
ラヴェル管弦楽曲録音集成 / レナード・バーンスタイン
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半世紀前の名著“交響曲名盤100”で諸井誠氏は、バーンスタインORFの幻想交響曲を評して「フランスになりきれない歯がゆさが…」と。このラヴェルでそれを実感。しかし、ヘタウマではありませんが、私には、これがレニーの何にも代え難い魅力だと思えます。まるで「パリのアメリカ人」を地で行くような。NYOとの演奏も同じです。中でも、ダフクロは、精一杯精緻に優雅に旋律を歌わせながらも、時おりレニー固有のダイナミズムが襲かかり、如何にもアメリカンな恰幅の良さに支配されてしまう。これは、私は、バーンスタインの至芸と受け止めます。ここまで大胆な芸当、今や誰ができましょうか。
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もりちゃんさんが書いたメンバーズレビュー
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悪評サクサク!?のカラヤンのマラ5。どうしてどうして素晴らしいマラ5です。マーラー初録音という緊張感と感情の高揚もあったのか、と思わせるカラヤンらしからぬテンポの揺さぶりやフォルテの盛り上げには瞠目させられました。ライヴのような迫真性を感じます。そして何よりも録音の良さ。イエスキリスト教会の末期の録音でしょうが、改めてその音の良さに感服。レコードで聴いたことはありませんが、CDに比べると、響きの広がりと奥行きはSACD化で段違いになったと感じます。とりわけ、アダージェットの美の極みは、SACD化とイエスキリスト教会の豊かな音場無くしては成せなかったかもしれません。
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中古で購入したレコードのチャイコフスキー後期3大交響曲を聴いて感動、それでこの盤を買いました。弦の音が少しきつい気もしますが、ホール感のある奥行き深い音に満足しました。演奏も要所要所でロジェヴェン流のアクセントを効かせたメリハリがあります。飽きない演奏ですね。とても良い盤の復活です。
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う〜ん、ちょいとカロリーが低いなぁ、という感想。小澤征爾➜ボストン響➜オルガン付き➜シャルル・ミュンシュと連想したとき、ミュンシュの、終楽章の、CDが割れんばかりの迫力を思い出し、この曲に関しては師の背中は遠いんだなぁと思いました。ただ、品が良くて流麗な演奏は小澤征爾ならではでしょうし、フランス国立管弦楽団の良さも出て切るのではないかと感じます。各楽器の音が鮮明で、ホール感を出すよりは、その方に比重が置かれた録音なのでしょう。管の腕自慢が多いフランスのオケの良さがしっかりと表れていて良いと思います。
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漸く手に入ったと思ったら昨年再発されていたのですね。それはともかく、カラヤンのチャイコフスキーはヤッパリ良い。全曲力が籠もっていますよ。後期3曲は評判の71年盤LPレコードで馴染んできましたが、それと比べても、わずか数年後の再録ながら、カラヤンの円熟を感じさせます。とりわけフォルテの鳴らし方、71年盤は力任せに鳴らしているように聞こえてしまいますし、テンポの速い部分では、焦っているように聞こえる箇所も耳につきました。特に4番の3、4楽章と5番のオーラスです。1〜3番も好演、少しテンポを揺さぶって土俗性を打ち出したりして。西洋流儀の洗練一辺倒にしない配慮は、流石カラヤンと思わずにはいられませんでした。録音もフィルハーモニーのゆったりした響きが反映されていて聴きやすいと思いました。
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評判の悪かった旧音盤(LP含)を聴いていませんが、この音質には◎を点けましょう。奥行きもあり特定の管が目立つようなアンバランスもありませんし。クナのワーグナーは想定したよりもいきいきしていて、パルジファルやローエングリンのように静謐が支配的な曲でも楽しめました。私この手の曲は退屈するタチなんですけどね。クナの指揮では細やかながらも脈打つ鼓動を感じられるのです。マイスタージンガーは初速の速さに驚かされましたが、気がつけば後半はクナらしいゆったり、ですが、そこまでの流れは実に自然。言うなれば、クナの魔法が存分に発揮された噂どおりの名盤、てなわけです。ワーグナーに関心の無い私でも、買って良かったと実感しています。
