カスタマーズボイス一覧

モーツァルト: 交響曲集 (第25・29・33・35《ハフナー》・36《リンツ》・39・40番), セレナード第13番《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》, 行進曲 K.408<タワーレコード限定> / イシュトヴァン・ケルテス、他

力強さと華麗さが同居した骨格のしっかりした演奏。メリハリを付けつつもウィーンフィル独特の美音が生かされている。録音年代は三つに分かれており、順を追って音質は良くなる。('62.'63.'72)特にCD2第29番(K.201)以降とCD3は1972年録音となり、デッカの伝説的エンジニアJames'Jimmy'Lockが担当している事もあって音質が激変。一気に音場が広がり豊かなホールトーンに包まれる。

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レコ侍さんが書いたカスタマーズボイス

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(全23件)

東芝から出ていた旧盤はお世辞にも良い音質とは言えなかった。
冒頭の原始霧から浮かび上がる弦のトレモロなど知覚できなかったと言えよう。
しかしこのリマスター盤はその姿をくっきりと浮かび上がらせてくれる。
霧が晴れてそびえ立つアルプスの峰々が蘇るのだ。
もちろん高域特性は相変わらずのままであるが、ダイナミクスが改善されて、巨匠の性急すぎるほどのアッチェレランド、破壊力のあるフォルテッシモなどは一部のブルックナー党から排斥されるのも納得!と、より理解できるようになったのは怪我の功名か。
そして何よりも1942年のライブ(第二楽章)がより鮮明になったことも忘れてはならない。

素晴らしい音質で蘇った巨匠のベト1&3!ノイズは皆無で僅かに静音部ではレコードプレイヤーの走行ノイズが聞き取れるほどだ。ピラミッド状のバランスの取れた音質だと感じた。180gの重量ディスクとデジタルリマスターの成果が絶妙に融合された結果だろう。個人的にはトレブルをわずかに足して楽しんでいる。今後のリリースに期待大!

全てが統率されて、いささかの乱れもないアンサンブル、伸びのある艶やかな歌声、それらを率いるショルティのこれは黄金期の作品と言えるだろう。音質は、PCMは一点の曇りも澱みもない澄み切った音。dolby true HDの方はそれより厚みの増した音。共に1960年代の録音とは思えぬ鮮烈さで耳に迫ってくる。DECCAの総力を挙げた傑作だ。

昨今のハイティンクの好調ぶりを窺わせる一枚。第1楽章冒頭からゆったりしたテンポで始まり、その姿は峻険なアルプスの岩肌を思わせ、押し潰されそうな重圧感を覚える。反面、マーチセクションでは小躍りしたくなるような楽しさに満ち溢れていて、各パートが表情豊かに演奏している。ただ、その後の盛り上がりに欠けるのが残念だ。音質は圧倒的な重低音から透き通るような高音まで超優秀録音で捉えている。

第8番は歌唱、演奏共にハイレベルで、特に第2部後半〜ラストのクライマックスにかけては感動的だ!声楽・オーケストラ共に、伸び、ダイナミクス、解像度、全てが秀逸で胸が熱くなるのを禁じ得ない。ウィルキンソン録音は音場を広く取り、スペクタクル感満点だが、音質はマイルドで聴きやすい。CD層も刺々しさが無くなった。大地の歌も同様な傾向だが、ゴージャスな中に幽玄の美を湛える感がある。

2017リマスタリングの6番・7番は低音の豊かさ、高域の滑らかさにおいて群を抜いており、CD層においてもその効果は顕著に認められる。2012リマスタリングの5番も、わずかではあるが以前より修正されているようだ。さらに、これまで機能性のみが取り沙汰されがちだったCSOだが、情感の豊かさがより伝わり易くなっており、7番4楽章などはその愛らしさに胸の高鳴りを覚えるほどだった。

ジュリーニは安定感のある演奏でピアノを支え、ミケランジェリは豪快なフレーズを完璧なテクニックで操り、両者の息はぴったりあっている。音質は放送用音源のせいか、いささかシャープさに欠けるが、ムジークフェラインザールの美しいホールトーンと相まって聴きやすいものとなっている。ピアノ・ソナタも詩情感に溢れている。

またしてもaudite 1st Masterの快挙!マンフレッド序曲は壮絶で、胸を掻き毟られる。冒頭サチっているがその後は良好。英雄も力演。シューマン第4番も名演。全編を通してこれまでにないクリアーな音質で周波数特性、ダイナミクスともに最高レベル。あたかも眼前の実演を聴いている様だ。このセットで我々はやっとフルトヴェングラーの実像に迫ることが出来たのではないか?

古色蒼然とした色から一枚づつベールを剥ぎどっていく絵画の修復作業に似ているのだろうか、このセットを聴いた時にその様な光景に想いを馳せた。そうして出来上がった音は、色彩も鮮やかに創造者の感性をも反映している。音色は鈍い光沢を放ちながらもきめ細やかい質感に溢れ、そして何より暖かい。音の広がり感も充分だ。堂々とした演奏は全てにおいて非の打ち所がない。この曲集のリファレンスたるに相応しい内容だ。

トリスタンの前奏曲の導入部はぐっとテンポを落として長く引っ張っているが、概して奇をてらわないオーソドックスで教科書のような演奏。迫力とか陶酔感は希薄だが生真面目さを感じさせる。曲に合わせて構造を詳らかにしつつテンポも変動させるが、聴いてて安心感がある。音質は時代相応だが、モノラルとしては解像度が高く聴きやすいものとなっている。

