メンバーズレビュー一覧

ブルックナー: 交響曲第4番「ロマンティック」、第5番<タワーレコード限定> / ルドルフ・ケンペ、他

音楽自体に語らせ、指揮者は助力をするのみ。どの楽器も時と場所を得て適切に響く、誠に自然でバランスも理想的。何か言おうとするのもむなしくなります。

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エーファさんが書いたメンバーズレビュー

(全112件)

初演の記録としては貴重だけれど、オケが何やっているのかさっぱりわからない録音(和声はわかるけど)はどーなのっていう感じでした。ソロはそれなりに聞こえますが、とり立てて書く言葉も思い当たりません。

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最初からゆったりまったりした演奏で、あまり主張もない演奏でしたが、旧版の楽譜を使っているのかこんにちでは聞かれない表現に耳が行きます(クラ5の一楽章では上昇音型をスタッカートにするなど)。異様な迫力に圧倒されるという評を読んだことがありますが、ベートーヴェン5番二楽章や死と乙女などでもそうでもない印象です。
それでも1913年の録音やレーガーの録音などはとても貴重です。

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いかにもラインスドルフらしく、速いテンポでどんどん進めていきます。オーケストラが少し厚みがないものの雑音も少なく聴きやすいです。2幕の逢瀬前、静かにゆっくり始めてテンポも音量も上げていくなど十分納得感のあるものです。フラグスタートのイゾルデはスタジオ録音より表現の陰影があり私はこちらのほうがいいと思います。キプニス目的で買ったのですが、2幕最後の嘆き節は時に声を荒らげたり、涙声で心の痛みを表現したりと期待通りでした。いい演奏を聴けたと思います。大戦のおかげ?でアメリカは文化的な恩恵を相当受けたんだなーという感慨ひとしお。
1幕の最後、ファンファーレのほんの数小節をカット、なぜ?とずっこけました。

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20年以上前に輸入盤で、確か3000円くらいだったと思います。これを見た時は思わず声が出ました。だって45年くらい前、この指揮者のブラームスの全集ですら5000円以上していたはずで、それがマーラーこそないものの主要な作曲家のものがこの金額で「全集」で手に入るとは。オマケに(失礼!)ヴィーンフィルのものまでついている。
内容は言わずもがな、カラベル全盛期のひたすらに完成度の高い演奏ばかりで、私のライブラリーの中心的存在です。
こんな時代が来るなんて、レコード屋で数字がデザインされたベートーヴェンのLPを指をくわえて見ていた、当時高校生の私に教えてやりたいです。

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功成り名を挙げた巨匠が、若い人たちを鼓舞し育てる感動的なドキュメントでした。弦楽器などは全くの初心者で始めた人もいるとは思いますが、できうる限りの努力で指揮者の要求に応える演奏をしている様子がよく分かります。1枚目などは、ほころびいっぱいで始まりますが、すぐに気にならなくなります。ブラームスやシューマンの最後などは、プロオケではこんなに没入しないのではという盛り上がりです。ほとんどの人は音楽の道に進まない大学オケとはいえこれだけの感動的な演奏ができるのは、ひとえに名演奏というのは、インスピレーションやテクニックではなく、素材と相互の尊敬から生まれるものだということがよく分かります。

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ホントだ、3番の主導権は指揮者にありますね。ソリストもそれにしっかりつけて一つの演奏を形作っています。こんな時代もあったんですね。ゼルキンとの4番も同様の作りでしたが、5番の録音があったらどんなふうになっていたか、聴けないのが残念です。

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正統派のドイツ音楽。どこかで(ハッキリ分かってはいますが)「ゲルデスの指揮は何もしていない」などという評を目にしたことがありますが、演奏の現場を知らない詭弁です。テンポの戻しやバランス感覚など正式な勉強をされた方であることは一聴瞭然です。もっと評価されてもいいのではないでしょうか。
ただ、インテンポ部分があまりにもインテンポすぎて、少しダレて聞こえるきらいがあるのは否定はしませんが。

