ごく初期からトゥルー・ソーツを支える看板アクトにして稼ぎ頭といえば、もちろんクァンティックことウィル・オランドに他ならない。2001年に初のアルバム『The 5th Exotic』を出して以来、毎年必ず何らかの名義でアルバムをリリースし、合間にはラッセル・ポーターと組んだリンプ・ツインズや、スパンキー・ウィルソンとのコラボ盤なども発表しているのだから……その創作意欲たるや凄まじい。昔はケブ・ダージらに寵愛されるディープ・ファンク主体だったのが、サルサやブーガルー、レゲエ、クンビアなどに興味の対象を広げていき(TVCMで使われたニコデマスとの“Mi Swing Es Tropical”も大きかったのだろう)、現在はハイブリッド異国情緒ビーツ的なスタイルを確立している。当代きっての才人と言ってもいいだろう。