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マゼールにしては、相手がウィーンフィルなので、少し主張を抑えたのかもしれませんが、盛り上げ方やテンポの変化など指揮者の味付けに不自然さを感じさせないブル5でした。スンナリと心に入ってくるような気がしました。ウィーンフィルの金管、芯の強い柔らかさで、最終楽章のフーガがとても美しく響きます。マゼールのブル7ブル8も聴いてみたくなりました。相手はベルリンフィル、どのように振る舞っているのでしょうか。録音も、ほどよくホールトーンが聴こえて、私には聴き易い音でした。
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まるで一級の弁士による活動写真を観ているよう。盛り上がるところではところはグッと力を込めて熱く語り或いは優しく耳元で囁くように語り、はたまた、ト書きとすべき下りでは冷静かつ簡潔明瞭にあらすじを語る。実に面白い“幻想”でした。言わんとすること、つまり指揮者がのめり込み過ぎていないのが良いのです。作曲時、恐らくベルリオーズは冷静だったのでしょうから。録音も抜群の鮮明さ。音の奥行きもあって聴いていて爽快です。シベリウスでは、今ひとつしっくりこなかったように思われましたが、私には、これで名誉挽回と受け止めます。
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秋山和慶、とうとう実演に接することができなかった。このCDを聴いてそれをとても残念に思った。チャイコフスキー後期3大交響曲集もことのほか良くて感じ入ったが、このブラームス交響曲全集はさらに素晴らしい演奏だった。実況録音だから素人が聴いても判るキズはあるが、聴き終わるとそんなことはどうでも良くなる。オケと指揮者が完全に一体化した白熱の名演だ。とは言え、力が籠っているだけではない。ブラームスらしい哀感やしっとりした肌触りも要所要所で表出されている。秋山和慶、恐るべし。 で、星一つ落としたのは、彼の責ではない。録音である。並の古いステレオで聴いているが、そのせいでも無く、左右のアンバランスが聴き取れるのだ。
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まだ1回しか聴いていませんが、「良いなぁ〜。」と思いました。楽器の音が明瞭に聞こえる録音だし、1音1音に魂が込められたようなヴァントが導くベルリンフィルの演奏、感じ入りました。買って良かった。
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「威風堂々」は噂どおりの快速基調ですが、トリオ部分は比較的穏やかに進めているので、曲全体にメリハリを感じます。快速でも、旋律美を損なわないようオケをしっかり歌わせているのは、さすが才人バレンボイム。「コケイン」は、逆に、ゆとりを持ったテンポ感で進み、抒情性すら感じさせます。そこは、同じゆったり系でもバルビローリとは異なるところ。フォールスタッフは、なかなか面白い曲。コミカルな部分と劇的な部分の対比が明確で、これはもう交響詩に他なりません。 さて、音質。70年代前半の採録のせいか、ホール感豊かでもなく厚い響きでもありまん。ただ、各楽器のことは明瞭です。
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アリス紗良オットのピアノが好きで、このアルバムも早速購入しました。ジョン・フィールドにも、ノクターンの始祖と聞いていたので関心が無いわけではありませんでしたし。 しかし、ジョン・フィールド、幾度聴いてもなかなか馴染めずにいます。私が、フィールドの曲の性向と合わないのかもしれません。こんな例えは荒唐無稽と叱られそうですが、WAモーツァルト“音楽の冗談”思い起こしてしまう曲もありまして……。雰囲気の良い曲ばかりだとは思いますが、そういうわけで、今一つ曲の核心に入っていけない戸惑いを覚えています。
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シェルブールは交響組曲というよりは交響詩のようです。映画の中のさまざまなシーンの楽曲がコラージュの如く切れ目なく繋ぎ合わされて、最後は、かの有名な旋律で華々しく終わる。恋人の方は、バロック時代の合奏協奏曲をモチーフにした曲のようですが、なかなか面白く聴くことができました。ピアノのグラマラスな響きが印象に残ります。録音は、少し近めの音場設定でホール感は薄いですね。
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ラテン系の軽やかであっけらかんとしたワルツを期待したら大間違い!しんみり、ねっとり、しみじみ、のオンパレードでした。しかし、後半のナザレー編などは期待に違わぬラテン系の佳曲が続きホッとしました。