力強さと華麗さが同居した骨格のしっかりした演奏。メリハリを付けつつもウィーンフィル独特の美音が生かされている。録音年代は三つに分かれており、順を追って音質は良くなる。('62.'63.'72)特にCD2第29番(K.201)以降とCD3は1972年録音となり、デッカの伝説的エンジニアJames'Jimmy'Lockが担当している事もあって音質が激変。一気に音場が広がり豊かなホールトーンに包まれる。

「ピアノ協奏曲」はベルリンフィルの力強いトーンが印象的だ。ピアノはやや硬質な音色だが、力強さと情感が共存している。音質は長いホールトンを持つが、いまいち弦が滑らかに聴こえない。オケも平面的な印象で、広がり感にも乏しい。独奏曲は柔らかい音色で演奏も落ち着いたもの。

ややハイ上がりな音質だが、重低音域まで万遍なく出ているので音質調整は容易に出来るだろう。各楽器の解像度は高いのでウィーンフィルの美音は堪能できる。ただ第二、第六楽章にはもう少し陰影を付けた方が好ましかった。テノールを使った違和感は特には感じなかった。

「悲愴」は高音域がやや硬質だが聴き辛いほどではない。解像度やダイナミクスはあるのだが、音場はやや狭く平坦な印象。「交響曲第一番」は広がりのある音質で、表現力も豊か。両者とも年代を鑑みると、妥当な水準とも言える。演奏はマルティノンらしく、スピード感溢れ、切れ味のあるパワフルなものだ。

「ヴェーゼンドンク歌曲集、他」はステレオ初期録音だが情感豊かなフラグスタートの声を驚くほど鮮明に捉えている。さすがに時代を感じさせる音だが低音、ダイナミクスは良好だ。「前奏曲と愛の死、他」は前者の3年後の録音と言うこともあり音質がかなり改善されている。ニルソンの声が最初は微かに徐々に加速していく様は、クナの熱演と相まって圧倒され、頂点では心は遥か高みへと持ち上げられ、ただ言葉を失うしかない。

フラグスタートの歌曲集は、ややハイが強く硬質な印象だが、解像度は高いので情感や美しさは十二分に伝わってくる。時代を考慮しても優秀な録音・リマスタリングだと言える。メータのワーグナーは品位と格式を伴い、神秘性をも合わせ持つ名演。音場は広がりと深みを感じさせ、各種特性も良好な超優秀録音。

「第一幕への前奏曲」では幽玄の中から浮かび上がる様な弦楽に導かれ、クライマックスでは高揚感に包まれる。ラストの「愛の死」では尽きる事のないカタルシスに埋没する。オケは変幻自在にして聴衆を圧倒し、歌手陣も絶好調。音場は広々として重低音から滑らかな高音まで余すことなく捉えていて非常に聴きやすいものとなっている。高音質メディアにも引けを取らず、要はリマスタリング次第という好例だろう。

音質は透明度が高く、F特、Dレンジ、解像度、全てにわたって優秀だ。セヴェランスホールの美しい残響とあいまって、最新録音に勝るとも劣らないリマスターとなっている。オケは造形の深さ、美しさという点で独欧系のオーケストラに決して引けを取るものではない。異郷の地で短期間にここまで仕上げたトレーナーとしての腕は相当なものだ。すべてのフレーズが一切の力みなく洗練され伝統美と格式と力強さを感じる。

冒頭の運命のノックを長く引っ張る。その後の疾風怒濤の如くの加速、まさに神がかっている。ホルンのフライングも何のその、これぞフルヴェンだ!第一楽章ラストは往復ビンタを食らってるようだ。前のめりの熱気がそのまま伝わってくるオタケン・リマスター、燃焼度120%!仰る如く田園の木管のなんと愛らしいこと。

フランクの交響曲は実に驚異的!深淵の底から湧き上がってくるような絶望感、圧倒的破壊力、これがアナログマスターの実像なのか?これほど音の良いフルトヴェングラーを聴いた事がない。当時としては、dレンジ、fレンジ、ホールトーン全てがこれ以上望むべきものはないだろう。このディスクを企画してくれたデッカ、タワーレコードには感謝してもしきれない。衝撃度No.1!ブラームスは音は劣るが、演奏は熱い。

シェエラザードはdレンジ・fレンジ・ホールトーンが極めて優秀で圧倒的迫力を生み出している。それでいて美しさを損なわないDSDリマスターは大成功だ。演奏も素晴らしく、緩急、強弱を生かしてこの曲の持つストーリー・テラー的な側面を著しく印象付けてくれる。フィナーレは壮大かつ哀愁の中に終わる。ピアノ協奏曲はオケ、ピアノ共に力強くアルゲリッチの跳ねるような演奏が印象的で、ライブとは思えない良音。

演奏は過度に力まないオーソドックスなもので時には力強さも忘れてない。いたずらにロマン的に走らない古典的な演奏スタイルには好感が持てる。録音はジェイムス・ロックを筆頭にデッカの名エンジニア達が、稀代のヴィルトゥオーソ集団ウィーン・フィルの美音を余すことなく収録している。ゾフィエンザールのホールトーンと絶妙なバランスでミックスされ、聴感上この上ない美感をもたらしてくれる。SACDリマスターは大成功だ。

マーラーは第一楽章導入部のハープの分散和音に乗って、哀愁を帯びた弦楽が流れ出すとアナログ盤を始めて聴いた当時を思い出した。あの頃と全く変わらずに、はるかに聴き易くなっている。弦楽はあくまで柔らかく透き通るようで、金管の咆哮、ティンパニの打撃音の重低音まで余すことなく伝えてくれる。解像度の高さから作曲者の意図がより明確になりアナログ盤では不明確だったニュアンスもよりダイレクトに伝わるようになった。

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