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第13回 ─ ピンヒール・ストンプ!!

第13回 ─ ピンヒール・ストンプ!!(2)

連載
Discographic  
公開
2003/05/01   12:00
更新
2003/05/01   18:47
ソース
『bounce』 242号(2003/4/25)
テキスト
文/bounce編集部

BOOMKAT 映画「8マイル」に出演し、いまや各方面で引っ張りだこのグラインド・エンジェル、タリン・マニング率いるブームキャットがデビュー!!



両親は離婚、育ったのはトレーラーパーク、そしてめざすは白人初のメインストリーム・ラッパー……。以上、ブームキャットのフロントウーマンであるタリン・マニング嬢に関する事実をいくつか挙げてみたのだが、どこかで同じような話を耳にしてはいないか? そう、あのエミネムである。「幼い頃からとにかく自分を表現することで生きてゆきたかった」(タリン・マニング、MC/ヴォーカル)とダンスや歌や演技を学び、まず女優としてデビューを果たしたタリンは、奇しくもそのエミネムと映画「8マイル」で共演。撮影中、彼女が兄、ケリンとブームキャット名義で音楽活動もしていることを知ったエミネムに頼まれ、デモテープを聴かせることになったのである。

「彼は〈これはスマッシュ・ヒットだ〉と絶賛してくれたわ」と彼女は回想する。「そして、わたしを見てると駆け出しの頃の自分を思い出すって言ってくれたの」(タリン)。

こうして「8マイル」のサントラに参加して世界に第一声を響かせた異色の兄妹デュオは、このたびアルバム『Boomkatalog One』を完成させた。トラック制作はケリンが一手に引き受け、声はタリンの領分。詞は二人が「おたがいの心を読むようにしながら」(タリン)綴るという、あうんの呼吸で作り上げた15曲を収めている。

「どれも基本はヒップホップで、曲作りはなんらかのサンプルをループさせることから始まるんだ。図太いブレイクビーツとガーリーな声のコントラスト自体が新鮮だろ? と同時にいちばん重視するのはメロディーとの絡み。僕はビートルズのなかではポール派だからね(笑)」(ケリン・マニング、プログラム)。

なるほど、黒人音楽を愛しヒップホップを出発点とする兄妹なのだが、仕上がりはメロディック。ケリンがサウンドの味付けに使う素材はR&Bからロックまで無制限だし、タリンはなかば歌うようなファンキーなMC(「サブライムのブラッドみたいなフロウが大好きなの」)と流麗なヴォーカルを自在に操り、二人の気の向くままに生み出された〈マニング流ポップ〉と言うよりほかない。

「結局は個性の問題であって、誰の指図も受けずに自分らしさを貫いてここまで来たんだから、わたしたちが正しかったってことでしょ?」(タリン)と問いただす彼女に、反論できる余地はなさそうだ。(文:新谷洋子)

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