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ようやく聴けたプロシャ王、ヴェルディ、ドヴォジャーク。自作の4番は新旧収録!
古典派はインテンポで進め、ここぞというときにテンポを落としてぐっと主張。15番の三楽章はしっかり拍の頭を強調。片やロマン派ではテンポを揺らして妖艶な表情を作る。当時の新作バルトーク、ブダペストSQと並ぶ同時代の記録。二楽章最後の青い鬼火では、揃ったオクターブに鬼気迫るものがあります。ストラヴィンスキーは火の鳥のような面白い作品。ストラヴィンスキーらしさをしっかり出しています(もう少しいい音で聴きたいですね😅)。ベートーヴェンと自作の兄弟デュオは息が合った名演。
ヴァイマル時代の最盛期の一角をなす、熱いナイスガイたちでした。もう少し長く活動してもっと録音を残してくれたらと思います。

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両曲ともワルター先生のこの盤で聴き込みました。特に2番は80を超えた年齢の演奏とは思えないテンションがとても高いもので、楽団員のテクニックも素晴らしいものでした。

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アンダースは鐘の歌とか第九とかシュトラウスの歌曲でしか知りませんでしたが、こんなに多種の録音があるのですね(他レーベルでは10枚組もある!)。冒頭のローエングリンがいいですね。全曲は残っていないのかしら。カルメンもボエームも甘い声でいいけれど、ドイツ語なので違和感大アリ。ソプラノ歌手とのやりとりもうまい、オペラの舞台も観てみたかったです。

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セルクリにはオイストラフとの大家然とした名演奏がありますが、こちらはオーケストラのノリが全然違います。パイネマンのフレッシュでスタイリッシュなソロは実に新鮮で、オケ全員でそれを支えるさまは感動的ですらあります。

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パワーのヴィオラ目的で買いましたが、共演者の皆さん全て素晴らしい。セレナードでは3者とも協調と自己主張のバランスが良く、爽快ですらあります。近年の室内楽演奏が温かくなく技巧優先に思える中、ナッシュアンサンブルの存在は本当に癒しに思えます。

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ようやく聴けたフィッシャーの幻想曲。この曲はどうしてもケムプの完璧な演奏と比べてしまいますが、フィッシャーの演奏も健康的で技巧も素晴しい。三楽章もファンタジックで、聴けてよかったと思える演奏でした。

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パワーの堅鳴りのヴィオラは、オーケストラに負けず聞こえてきます。ともすると必死になって弾いて絶叫のようになることもあるこの曲ですが、自然体で弾かれているようです。オーケストラに所々あまり聞かれないバランスがありました。

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ヴィオラの芸術

セルジュ・コロー、他

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

いい音!特にC線の、砂糖菓子をザックリ切るような質感の音色は、この方独特のもので真似しようとしてもできないものです。
演奏も、グリンカやシューマンのどこか懐かしさを覚える表現、ドビュッシーも人間的な温かみのある味わい深いものでした。ミヨーはこの演奏で聴き込みました。ロンドの主題はC線のみで弾かれるのですが、その音色は上記のごとし。ゲルニカのような恐ろしげな曲ですが、どこか救いを感じさせてくれます。

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ピアノロールというものはどのくらい実像を伝えているのでしょうか。急激なクレッシェンドや左手のバランスなど、ヴァイオリン演奏で見せる表現との違いに戸惑いました。もう聴くことはないかな。
このCDの買いはやはり最後のヴァイオリン演奏。いつものクライスラー先生がいました。

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スメタナ: オペラ全集<完全限定盤>

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

チェコ語はわからないし、知っているのも売られた花嫁だけでしたが思い切って買いました。うれしいのは未完のヴィオラが入っていること。しかも売られた花嫁、リブシェとともにコシュラーの指揮であること。
言葉はわからないながら聴き通してみて、スメタナのオペラはワーグナーの影響が大きいということが実感できました。花嫁の最初の合唱やリブシェの前奏曲など、コシュラーの指揮の腕前の確かさもよくわかりました。この方、もっと評価されてしかるべきではないでしょうか。
ヴィオラについては、スメタナが遺したそのままで演奏されていて、オーケストレーションされていない部分はピアノのままで演奏されています。この曲については「緊迫した曲想で聴き手の心をぐっとつかみながら、じきにその手が緩んでしまう」という評を読んだことがありますが、どこのことでしょうか?
いずれにせよこんな全集はスプラフォンしかできない企画ですね。

