DOF 『Sun, Strength and Shield』 Abandon Building/残響(2006)
前作が爆発的なセールスを記録したブライアン・ヒューリックのプロジェクトによる新作。叙情的なピアノとアコースティック・ギターが織り成す洗練を極めたメロディーが、ソフトでユルユルなヒップホップ・ビートやブレイクビーツの上をユラユラと浮遊。普遍的な旋律に涙腺は緩み、刺激的なビートと融合して得られる奇妙な昂揚感でもって、気付けば涙で前が見えません。無敵の美メロトロニカ盤の誕生です! (大久保 洋二/bounce誌「279号」より転載)
KETTEL 『Myam James Part 1』 Sending Orbs(2008)
去年もアルバムを出したのにもうですか。オランダのエレクトロニカ・プロデューサー、ケトルの新作がホーム・レーベルのセンディング・オーブスからリリースされました。前作よりもだいぶビート感が強くなってブレイクビーツ好きにもウケそうな感じですが、やっぱり耳に残るのはいつもどおりにキレイなシンセのメロディーでしょう。なお、次なる新作も夏頃のリリースに向けて用意されているらしいのでお楽しみに!? (櫻井 誠/bounce誌「299号」より転載)
A LILY 『Wake : Sleep』 Dynamophone(2006)
UKのポスト・ロック・バンド、インディ・ハルダのギタリストによる聴き応え120%のアンビエント紀行。ムーム?マニュアル好きを虜にするであろう耳に優しいエレクトロニカに、ほんのり熱を帯びたドリーミーなロック・アンサンブルや、ウィリアム・バシンスキを彷佛とさせるアブストラクトな反復ランドスケープがプラス。色彩豊かで品格のあるセットリストは、僕らを未知なる高みへと案内してくれます! (久保 正樹/bounce誌「284号」より転載)
Gutevolk 『グーテフォルクと流星群』 noble(2007)
竹村ノブカズやヴィクセル・ガーラントらとのコラボでも知られる西山豊乃の最新作。ノスタルジックな歌声や、シンプルなバンド・サウンドに降り注ぐ煌めきの電子音。共同プロデューサーにkazumasa hashimotoを迎えた本作は、エレクトロニカにもソフト・ロックにも通じるチルで柔らかい風合いと、普遍的なポップネスを纏っている。聴き手によって過去にも未来にも繋がるであろう、不思議な旅の入口がここに。(土田 真弓/bounce誌「284号」より転載)