今だ実演では接し得ていない大曲ですが、録音では新鋭、個性的な中堅、年配の大家と、何種類のディスクがあるのでしょうか。このグルダの演奏、LP時代にOS‐2485の番号で日本コロムビアから出て、かなりの期間廃盤扱いだったので、再発と同時に購入し、充分に期待を満たせて貰えるCDでした。ジャンルを超えた音楽活動をなさっていたお方なので、妙な先入観を抱かれる聴き手もおいでかも知れませんが、的確な譜読みに正統的なアプローチで、まったく安心し聴きこめる演奏と言えるかと存じます。再発に尽力して下さったタワー・レコード様に、多大の感謝の念を捧げさせていただきます。