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こどもの問答目的で買いました。なんとア・カペラで始まる!さすがはヴィーン少年合唱団。ヴァーグナーにもこんな曲があったとは。後奏を聴いているとなんだかヴェーゼンドンク歌曲で聞いた事があるような感じがする。やはりヴァーグナーの作でした。
そしてジークフリート牧歌。知的でスタイリッシュな演奏は、まさにヴェラー四重奏団の延長のような趣でした。クラリネットの夢見るような表現も素敵です。

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冒頭のヴィオラもいい感じです。5番のヴィオラが少し音が薄っぺらいと思っていたのですがこちらは万全でした。演奏会ライブなのでマイクを立てられなかったからか、楽器の分離はあまり感じられませんが弦と管のバランスも理想的。手に汗握る二楽章。この演奏、会場で聴きたかったです。

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早く来すぎた才能、細部の彫琢やテンポ操作、作曲家の指示の解釈などこんにちでも十分通じる芸術はもっと良い録音で聴きたいですね。ソ連で不遇をかこつなど時代の被害を受けなければもっと名演を残してくれたものと思います。この方のもとで一度弾いてみたかったです。
私はスクリベンダムは基本買わないのですが、火の鳥やくるみ割りの新旧録音が揃うので入手しました。特にくるみ割りは新旧全く別人じゃないかと思うくらい違う(新録音の方がらしいとは思います)。これは良い発見でしたが、実はアイネクや幻想のヨーロッパ録音などの重要アイテムが欠けています。このレーベルはなんか徹底性に欠けるんだよね~😔

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ルネ・シュメー HMV録音集

ルネ・シュメー

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

冒頭のクライスラーからしてテンポは伸び縮み激しく、またポルタメント多用により独特の表情をみせる。それはスペイン交響曲でも同様で濃厚な表現を生み出しています。他方、クライスラーのアレグロやハイドンなどのインテンポ部分では速いテンポでぐっと迫ってくる。作品から受ける自身の感銘を、こんな自在な表現で表すことができるのはうらやましい限りです。マドリガルのような小品にも手を抜かない誠実さも素晴しい。

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ベルクはミネアポリス盤と別演奏かと思って買ったら、同じ演奏だった😩

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101年前の録音!それでも現代にも十分通用する表現。時代から予想されるポルタメントはほとんど感じられず、恣意的なテンポの揺らぎもなくひたすら作曲者に奉仕する姿には感動を覚えます。盤面の継ぎ目もほとんど目立ちません。
弾きにくい嬰ハ短調、見事なアンサンブルです。15番の一楽章の主部の速いテンポは、この曲の「哀しみ」的な表現にぴったりで、新盤ともども私はこの団体のものが気に入っています。

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熟した果実のような豊麗で甘い音色、しかもモーツアルトの様式にぴったりの軽やかさも備えた理想的なソロ。私はいつもこの演奏を基準にしています。バックのオケの、指揮者とソリストに対するリスペクトからくる献身ぶりにも心温まる演奏です。

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ブラームス:ヴァイオリン協奏曲

諏訪根自子

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

すごいスクラッチノイズ。特にベートーヴェン。
ブラームスはとても典雅な演奏でした。テンポもゆっくり。時代の記録としてはとても貴重な録音ながら、神格化するのは疑問に思いました。やはり晩年の万全な演奏が聴きたいですね。期待したオーボエも思うようには出てきませんでした。
レオノーレはバシャンというトゥッティや野放図一歩手前の金管など戦後すぐのオケの音がしていました。これは一つの演奏会の序サブでしょうから、メインも聴きたい・・・、と言いたいところですがあまり期待はできないかな。