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諸井誠氏の名著「交響曲名盤100」では、自身の聴いた実演と比較し、このLP盤を“(実演で聴いた)あの迫力は無い。残響無しの録音のせいもある。”と延べ、推薦リストに掲載していませんでした。しかし、どうでしょうか、SACD盤で聴いたら。私は、SACDで初めて接しましたが、残響こそほとんど聴かれないものの、スピーカーに貼り付くような乾いた音ではありませんでした。残業の有無は、意識する必要はありませんでしたね。演奏じたいが素晴らしいせいでしょう。強弱の幅が大きく、響きは厚く、処々でテンポにも変化を持たせ、と、クナ・ドライヴが演奏に染みわたっている。先の、下野広響の同曲とは好対照に聴こえます。 それにしても、両盤とも世では名盤名演奏、タワレコの支援の賜物でしょう。引き続き、このような名盤の復活を図ってもらいたいですな。
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やっぱり、小澤征爾を聴くなら60〜70年代ですよ。マラ1も、青春譜と言うに相応しい情熱的な演奏。ボストン饗をぐいぐいドライブして一気に駆け抜けたような、一種の爽快感もあります。 後年のマラ1も素晴らしいのですが、この盤のような青春譜としての情熱は感じられません。
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諸井誠の名著「交響曲名盤100」では、ブルックナーの交響曲の中で、6番は特異な曲と位置づけられている。この曲を初めて聴いたのは、それを読んでから20年以上後のことだが、一度で特異な位置づけが納得できた。6番を着想したときのブルックナーの置かれた環境、如何なるものであったのか。前後の交響曲を聴く限り想像し難いが、もしかしたら、気力体力とも最も充実した時だったのかも。 それにしても、下野広響コンビは、この曲にうってつけだと思う。構築感を損なわない安定したテンポと、厚さ豊かさよりは、透明感や清涼感を重視したような響き。ブルックナーを得意とした巨匠たちの音盤を聴き直すと、随分と厚化粧に思えてしまう。 諸井誠に還って、6番を、例えて“野に咲く一輪の花”(だったか…?)、下野広響の演奏を聴くと、それをしみじみと感じる。
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これで下野広響のブルックナーが終わるのか?客演でも、残り2、3、9を演ったらどうだろうか。 この8と1も良い演奏でした。実演でここまで演れるのですから、修正を加えて双方理想の記録が残せるスタジオ録音だったらどんな名演になっただろうかとも思います。 カラヤン、ヨッフム、シューリヒト、ヴァントなど世に評判の名盤に比べると響きは薄めですが、逆に、それがピュアにブルックナーの声を伝えているような気がします。それに、厚い響きを重視していないため曲の骨格も、しっかり立っているように思えます。 録音は少々金管が前に出て着るように聴こえますが、好みの問題と捉えれば、私には◯。もう少しホールの響きは欲しいところですが…。 タワレコも、よくこの企画を継続してくれました。有難うございます。
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ステレオ最初期の録音とは思えない良い音。各楽器の音が明瞭に聴こえて、それでいて、ホール感も現れています。レコードや通常のCDとは比較していませんが、SACD化でどれだけ音質が向上したのか、興味津々です。 演奏も素晴らしいですよ。各奏者が生き生きと演奏しているように思えます。旋律の歌わせ方も、甘ったるくなくて聴き易い。ただ、前奏曲が無いので、星を一つ落としました。私は、あの前奏が好きなので。弾むような出だしと中の哀愁とのコントラストがね、好いのですよ。 ビーチャムなら、後はディーリアスとハイドンが高音質化されても良いですね。
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ステレオ初期のデッカらしく、ホール感又は音の広がりよりも各楽器の明瞭な響きに重きをおいた録音ですね。そして、演奏がウィーンフィルのためでしょうか、印象として明朗で伸びやかな「悲愴」です。透明感に満ちていると言っても良いでしょう。ロシアらしさに欠けると言えばそのとおりですが、西欧志向の強かったチャイコフスキーですから、このような雑味の少ない演奏も良いと思います。当初から評判の良い音盤ですが、十分に納得しました。
