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第3回 ─ 1974年のモハメッド・アリ

第3回 ─ 1974年のモハメッド・アリ(2)

連載
JAMES BROWN IS NOT DEAD
公開
2007/05/24   19:00
ソース
『bounce』 286号(2007/4/25)
テキスト
文/出嶌 孝次

「ロッキー・ザ・ファイナル」ついに公開! シルヴェスター・スタローンとJBの関係

 で、JBとアリの縁はもう少し続くんだ。フォアマンを倒してふたたびボクシング界の頂点に立ったアリは、その強さのせいで対戦相手選びに難航した末、無名ボクサーを挑戦者に抜擢するという傲慢な企画を思いつく。そうして選ばれたのがチャック・ウェップナーという不良ボクサーだったんだ。75年3月24日、ウェップナーはKO負けしたものの、無敵のアリからダウンを奪うなど15ラウンドを善戦する結果となった。で、知ってる人も多いだろうけど、そのアリ×ウェップナー戦を観戦したシルヴェスター・スタローンが3日で書き上げた脚本こそ「ロッキー」(76年公開)だったんだよね。当時のスタローンは売れない役者で、劇中のロッキー・バルボアというボクサーに自身の境遇を重ね合わせたというわけだ。つまり、アリがいなければ現在のスタローンはいなかったんだよ。でも、JBのライヴに盛り上げられなければアリの復権もなかった(?)わけだし、結論としてはJBがいたからこそ「ロッキー」が生まれたということになる! だからして、スタローンが「ロッキー4 炎の友情」にJBを招いたのも当然の恩返しだと言えるだろう……。あれこれ肉体にメンテナンスを施しながら新作「ロッキー・ザ・ファイナル」も闘い抜いたスタローンはJBばりに不滅だよね。そういや、ヤク中時代のJBがショットガンをブッ放したりメチャクチャやった奥方の名前はエイドリア~ンだったな。