カーラ・ブルーニやテテの大ヒットにより、日本での認知度もグンと上昇した感のあるフランスのフォーク系シンガー・ソングライターたち。なかでも特に注目の一枚といえるのがカーラのレーベルメイトであるマリ・ジョ・テリョのファースト・アルバム『Marie-Jo Therio』。ギター、ピアノ、アコーディオン、そしてストリングスによるアコースティックなサウンドが、伸びの良い美声を柔らかに包み込む。静謐な音像の中で沸々と燃え上がる彼女のストレートな歌唱が心に響き、ケルト音楽やアメリカのフォークにも通じる世界観を見せる。一方、シャンソン・ヴァリエテ・フランセーズの重要人物に挙げられる才女=ジャンヌ・シェラルの最新作『Douze Fois Par An』は、シャンソンやミュゼットといった既存の音楽スタイルを解体し、現在形のサウンドに再構築したもの。型破りな音作りはブリジット・フォンテーヌを彷彿とさせ、メラメラと燃え上がるような思い入れたっぷりの歌い口が印象的だ。〈情熱の赤〉はまさに彼女たちにピッタリ!?