NEWS & COLUMN ニュース/記事

第94回 ─ ワープ20周年!!

第94回 ─ ワープ20周年!!(5)

連載
Discographic  
公開
2009/09/16   18:00
ソース
『bounce』 314号(2009/9/25)
テキスト
文/青木 正之、池田 謙司、小泉 いな子、出嶌 孝次、冨田 明宏

PIVOT
『O Soundtrack My Heart』
 (2008)
オーストラリアの3人組が音を奏でたら電子にも心が宿った……てな感じの、感情に訴えるサウンド。バトルス好き垂涎のポスト・ロック要素を含み、聴く者の想像力を掻き立てて孤高の世界観にドップリ浸らせる。ちなみにワープが異例のアルバム16枚契約を交わした最重要バンドだ。*小泉

PREFUSE 73
『Surrounded By Silence』
 (2005)
今春の連続リリースも良かったけど、〈エディットの魔術師〉も珍しくない時代にあって、彼の独自性は本作のような試みでこそ明確になるのでは? ウータンにビーンズ、エル・P、バトルスにブックスも招いたラップ・アルバム。体裁が普通なだけに、ビートの特異性が際立ちます。*出嶌

SQUAREPUSHER
『Just A Souvenir』
 (2008)
90年代のワープを象徴する存在として絶大な支持を集めた彼が、今作ではまるでプログレッシヴ・ロックのようにコンセプチュアルな一大ビート絵巻を描き上げた。複雑に編み込まれた生音のダイナミズムと豊潤なメロディーに悶絶必至。新境地を切り拓いた珠玉の一枚。*冨田

TIM EXILE
『Listening Tree』
 (2009)
クラーク、ハドソン・モホークとの来日公演ではジェイミー・リデルも顔負けの創造力豊かなパフォーマンスで聴衆を圧倒した、ティムのレーベル移籍後1作目。ダークなニューウェイヴ風のメロディーとカオスなビートが、イマジネーションを激しく刺激する。*冨田

TWO LONE SWORDSMEN
『From The Double Gone Chapel』
 (2004)
90年代からレーベルの躍進に貢献してきたアンディ・ウェザーオールが、不良ロック路線に踏み出した鉛の一撃。以降の番長は自身の城を拠点にしていますが、ガン・クラブのカヴァーも含む本作のヤニ臭いヤバさは現在のワープにこそマッチするものかも。*出嶌

TYONDAI BRAXTON
『Central Market』
 (2009)
バトルスの司令塔、タイ様のソロ2作目は大学で現代音楽を学んだ彼らしく、オーケストラを招いた革新的なロックに。〈聴いた者に音楽を作りたいと思わせるか、もしくは諦めさせてしまうくらい偉大な作品〉とワープのボスに言わせるほど創造意欲が爆発してるので、本隊の次作にも期待!! *小泉