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オネゲルは掘り出しもんでした。不協和音はあれども、交響曲のようなキツさはありませんから、オネゲルの中では爽やかな曲と言えましょう。“幻想”は、随分とゆったりしたテンポの演奏。私は、ミュンシュPOとパレーDSOが好みなので、少し間延びしているように聞こえてしまいます。しかし、曲の輪郭が分かるという特徴は見逃せません。群響は優秀、四半世紀前もかなりのレベルに達していたのですね。 音質も良し。高崎文化セの心地良い響きが捉えられています。
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前評判どおりの素晴らしい音盤でした。LPレコード時代に1300円のシリーズを数枚聴きましたが、音質は感心できませんでした。その印象が強かったので、CDが浸透しても、セルには手が伸びませんでした。しかし、ドヴォルザークにせよ、ベートーヴェンにせよ、高音質化で見透しの良い音に向上し、がぜんセルへの関心が高まり、少々苦手なブルックナーにも挑戦したしだい。それにしても、磨かれた音でしっかりと構築されたブル3ブル8のなんと崇高なことでしょう。威圧されることなく、退屈することなく、ブルックナーに浸ることができます。タワレコの新企画には、引き続き期待しています。
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“声”に関心のない者としては、このような機会でないと、黒人霊歌を聴くことはありません。しかし、歌詞無しで聴いても、けっこう聴ける曲があるなぁ、と思いました。ミュージカルはマントヴァーニやメラクリーノなどで親しんだ曲が多く、BGMとしても楽しめました。他の演奏と比較しようがないので、若き小澤が云々とは言えませんが、ことのほか合唱は力があって綺麗に聴こえます。小澤の力でしょうか。音質は、合唱団がスピーカーに近いところで歌っているように聴こえます。私好みの音作りではありませんが、鮮明ではあります。 それにしても、良い企画です。タワレコに感謝ですよ。
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懐かしい音盤です。“ライン”は「カラヤンが後継候補に指名!」した指揮者と、かなり話題を振りまきましたね。その後、続々発売されたマーラーを聴きましたが、ここに収められた4曲も熱の入りようはマーラーと同じ。手に汗握る好演ばかりです。 音質はSACDでも、良く言えば旧EMIらしいまろやかな音、厳しく表現すると少し霧のかかったような音。好みの問題とも言えましょうが、私には苦になりません。コスパ、という点では、物足りなく感じる向きもいるでしょうが。
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SACDで聴くと音の奥行きと広がりが違いますね。CDでは、ホールの響きに埋もれたような音でしたが。それだけに、マルティノンという指揮者がタカ派だったことに気付かされました。マルティノンのラヴェルは輪郭をくっきりとさせ、メリハリをしっかりとつけています。CDで聴くクリュイタンスに比べると、かなり先鋭的または現代的な表現ですよ。同じフランス出身でも、マーラーやショスタコなど近現代の作品を積極的に取り上げてきた指揮者らしいと思います。
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想定したよりも迫力のある“惑星”、ボールトの思わぬ一面を見たような気もするが、実はこれが本性なのかも。70年代から80年代の“惑星”ブームでは、メータ、小沢、レヴァイン、カラヤン(再録)、ショルティ、マゼルなど若手からベテランまでこぞって録音した。私もブームに乗ってLPを買いに買った。その中でボールト盤は、新盤(再録)とも地味な存在だったようで、私の購買対象にならなかった。しかし、今ここで、それが誤りであることに気付いた。この旧盤の前ではあらゆる盤が霞む。新盤は聴いていないが……。 録音も、おそらく見違えるほどリフレッシュされたのだろう。ホール感をしっかりと聴き取ることができる。
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あの当時、週刊FMだったかな、最新録音情報欄の“ベームLSОのチャイコ”に、???。独墺もの専科がベームだと思っていましたから。だから、とてもとても買う気は起きませんでしたね。“新世界”も同じ。失礼ながら、ベームも老いて迷いが生じたかと思いました。 しかし、今ここで聴くベームのチャイコは、当時の私の思い込みが如何に青臭い固定観念であったか思い知らせてくれます。チャイコらしい演奏か否かの評価は、聴く人それぞれが下せば良いでしょう。私は、ベームのチャイコをとても面白く聴くことができました。カラヤンでも、レニーでも、モントゥーでも、ムラヴィンでもない、ベームのチャイコとしか表現しようのないチャイコです。 アナログステレオ末期の録音なので音も良いですよ。適度なホール感が聴き取れて、LSОの響きも美しいし、各奏者のソロも優秀です。
