POP-Side シンセ・ポップを中心に、クラブ・シーンともリンクしたUKニューウェイヴの華やかな横顔 その1
ULTRAVOX 『System Of Romance』 Island(1979)
ギタリストが交代し、プロデュースをドイツ電子音楽の重鎮コニー・プランクが手掛けた本作は、シンセと硬質なリズムを前面に出しつつ、従来の哀愁溢れるメロディーも健在な彼らの最高傑作。名曲“Quiet Man”も収録した本作を最後にジョン・フォックスはソロ活動に。(石田)
BILL NELSON 『Sound-On-Sound』 EMI(1979)
ビバップ・デラックスというモダン・ポップ・バンドのキャリアを経由して、ニューウェイヴ・シーンに頭からダイヴしたこの人。痙攣ヴォーカル、つんのめるビート、バグに食い荒らされたようなシンセがブンブン唸る電磁波ロックが最高! YMOとの繋がりも要注意です。(村尾)
GARY NEWMAN 『The Plesure Princ-iple』 Begger's Banquet(1979)
収録曲“Cars”の大ヒットでニューウェイヴは世界的に広がった。アンドロイドみたいな出で立ちは強烈でシーンの象徴だったですよ。グラム流れのエレクトロニックなサウンドは新ピカ感でいっぱい。いま見てもヤツはヘンだ。だからかっこいいです。(池田)
XTC 『Drums & Wires』 Virgin(1979)
サウンドの要、キーボードのボブ・アンドリュースが脱退し、デイヴ・グレゴリー加入によりギター・ポップ色を強めた3枚目。プロデュースはこの後大物となるスティーヴ・リリーホワイト。名曲“Making Plans For Nigel”“Life Begins At The Hop”を収録。これぞUKニューウェイヴ・ポップ!(石田)
JAPAN 『Quiet Life』 Virgin(1979)
グラム~パンク~ニューウェイヴを橋渡ししたギター・バンド指向の初期と、YMOの影響を喰らったテクノ指向の後期とで分かれる彼らの音楽遍歴だが、本作はちょうど真ん中。その微妙なブレンド感がいま聴くと非常に良い感じなのですが、メンバーは案外気に入ってなかったりする。(久保田)
BUGGLES 『The Age Of Plastic』 Island(1980)
アート・オブ・ノイズからt.A.T.u.までを手掛け、打ち込みサウンドの王道をいくトレヴァー・ホーン。彼とジェフ・ダウンズによるデュオのデビュー作は、シンセ=〈未来〉と60'sポップ=〈ノスタルジア〉との出会い。名曲!!〈ラジオ・スターの悲劇〉に、アトム時代の夢を見る。(村尾)
ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK 『Organization』 Dindisc(1980)
チープなリズムボックスとシンセ・フレーズが傑作エレポップな“Enola Gay”を収録したこのセカンドで、一気に知名度を上げた彼ら。ダークなポップ・センスにドライなエレクトロニック・サウンドのアプローチが切なくも過激。(池田)
NEW MUSIK 『Warp』 ソニー(1981)
バブルガム・ポップにシンセサイザーをひと振り。初恋を知ったサイボーグみたいな彼らが本格的にテクノ・サウンドへと足を突っ込んだラスト作。ファンキーにしてミニマルにしてポップ!!な弾け具合は、のちにプロデューサーとして活躍するトニー・マンスフィールドならではの実験遊戯。(村尾)