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どちらもノイズのとりすぎ?いわゆる蚊の鳴くようなヴァイオリンですが、すぐに耳が慣れてくると演奏の凄さが伝わってきます。
ゾルダートはエアこそポルタメントたっぷりでけだるい感じがしますが、モーツアルトの主部やパルティータの勢いと技巧は目を瞠るものがあります。まるで別人みたいでした。ロマンスも緊張感のある部分に来ると俄然凄みを増してきました。
ファキリの方はベートーヴェンもバッハもあまり歌い崩しもなく様式をしっかりと守った優しい演奏です。そういった意味でソナタのアダージョ・エスプレッシーヴォに期待したのですが、録音の限界からか平板に聞こえてしまい残念でした。

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実演のパルティータが残っていたとは驚きです。鋭い切れ味の演奏ですね。途中で弓が足りなくなったかなと思われるところもあったりして、やはり万全な晩年の全曲録音を聴いてみたいです。
演奏会当日の他の演奏は残っていないのかしら。

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諏訪根自子の芸術

諏訪根自子

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

曲によりますがSPはALTUSの方がいいかと思いましたが、メタルマザーや再生機による聴き比べまであるのでこちらのほうがお買い得かな?
演奏はとても今の中学生の歳とは思えない立派なもので、早く生まれすぎた才能なのですね。戦後の録音が少ないのが惜しまれます。

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コロムビア録音全集

諏訪根自子

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

今の中学生の年齢の演奏ですよね。マスネやシューマンの歌心やリースやクライスラーにおける技巧など素晴らしく、解説にあるように其界のあらゆる日本人が応援してキャリアの手助けをしたのがよくわかりました。戦後に録音がほとんどないことが悔やまれます。
最晩年のバッハやベートーヴェンが今入手できないのが残念です。

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世界初録音の第五協奏曲。なんて典雅な演奏。所々でテンポを扱って表情をつける。それでも三楽章の中間部では鬼気迫るデタシェで迫ってくる。一筋縄ではいかないパフォーマンスでした。

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アウアーのレガシー

イゾルデ・メンゲス

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

ようやく聞けたバッハの無伴奏曲。この時代の録音には疑問符がつくものもありますが、こちらは技巧的に完璧。フーガの途中で音が抜けたように感じる部分がありますが、楽譜は2分音符になっていてそれを8分音符分にしているからでした。開放弦のD線がよく響くなと思ったら、ブックレットにメンゲスの使用楽器が。フィリウス・アンドレアなのですね。2番や3番のソナタのフーガも聴いてみたいです。
ベートーヴェンの協奏曲はブリキのバケツの底を叩いているような音から始まりますが、じきに気にならなくなります。古典的な造形を守った節度あるもので、高貴な雰囲気を漂わせた好演でした。ヨアヒムのカデンツァも説得力のある見事なものでした。

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すべてのパートが楽譜をきちんと音にし、渾身の演奏を行なっています。オケメンバーのリスペクトが如実に伝わってきます。デュナーミクやバランス、そしてワルターの意図をくんだ奏法などが徹底されていて感動的です。そレに加えてフランチェスカッティの完熟した果実のような美音とキビキビとした表現。至宝と言って良いセットだと思います。
名演奏は精神性などではなく、素材と相互のリスペクト、そしてリハーサルの賜物であることがよく分かります。

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このCDは回転むらがある??ゴールドベルク先生の最後のコンサートということで感激する向きもあるかもしれないが、「感動的」なコンサートは伝説のままが良かったのではないか?