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以前さる音楽評論家が「煮ても焼いても食えない」と評していた“英雄”と7番、どうしてどうして、何れもベームの差配が隅々にまで行き届いた名演ではありませんか。ベルリンフィルの音も良く、管のソロも大したもの。ブラ1も、同じ。これは、音質を45年前に買ったLPと聴き比べましたが、見事に音が開放されていて別の録音のよう。恐らく、英雄も7番も同じ改善が為されているのでしょうね。 掛け値なしに、買って良かった、SACDを聴くことができて、本当に良かった、と実感。ベームという指揮者の力をしっかりと聴き取ることができたのですから。
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素人考えですが、マケラの求めることをオケが十分に表現しきれていないのではないか。マケラ氏は、もっと思い切った表現を試みようとしていたと思うのです。ただ、両曲とも尻すぼみに聴こえるのです。シベリウスは、カラヤンやオーマンディのような洗練された華やかな表現を望んていた。と、いうか、これの曲からそのような要素を最大限引き出すことを望んていたのではないか?マケラ氏は、それを望みながらも、オケの限界を悟っていたように思われる。録音にも、もう少しホール感が欲しかった。
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とても良い演奏です。ライヴ収録なのに音も良いです。 クナとはまた別次元の遊びをチェリが繰り広げています。厚くとも透明感のある響き、ゴム毬の如く弾むリズム、ビシッと整ったアンサンブル、と、これだけ書くと堅苦しそうでしょうが、全くそうではないのです。ウィンナ・ワルツファンやチェリのファンならずとも、一聴をお勧めします。
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期待が強すぎたせいか、星5を付す気にはなれませんでした。ブルー9やベト7など、構築感を崩さずに随所にカンタービレを利かせた稀有な名演を聴かせたジュリーニだから、さぞかしマラ1では、朗々と隅々まで響き渡る青春譜を聴かせてくれると思ったのですがね。終楽章で、ようやく本領発揮ですから、私には少し物足りない。SACDで聴きましたが、弱めの残響が心地よい優れた録音だと思いました。
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LPレコードで聴いていた時分は、バーンスタインやクレンペラーに比べると平凡な演奏に聴こえたが、SACDで聴きなおして、実に豊かなうねりをもった演奏なので驚いた。これぞ“ロマン派”という印象。クーベリックは各曲に細工を施していないと思いますが、オケはよく鳴っています。やっぱり、指揮者の力量がものを言うのですね。 音質も、LPレコードよりもずっとホール感を覚えます。さすがSACD。
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最近購入したユジャ・ワンVSドゥダメルを上回る名盤です。SACDで聴きましたが、音も実に生々しい。ワイルドは変幻自在のテクニシャンで唯我独尊という感じ。ホーレンシュタインは、それを見越したように、盛り上げる場面ではオケに思い切った拍車をかける。これ、スタジオ録音ですよね? 1番と4番も、そのせいか、随分と立派な曲に聴こえます。
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オケがビンビン鳴ってメリハリの強いブラームス。私は、気に入りました。ブラームスの内に秘めたパッションを、小澤の敏腕がうまく引き出したようです。いやぁ、見事みごと!各奏者もうまいですね。この音盤、パートやソロを聴く楽しみもありますよ。
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その昔、キングレコードが1枚1,300円の廉価版“GT”シリーズで再発したとき、宣伝チラシに「火傷しそうな熱い演奏」と評されていたと記憶します。実際、初めて聞いて、その評を思い出したのです。要所要所で聞かせるエッジが強いので、慟哭の惜別という雰囲気です。レクイエムらしいかどうか、私には何とも言えませんが、古い年代のものにしては流石に音はシッカリしていて、幾度も聴きたくなるような説得力のある演奏だと思いました。
