メンバーズレビュー一覧

クラウス・テンシュテットLIVE 第1集 / クラウス・テンシュテット、他

 マーラーの1番はEMIレコーディングの翌月の放送録音で、かっちりとした演奏技術を持つオケとのぶつかりあいで生れるたテンシュテットの中では定評ある快演です。テンシュテット同曲の中でも、2楽章の闊達さや4楽章の振幅の大きさ等は素晴らしく、当盤と比べるとシカゴは固いし、晩年のロンドンフィル2演奏(BBCLegend、ロンドンフィル自主盤)は、やはり崩れているしオケの限界も感じます。
音質的には、First Classic盤とは劇的な差はなく、アナデジの機器進化の分だけ、エッジが少し丸まってた分が、微妙に解像度が上がったかな、という感じです。いずれも変な調整はしていない、ということでしょうが、期待してたので、ちょっと残念です。
 80年前後のNDRとの演奏では、マーラー2番、ブラームス1番、ブルックナー8番も、素晴らしい名演で愛聴盤なので、音質微改善でも、お布施と思って買うので、リリースしてほしいところです。

0

商品詳細へ戻る

fukuwanさんが書いたメンバーズレビュー

  • 1

(全27件)

▼この時期のDECCA/PHILIPS録音は、ポツリポツリとCD化されてきたのを丹念に集めてきましたが、初CD化はありがたいです。
差んっかうバロックでは、近代オケの豊かな響きで、古楽器がはやる前のせかせかしないが、端正にまとまっていて、あまり古さを感じさせない、(しかしもはや演奏されないスタイルの、)ある種のスタンダードな演奏と思います。
▼モーツァルトも基本的に同じですが、別段に引き締まった楷書の演奏、という感じです。モダン楽器でさっそうと引き締まった演奏は25番にピッタリでCD化されていますが、併録の29番ともども収録されていないので星4つ。愛の無い企画ですね。タワーでSACD出してほしいな。
▼CD12以降のDG録音の曲群は、ダイナミックで切れ味もよく万全な秀演で、この時期は70年代以降のものより素晴らしいですね。こちらは様々にリイシューされて入手も容易なので、DECCA、PHILIPSのコンプリートにしてほしかった。

1

このセットは、CDとしては入手は難しくなっていたので、このところの独自企画のクーベリック推しの中でも、良い盤に光があたったと思います。特に器楽交響曲の、5、6、7盤は、劇的さと技術的な出来栄えと合わせて、正統派の名演であり、各曲の代表盤になるものだと思っています。
一方で、AUDITEとリマスタに係る交渉されたことに言及されており、再プレスとなったのは極めて残念ですし、音質にこだわるなら、8番もCDですが、AUDITEからはSACDもリリースされていたで何とかならなかったのかと。また、AUDITEからはカーゾン&クーベリックの協奏曲3枚も、超名演なので、そちらも企画していただければ。。。

3

 マーラーの1番はEMIレコーディングの翌月の放送録音で、かっちりとした演奏技術を持つオケとのぶつかりあいで生れるたテンシュテットの中では定評ある快演です。テンシュテット同曲の中でも、2楽章の闊達さや4楽章の振幅の大きさ等は素晴らしく、当盤と比べるとシカゴは固いし、晩年のロンドンフィル2演奏(BBCLegend、ロンドンフィル自主盤)は、やはり崩れているしオケの限界も感じます。
音質的には、First Classic盤とは劇的な差はなく、アナデジの機器進化の分だけ、エッジが少し丸まってた分が、微妙に解像度が上がったかな、という感じです。いずれも変な調整はしていない、ということでしょうが、期待してたので、ちょっと残念です。
 80年前後のNDRとの演奏では、マーラー2番、ブラームス1番、ブルックナー8番も、素晴らしい名演で愛聴盤なので、音質微改善でも、お布施と思って買うので、リリースしてほしいところです。

