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第413回 ─ HIP HOP LIVES!

第413回 ─ HIP HOP LIVES!(4)

連載
NEW OPUSコラム
公開
2008/10/02   23:00
更新
2008/12/19   14:58
ソース
『bounce』 303号(2008/9/25)
テキスト
文/bounce編集部

ICE CUBE 現役感バリバリの新作? そんなの当然だろ!!


  いまや俳優/映画監督としてのほうが有名であり、大忙しなはずのアイス・キューブ。かつてはイージー・Eやドクター・ドレーらと伝説的なグループ、NWAを組み……なんて話まで遡るほどのスペースはないが、WCやマック10と組んだウェストサイド・コネクションでの活動然り、ハリウッドでステイタスを築いているにも関わらず定期的にウェッサイ・シーンを意識した活動を見せているのは、根っからのフッド・メンタリティーなのかもしれないし、アクターとしてのパブリック・イメージとのバランスを保つストリート戦略なのかもしれない。

  ま、そんなことはどうでもよく。このたび届いたニュー・アルバム『Raw Footage』でも変わらぬドスの効いたキューブ節を披露してくれているわけで、ファンとしては大満足。前作『Laugh Now, Cry Later』がグッと西海岸寄りに作られていたのに比べて、先行シングル“Gangsta Rap Made Me Do It”をマエストロに任せたことに象徴されるとおり、別地区のトレンドもキッチリ採り入れている。それは〈まだまだラッパーとしても現役である〉という表明のようでもあり、その気概はヤング・ジーズィとのジョイントでも見事に証明されているのだ。
(升本 徹)