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のっけから朗々と鳴らすジプシーの歌にはびっくり、中間部もさめざめと泣くような感じでは全くない。剛毅なジプシーでした。室内楽以外に録音が少ないこのヴァイオリニストについて、チャイコフスキーやメンデルスゾーン、ベルクなどが聴けて、ようやく他のヴァイオリニストと同じように知ることができたような気がします(ベートーヴェンやブラームスもあれば聴いてみたい)。特にチャイコフスキーのロシア臭くない切れ味の鋭い演奏は爽快で、当時のドイツやアメリカの演奏風潮とも異なるように感じました。
サンサーンスのカプリチオーソのもったいぶった曲想はもともとあまり好きではないのですが、こういった気高い技巧で弾かれると好感が持てました。

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ダラニの代表的演奏モーツアルト。こんにちではやらないテンポ操作が多発。ソロの入りから前奏とテンポが違う。フレーズに意味づけをしているのがよく分かります。
その前にズラッと並ぶ小品ではそれが自然に聞こえる。特にロンディーノは雄弁でとても気に入りました。

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カラヤンとフレーニ、演奏は悪かろうはずがない。映像の構成も循環的になっていて、最初から悲劇を強調している形になっています。それにしても建物の部材や服装、髪型などヨーロッパから見る日本はこんなイメージなのでしょうが、もう少し考証はできなかったものでしょうか。気になって演奏に集中できない。このDVDは目をつぶって視聴するのが正解かと思いました。

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シベリウスやプロコフィエフはあまり印象に残りませんでしたが、ブルッフの懐かしさを感じさせる表情は曲想によくマッチしした良い演奏でした。オケのバックも、いかにもドイツ的な好サポート。
そんな既存の名曲よりも印象に残ったのはモハウプトやミヨーの曲。どちらも初めて聴きましたが、特に後者の不協和音ながら楽しげな楽想、左手のピチカートの技巧の映えなど、曲と演奏の両方で楽しませてもらいました。

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颯爽としてカッコイイ、それでいて歌心にあふれる演奏はとても新鮮です。聞くところによると商業主義に流されないようにとセルにレコーディングを控えるように言われたのだとか。実に惜しい話です。
ビッグネームではないけれどメレスやアツモンといった名指揮者との共演が残されたことに感謝。
最後のクインテットには、なんとベルリンフィルの町田琴和女史がセカンドヴァイオリンに!経歴をみるとパイネマンに師事とあったので、合点がいきました。語法も合った名演だと思います。もっと室内楽の演奏が出てこないかな。

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全体的にホルンの音色に心打たれます。こんな音は最近のWPHでは聞けなくなりましたね。
協奏曲はスタジオ録音よりも少し速め、コンサート本番のため少し感興が乗ったようで、流れが良いみたい。序曲も含め、重厚ながら格調高い。これがシンフォニーになると状況が一変。よほどこの曲に思い入れがあるようで、例の「悪魔的」と形容される表情が顕著。のっけからバストロンボーンが炸裂。全強奏では前プロでは見られなかった音の割れ。会場では大音量に圧倒されるほどだったのではないでしょうか。極端なテンポ設定とアゴーギクは戦時中のBPHのものほどではないけれど、(心を込めて歌われる三楽章も含め)やはり尋常ではない。こんな演奏を現実に聞くことはもうないでしょうね。

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音楽自体に語らせ、指揮者は助力をするのみ。どの楽器も時と場所を得て適切に響く、誠に自然でバランスも理想的。何か言おうとするのもむなしくなります。

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アーベントロートのブルックナーは自然体。あの時代にあって主情を排し、それでいて構築性とオーケストラが優れた演奏はあまり残されていないのでは?
5番にそれはよく出ていて、私は近年の録音よりもこちらをよく聴きます。一箇所感興でテンポアップするところがありますが、曲想に合致しているので問題ありません。

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マーラー:交響曲第5番

ジョン・バルビローリ

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

シンフォニーもリュッケルト歌曲もバルビローリならではの、何か「懐かしさ」を感じさせる肌触りが濃厚です。月並みですが「滋味あふれる」という言葉しか浮かびません。どうやったら、どう指示を伝えたら、楽団員にどう説明したらこのような感じの音になるのでしょうか。まさしく大家の至芸だと思います。

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全集の前の後期のみの録音。滋味あふれる演奏は全集のものと変わりありません。昔から完成されていたのですね。こんなに人間味あふれる団体はもうない、なんて書くと古い人間と言われそうですが、近年聞く楽団はとかく音がきつくまた技術の開陳に主眼があるように聞こえて室内楽には興味を失いつつあります。本当にかけがえのない方々だったと思います(人間国宝ならぬ人間世界遺産みたいな)。
併録の12番の旧録音も完成度の高さは変わりません。少しバランスがファースト寄りかなとも感じましたが、それもわずかな差でした。