0

ボールトの代表版であるこの惑星の録音は、SACD、ハイレゾDL含めて所持しており、今回は、義務的な感じも含めて、一応購入したのですが、音質改善の度合いに、ちょっと驚きました。鮮明・ダイレクト。ベールが剥げて、ダンゴがほぐれて。中低音の楽器の質感や、何より、プレゼンス、目の前で演奏している感が、全く違います。すごいです。旧録と合わせてもリリースした中の人の判断に感謝します。
一方で、当録音の私の評価として、ロンドンSOの力もあって、近代的で明晰な演奏になった一方、フィルハーモニアと旧録音での英国音楽のスタイルが消えてしまったことや、メカニカルにはもっと新しい数々の近代的優秀演奏の方が良い部分もいろいろ感じる、という中間の、よく言えばいいバランスの演奏という点も再認します。エニグマも最高の演奏なので、併せてGoodです。(RVWもリリースしていただきましたし、このコンディションでエルガーの交響曲も是非)。

0

ボールトの録音は、WW2以前のものを除けば、ほぼ網羅して所持していますが、惑星をボールトで聴く醍醐味を一番感じるのが、当録音です。惑星は、SFチックなイメージもありますが、ホルストの数々の楽曲では、イギリスの風土、音楽の受容を感じさせる数々の曲群があります。そのホルストの曲、であるところを最も感じさせる演奏が当録音です。テンポの運びや、縦線の拍の揃え方とか、緩い曲での各楽器のフレージングや和音の作り方等、手兵のロンドンフィルでなくフィルハーモニアなのが、スタイルでの演奏になっているのかもしれません。ロンドンSOの特質とともに明晰で近代的になった最後の録音には感じられない名演です。音質は、エソ盤と比較して、あちらの方がちょっとあたたかみがあるかな、という気もしますが、目の前で演奏している実演感が上、解像度は全体に高く、あちらを聴きなおすことはないでしょう。

0

私にとってグルダのベスト。一言で言えば「天才」。「モーツァルト」イメージと反対の強いタッチで、かつ微塵の荒さもなく一音一音が粒立ちながら逡巡無く進む。それでいて、どの一瞬をとっても「モーツァルト」としか言いようのない「音楽」が閃いている。ある種の「究極」の演奏。78年の録音。DGから蔵出しプライベートのゆるい録音が全集になってしまい当盤は日陰に。SACD希望!

0

かつてDMLから30組コーガン大全集が出ていましたが、今はまとまってリリースされません。ここに収録されている、51年のハチャトゥリアン、59年のショスタコ、プロコフィフ、ヴュータンは絶品、スゴイです。60年のメンデルスゾーン、59年のブラームスも、他録音より好きです。ここにないベルクの協奏曲も凄いです。ショーソン詩曲、ラヴェルのチィガーヌ、ワックスマンのカルメン幻想曲も別途探してください。

0

この練習曲は我が家ライブラリでも「別格」の演奏記録数枚の一つ。真珠のネックレスどころか、一音一音が粒だちながら、うねる鎖の様に連なる。剛柔の振幅凄まじく、弱音の繊細な呼吸と表情。機械的にならず、左右別の呼吸でルバートしながら全体で生き物のような音楽を作る。革命なぞ、ここまで表現できるものかと驚く鬼神の演奏。淀み、ためらい、吐露する別れの曲。60年代までのリヒテルを蒐集しているがショスタコも名演。

0

都合で行けず、後の引退表明で大ショックだったので、感激のサプライズリリース。F=Dは89年来日ではヘルとのリートはラジオで(エアチェックし、詩人の恋は当時毎日必ず三回以上聴いていた。エラート版に近いがフレージングに違う表現あり。)、サヴァN響とのマーラーはTVで(バレンボイムBPOより生々しく表情含めてこの上無い感銘度)放送されたので、その辺もどこかからリリースして欲しい。

0

テンシュテットの絶頂は東独から亡命した80年頃。NYPとのマーラー5も壮絶だが、NDRとの数々の放送録音では、精度の高オケを極限の緊張感で追い込んだこの世ならざるパフォーマンスを聴かせる。首席指揮者として名演を残しながら短期間で決裂したのは、安定した放送オケのシェフとして受け入れがたい激しさからだろうか。NDRとの極め付きであるブラームス1、ブルックナー8、マーラー1、2もリリースしてもらいたい。

