カジヒデキ 『blue boys don't cry』 felicity(2009)
最近ふたたび人気の高まっている永遠のブルー・ボーイ。〈ネオアコ〉なるものを若いリスナーに認知してもらうには、カジ君の音楽を聴いてもらうのもひとつの手だ。日本のネオアコ伝道師ともいうべき彼の音楽性はこの最新EPでも一切ブレていない。
(北爪)