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2020年の音楽祭が中止になったのは残念でしたが、そのかわりにこんな素敵な1枚が。
作為を弄さず音楽と奏者のカンタービレに任せる演奏は好感が持てます。歌曲はいい意味でワーグナー歌手が歌ったもので、伴奏が室内楽編成なので歌のほうが様式的に少し勝っている感じでした。弦が少ないため管が大きいバランスも聞き慣れないものでした。
こんな素敵な演奏に立ち会えた方々には羨望の念が絶えません。

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チェコ出身の大歌手の1人なのですね。ブリアンのCD同様、ワーグナーとスメタナというプログラム。ワーグナーなどはヴィブラートの多い野太い声で歌われるイメージがありますが、こちらはあまりヴィブラートかけない、まっすぐでしかも芯のある声は新鮮でした。歌い出しにいつも少し音程のブレがあるのが少し気になりました。
家族名がドヴォジャークですが、作曲家とつながりがあるのかしら。

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盛岡に行った時、歴史文化館で購入しました。収録音源もさることながら、解説書には新たに啓発されることが大でした。社会貢献が使命と感じる生き方にも共感しました。
添付CDでは、パスターナックの大曲録音は初めて聴きました(パウエルの伴奏くらいしかないと思っていました)。これが当時の日本のスタンダードだったのですね。フィッツナーの旧録音やストコフスキーの三楽章のみのブラームスなど、いまでは貴重な録音もたくさん。火の鳥やチャイ4、牧神や死と変容などまで聴かれていたとは、知的好奇心が旺盛でおられたことにも驚きでした。私は文芸には造詣はありませんが、音楽を(そしてレコードを)愛する同好の士として、賢治先生を身近に感じました。

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長年の共演で培われた表現と楽団員のリスペクトに心打たれます。2番など細かいニュアンスの連続で、指揮者の細心の指示にオーケストラが十分に応えています。

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慣れ親しんだ懐かしい演奏ばかり。皇帝協奏曲、ブルックナー、ミュンヒェンのワーグナーなど。
こうしてみると、ベートーヴェンのシンフォニーが全然ないのですね。ここに収録の曲もライヴ録音とは大分違うので、もしベト8とかブラ3とか、ライヴ録音で有名なもののスタジオ録音があったらどんな感じになったのか興味津々です。

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言わずもがなの名録音ばかりです。
トリスタンの1幕の中間部はかなり長く抜き出されていますが、なぜここだけ?という感じで突然終わるのでフラストレーションがたまります。なぜ全曲録音しなかったのでしょうか。せめてこの幕の最後まで聴きたい!
チューリッヒ録音のマイスタージンガーではライニングのスタジオ録音!ていねいに格調高く歌われる美声には感動しました。しかも別テイクまで(五重唱を録音してほしかったな)。ライニングについてはオペラのライヴ録音しかないようなので、第九なども聴いてみたかったな。

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カイルベルトとマーラーはイメージ的にあまり結びつきませんが、1番4番8番のライヴ録音があるのですね。この大地の歌も意外(失礼!)と曲想にあった名演でした。デッドな響きながら色彩感は豊かで十分に満足できるものでした。テナーからの要望でしょうか、冒頭から粘る粘る!曲想もあって、渾身の歌唱。2人の歌手は音域が違うものの声質がよく似ていて、3曲目はそのままF=ディースカウが歌い始めたのかと錯覚しました。4曲目の馬が闖入する場面、ここだけ音がつぶれる。マイクのレンジを超えてしまったようですが、会場で聴いていたらどんなにかびっくりするほどの音量だったのでしょうか。王維の詩の場面、F=ディースカウの憧れに満ちた歌唱は実に感動的。クラリネットやチェレスタもとても雄弁。いい演奏を聴けた幸福感に満たされました。

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