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先日ドライブ中にNHK-FMで偶然聴いたのが大橋純子の特集。 “シルエット・ロマンス”しか知らなかったので、“鍵はかえして”“ペイパー・ムーン”を耳にしてビックリしましたよ。歌唱力の高さは知っていましたが、これほどだったとは! 70〜80年代を懐かしく思い出すメロディーと伸びのある大橋の歌唱に浸っています。
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このシリーズ、演奏といい録音といい高水準なので、この先がとても楽しみです。当盤の3曲は、磨き上げた鋼のよう光輝な高音と安定して豊かな低音が、心に響きますねぇ。変に感情移入がないから、そうした音がダイレクトに響くからでしょうな。コルンゴルトのセレナードは、特に訴えかけの強い曲。1度実演で聴いてみたいと思いますよ。
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商品紹介文にある“ベルリンフィルの極上の響き”、まさにそのとおりです。弦の美しさと艶、木管の晴朗、金管のふくよかさ、とベルリンフィルの美質がいかんなく発揮されていると思います。しかし、それを導いているのは、他ならぬケンペですよ。リズムが安定していて、強弱の表現を煽らない、落ち着いたリードですが、それによってベルリンフィルの奏者は思い切った自己表現ができているのだと思います。しかし、ケンペの表現は落ち着いているだけではない。極端にスローな第1楽章の後に、シッカリと三拍子を刻んだ第2楽章ワルツを聴くと、何と艶美な舞曲になることか。第3楽章の、強めのオーボエとコーラングレは恋の鞘当てのよう。そして、最終楽章の鐘。梵鐘のような低めの音は、まさに黄泉の国の響きであり、作曲者の注文どおりの響きではないか?と、いうことで、一挙に3度繰り返して聴いてしまいました。音質も、録音が古い割には、結構クリアで、教会特有の残響も程よく聴こえてきます。
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素晴らしいラヴェルです。ラヴェルの曲には、国境は無いですね。“ㇻヴァルス”の素晴らしいこと。西仏両国の血が流れる男が、19世紀半ばのウィーンをイメージして成した曲を、英国人と英国のオケが、実に見事に奏でている。一寸、今までに聴いたことのないヴァルスですが、それは違和感ではなく、新たに見出した道筋です。マ・メール・ロワも、ボレロも同じ。録音も素晴らしい。
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良いですねぇ。初見参の曲が多くて、しかも、“旋律家”弟ヨーゼフがふんだんに盛り込まれていて。録音も良い、ホール感があって。ヴェルザー=メストの解釈は、一寸凝りすぎな面もあるけど、それはオケがシッカリほぐしているように思えます。
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前評判のとおり、ロウヴァリは優れた指揮者になると思います。全体を通じて感心したのは、余裕を感じる指揮又は曲づくりです。恐らく、曲の全てを手中に収めているからでしょう、テンポの変化、間のとり方、アクセントの付け方、ロウヴァリ流の味付けが分かるのですが、曲の流れに自然に乗っているように受け止められるのです。これこら、既出の盤も聴いてみようと思います。音質は、ライヴのアルペンとツァラは褒められたものではありませんが、奥行きと明晰さは感じられるので、まぁ良しとしましょう。
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良い演奏でした。ドヴォでも書きましたが、セルが“冷たい”とは、一体誰の評論?縦線がピシッと決まっていて、それでも、管楽器はノビノビと吹いています。弦は、随所で目一杯美しく弾かれています。それが、セルの、ベートーヴェンの交響曲に対する思いでしょう。十分に熱い名演奏ばかりてすよ。録音も、高品質のイヤホンで聴くと、奥の深さ行きとホールトーンの美しさに一寸驚きます。
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少々難しい作曲家ですね。環境音楽とするには仄暗いし、構えて聴くにはホンワカしている、と。エッシェンバッハの導きが優れているせいか、オケも、管のソロを始め良い響き。しかし、曲が胸に迫ってこない。幾度も、じっくりと聴き込めば、印象は変わるかもしれません。この時代の作曲家、本当に難しい。
