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第23回 ─ UKニューウェイヴ

第23回 ─ UKニューウェイヴ(3)

連載
Discographic  
公開
2004/02/26   18:00
ソース
『bounce』 251号(2004/2/25)

POP-Side シンセ・ポップを中心に、クラブ・シーンともリンクしたUKニューウェイヴの華やかな横顔 その2

DEPECHE MODE 『Speak And Spell』 Mute(1981)

  いまとなっては硬派なイメージの強いデペッシュのデビュー盤。本作ではソングライティング&音楽的リーダーが現イレイジャーのヴィンス・クラークで、哀愁溢れるメロディーかつピコピコしたエレポップ路線。“New Life”“Just Can't Get Enough”などのヒット曲を収録。(石田)

THE HUMAN LEAGUE 『Dare』 Virgin(1981)

  ド派手に売れまくったシングル曲〈愛の残り火〉は、ニューウェイヴの名刺代わりみたいな曲だ。フィル・オーキーのソングライティング・センスが爆発した本作は、末永く聴ける逸品。エレクトロクラッシュのいい手本にもなっている。過去の流行音楽で終わっていないのよ。(池田)

HEAVEN 17 『Penthouse And Pavem-ent』 Virgin(1981)

  初期ヒューマン・リーグの中心人物、マーティン・ウェアとイアン・マーシュによるユニット。日本ではそれほどヒットはしていないものの、コアなファンからの支持は絶大。エレポップの最高峰として挙げられること多し。そりゃそうだ、完璧だもん。(池田)

SOFT CELL 『Non Stop Erotic Cabaret』 Some Bizarre(1981)

  怪しげでセクシャルなイメージで人気だった異色のエレポップ・デュオの代表作。マーク・アーモンドの糸を引くようなヴォーカルに中毒者続出。ニューウェイヴがディスコと結びついた重要作でもある。片割れデイヴ・ホールはのちにグリッドとして復活。(池田)

SCRITTI POLITTI 『Songs To Remember』 Rough Trade(1982)

  〈黒い〉エッセンスを絶妙なさじ加減で含ませ、ロンドン風味とNY風味をフュージョンさせて絶品のポップ・ミュージックに仕立てた、神経質なポップ・シェフ。のちのアルバム『Cupid & Psyche '85』は、〈阪神優勝〉と共に85年の奇蹟だった。(久保田)

NEW ORDER 『Power, Corruption & Lies』 Factory(1983)

  ニューロマ勢を筆頭に、華やかなイメージで語られた80年代初頭の〈エレクトロ〉なバンドたち……とは裏腹に、〈鬱〉な空気で〈エレクトロ〉を包み、新たなニュアンスを打ち出した彼らは斬新だった。本作のUS盤CDには、未曾有のヒット曲“Blue Monday”も収録。(久保田)

MALCOLM McLAREN 『Duck Rock』 Charisma(1983)

  パンクの次にマルコムが先物買いしたのが、アイデアとしてのヒップホップ。自身と同種の匂いを持つトレヴァー・ホーンと組んで、ハイブリッドでジャンクでリゾート音楽的な、ヘンなモンを生み出した。シーンからも微妙に浮いていたこの音にヤラレた日本人多数。(池田)

STRAWBERRY SWITCHBLADE 『Strawberry Switchblade』 ワーナー(1985)

  女の子2人組、1曲の大ヒットと1枚のアルバムで解散……と某グループを思わせる彼女たちの唯一作。その大ヒット“Since Yesterday”のキラキラした甘酸っぱいエレポップは、いまも胸キュン。いかにもなルックスも時代の徒花か。(石田)