0

月光は、重点を1楽章でなく3楽章に置いた変則的な幻想曲風ソナタで、自分が一番多く聴くのはこの演奏。ピアニズムに陥らず知情意のバランスが取れ自然な音楽を聴かせる。昨今は、1楽章が神妙過ぎで停滞、3楽章は技術とパワーを見せびらかして曲を破壊する演奏が多い。当盤は、3つの楽章のテンポ設計、各部のリズムや表現等、全体構成が非常に良い。他に無い納得感。特に3楽章。技術的に最高ではないが不満でもない。

0

65年に比べリリースが少ないが、同曲異盤の多いこのコンビでも、その特質のピークがこの72年。チャイコもベストだし他も必聴。引き締まったオケの精度、緊張感、タイトでいて激烈。聴く身を切り裂かれる厳しい音楽。65年以前はこの精度と緊迫感はなく、80年ではゆるみも出てくる。いずれもビクター盤やプラハ盤より優れた生々しいリマスタで、初出時平林氏も絶賛。既出SACD版も2枚で全曲入りで良心的。

0

65年に比べリリースが少ないが、同曲異盤の多いこのコンビでも、その特質のピークがこの72年。チャイコもベストだし他も必聴。引き締まったオケの精度、緊張感、タイトでいて激烈。聴く身を切り裂かれる厳しい音楽。65年以前はこの精度と緊迫感はなく、80年ではゆるみも出てくる。いずれもビクター盤やプラハ盤より優れた生々しいリマスタで、初出時平林氏も絶賛。既出SACD版も2枚で全曲入りで良心的。

0

ドヴォ7はモントゥー有数の名演。旧弊な表現をすれば極めて男性的なソリッドな演奏。管楽器も巧みで当曲の代表盤。マッシブな迫力の1楽章。ソノリティバランスの巧みな2楽章。淀みなくダンディな足取りの3楽章。音型の崩れも無くたたみかける4楽章。8、9番の様な歌謡性が要らぬ7番ならでは。CDはベト7カップリングでHISTORICで出た後、OriginalMastersのBOXにも無く、有り難いリマスタ。

0

再現芸術としての演奏に「完璧」という言葉を使って良いのなら、それは当盤のためにある。バラード、スケルツォは、ショパンによる、ピアノで演奏することを突き詰めた楽曲が、ここまで「欠けるところ」なく音として再現されることは無かろう。マズルカもクールなタッチだが、不思議なほどに音楽的滋味が感じられる。この演奏を聴くと、ヴェデルニコフ、リヒテル、ポリーニ等でも「個性=癖」「余すところ」がある、と感じられる。

0

デッカでのLSO無声4曲はモダンオケによる最高の演奏。9もそれに近い。特に5と7は、これぞベートーヴェン! C.クライバーの煽るような様な「ノリ」の熱演と比べて欲しい。それ以上の音楽の勢いと盛り上がりが、カッチリとした完成度の上に成し遂げられていることに圧倒される。VPOでは、3番1楽章コーダでペットにしない程楽譜通りでも、全体に表情の処理がオケの慣習でこなされて指揮者の意図が徹底しきれず残念。

0

いずれも楽曲の1stチョイスと言わぬが、深々とした響きを捕らえた優秀録音で、VPOならではの演奏を楽しめる一枚。ブイドロのソロの独特の音や、揃いすぎずに異なる楽器の掛け合いが楽しめるひなの踊り。再盤がブレンデルのピアノ盤とのカップリングだったため、当盤で復活した入手難のラヴァルスも面白い。自然とウィンナワルツ風のリズム感でラヴェルらしからぬ独特の味わい。

0

演奏、狙った録音とも、渋いカップリングで出しただけのことはある名盤。後の家庭交響曲や協奏曲より、テラークでの素晴らしいセットに近い肌触り。メインに据えたメタモルフォーゼンは、ばらの騎士にも通ずる柔らかくしなやかなな響き、自然な呼吸で伸縮して生き物のよう。これを聴くと、他の多くの盤は堅かったり細すぎたり、正直ついでなのか、と思われてしまう。傷病兵の仕事場からも貴重。