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“斬新珍奇”と言うと否定含みのようだか、ざっと曲目を眺めたときに浮かんだ言葉が、これ。しかし、さすがロト、聴かせてくれます、楽しませてくれます。まず冒頭、キャバレーワルツでガツンとやられます。そして、続くワルツやポルカも、現代のドラマや映画でも通用しそうな軽快さと美しさ。大半が谷間に咲いた可憐な花としておくには、勿体無い気もします。これも、ひとえにロトの知恵と技なのでしょう。このアルバムでは、“スケーターズワルツ”や“天国と地獄”のような人口に膾炙した名曲がスパイス役ですね。ただ、欲を言えば、録音にもう少し残響がほしかった。シエクルの音じたいが古雅なので、曲の特性に照らすと、もう少しゴージャスな雰囲気があっても良かったのではないかと。それを、録音でカバーしてもらいたかったと思うのです。
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ロベルトの方は、とても良い共演だと思いました。ラナもネゼ・セガンも彫琢が丁寧で曲の襞までがハッキリわかるよう。ラナのピアノはかなりのマイペース、テンポや強弱は変幻自在で奔放。しかし、セガンのバックはしっかりとラナを支えている。それでいて、オケの存在感は全く薄れない。むしろ、ラナと対峙するような木管のソロなど、つい聴き惚れてしまう。素晴らしい名盤の誕生!録音も、音が近めながら、ホール感は失われていない。一方、クララの方は、文献的な価値に留まるという印象。ロベルトの曲とペアで幸せだったのか……。
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ライナーノート記載のとおり、アントルモンへの誤解を解く熱演でした。若き小澤征爾のパッションのほとばしりも素晴らしい。買って良かったと思います。オケもピアノも音が近い録音で少しと驚きました。
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Pカザルス指揮によるこのシリーズは、録音有史における至高の宝物だと思います。一級の演奏家又はその有力候補者たちが、カザルスを一点に見つめて、一心不乱にJSバッハを奏でる。各曲から、この直向きさや熱さが直につたわって来ます。音質も、恐らく十全の環境ではないにも関わらず、奥行きがあってみずみずしい響き。
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想像したほど音質が向上していなかったので四ツ星。私には、この盤は、LPレコード時代からオイストラフの奇麗でコシのあるヴァイオリンを聴く演奏と認識しています。Oクレンペラーのバックが、思ったほど重量感が無いのと、スピーカーに貼り付くような音が難点と思っていましたが、音質面では、さほど改善されていませんでした。しかし、オイストラフのヴァイオリンはセル盤よりもノビノビとしているように感じられます。
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とても良い演奏ですね。全ての奏者がPカザルスの姿だけを見て、一心不乱に弾いている、吹いている、叩いている。それでも、ベートーヴェンほど演奏が盛り上がってこないのは、WAモーツァルトが古典派だからでしょう。古典派の鋳型は、情熱や熱意だけでは、乗り越えることはできません。しかし、40番の熱い疾走、39番の我を忘れたような抉り、41番の大胆な奔放さは、眼前に迫ったロマン派を思わせる。指揮者も演奏者も“天晴”です。録音も、予想したほど悪くない。ライヴとは思えない奥行きがあります。
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何れも中継を観ましたが、そのときは、さほど惹かれませんでした。なので、あの時の印象を確認しようと思いたち、音盤を購入し聴きました。結果は、同じです。Cクライバーは、“こうもり”は生き生きとして素晴らしいのに、私には、個別のワルツやポルカは味わいに乏しくて単調に聴こえるのです。ただ、会場の楽しそうな雰囲気は伝わってきますから3点献上しました。
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モシュコフスキは旋律の美しい聴きやすい曲でした。大きく構えたところが無いので演奏機会に恵まれないのでしょうが、鑑賞には十分値する佳曲だと思います。一方、パデレフスキの方は第1楽章の途中で辛くなってしまいました。失礼な喩えですが、ウケない芸を一所懸命に続ける芸人を観ているようで…。しかも、フィナーレ近くで音飛びが発生!見ると、盤面にキズがありました。これ幸いと、先を聴くのをやめました。
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