最重要アクトの新作を一気に捕獲!!
YOUNG JEEZY またまた最強のアルバムになっちまったぜ!

同郷アトランタのT.I.と共にトラップ・ホップなるムーヴメントを巻き起こし、立て続けにプラチナ・ヒットを飛ばしてスターダムへとノシ上がったジーズィ。無名に近かったショーティ・レッドやジャスティス・リーグ、ドン・キャノンといった新鋭プロデューサーを次々とフックアップして才能を開花させ、ナズの『Hip Hop Is Dead』(2006年)に対してはリュダクリスと共にサウスをレペゼンしていち早く反論してみせる(後に手打ち)など、いまや誰もが認めるシーンの顔役となっている。
そして、USDAのリリースを経て届いたのが2年ぶりの新作『The Recession』だ。ここでは皆が期待するトラップ仕様をベースにしつつ、イケてる感アリアリなジーズィのラップを際立たせる音楽的な深みも兼ね備えたサウンドを前述の職人たちが用意。クラシック級のバンガーが詰まり、“Put On”から感動的ですらあるオーラスの“My President”(ナズが参加)に繋がる怒涛のハイライトまで、息つく余裕はまったくナシ! 同業者にはとんでもないプレッシャーを与えるに違いないモンスター級のシロモノであり、メインストリームのシーンを次の次元へと導く最新クラシックと言っても過言ではない。ジーズィこそが現行ヒップホップの王道なのだと確信させられるはずだ。
(升本 徹)