0

私にとってグルダのベスト。一言で言えば「天才」。「モーツァルト」イメージと反対の強いタッチで、かつ微塵の荒さもなく一音一音が粒立ちながら逡巡無く進む。それでいて、どの一瞬をとっても「モーツァルト」としか言いようのない「音楽」が閃いている。ある種の「究極」の演奏。78年の録音。DGから蔵出しプライベート録音での全集が出たため、当盤は03年を最後に再発されていない模様。もったいない限り。

0

ローマ三部作は、曲の構成、管弦楽法、演奏技術自体は派手なのだが、曲の近代性か技術的難度のせいか、思い切って派手な表情付けの演奏というのが、実はあんまり存在しない。このレスピーギはホルスト惑星(の前半)と並ぶ、あまり注目されないバーンスタインのお楽しみ録音。ケレン味たっぷりで、特に「祭り」の最後は、溜飲が下がるとはこのこと。紹介文書いたタワレコ担当者さん、思い入れっぷり理解できますよ。

0

ピアノ曲を愛する人必携。自作自演はもちろん、指揮した交響曲も無比の決定盤。演奏のみの曲も名演揃い。ヴィルトゥオーソ芸人とは別世界。曲種に応じた「べき」のグランドマナーを踏まえているが、雰囲気でなくきっちり弾いて大時代な感じではない。自然な呼吸で端正なタッチでいながら、曲に応じた的確さでの多彩な表現の色合いやリズム感に驚く。これに比すれば多くの演奏家がいかに無駄な表情付けをしていることか。

0

ブラ1は屈指の名盤。冒頭からして常ならぬ迫力、緊張感。この以前ならブレンデル・アバドならLSOだったろう。83年のブレンデル・レヴァイン・CSOベートヴェンライブ全集が企画として当った。それを受けた当盤ブレンデル・アバド・BPOの組み合わせだからこその、各者のここに掛ける意気込みが音になって記録されている。時期を空けてしまった2番は普通のブレンデル、普通のアバド、普通のBPOによる優れた演奏。

0

再現芸術としての演奏に「完璧」という言葉を使って良いのなら、それは当盤のためにある。バラード、スケルツォは、ショパンによる、ピアノで演奏することを突き詰めた楽曲が、ここまで「欠けるところ」なく音として再現されることは無かろう。マズルカもクールなタッチだが、不思議なほどに音楽的滋味が感じられる。この演奏を聴くと、ヴェデルニコフ、リヒテル、ポリーニ等でも「個性=癖」「余すところ」がある、と感じられる。

0

グルダのモーツァルトソナタは06~07年にDGから蔵出しプライベート録音による全集が出た。そのため新しいリスナーには既存の遙かに優れた商業録音の2枚のディスクが目につきにくい。DG78年録音のK576、K475、K570は、強いタッチの中にどの瞬間も音楽的閃きを発し続ける、ある種の「究極」の演奏。当盤はそこまでの強度は無いが、全集盤より完成度と音楽的愉悦が高い。

0

ラヴェルの弟子でドビュッシーと関わったロザンタールの、両者の本質的違いを理解した決定盤。構造や管弦楽法に基づき小節毎の奏法やパート分けにも拘り。3ヶ月かけた一連の録音だがオケの生命を損なわぬよう無編集一発録音。上昇管コルやバソン他、仏式楽器・奏法の音色は得難い。馥郁とした春の挨拶、指揮者が仏式交響楽と言う海ほか、曰く同時代のドビュシスト(MやIやP)と異なるドビュッシズム。ラヴェルその他も出して!

0

交響譚詩と日本狂詩曲は愛聴盤。聴くと面白すぎて、何日かヘビーローテはいつも。作曲者監修の別指揮者盤があるが、この時代はそもそも全ての奏者の体に日常音楽として日本土「俗」音楽のリズム、フレーズ、音の振る舞いが体に染みているのでは。交響譚詩の音楽の勢いは、まさに「息吹」を感じる。日本狂詩曲のミニマルなリズムも岩に打ち寄せる波のように飽きることがない。音質改善に期待予約。と、今また3回聴いちゃった。

0

MONO録音の3、5、7が含まれているの評価できます。ステレオ録音のものに比べて、緊張感もあり、引き締まって、優れていると思います。ステレオ版のおかげで再発の機会が少なかったので、クレンペラーをお好みで未聴の向きにはおすすめします。

0
  • 1

(全27件)