DJロジックの通算3枚目となる待望の新作『Zen Of Logic』が、前作『The Anomary』から実に5年のブランクを経て届けられた。当の本人は「単に忙しかったんだ」と話す。
「新しいアイデアを集め、いろんなアーティストと共演してインスピレーションを得たり、ソロ・アルバムに向けてサウンドを研究していたんだ」。
その5年の間に、ロジックはジャンルやカテゴリーを超えた知名度を得ている。例えば、ジョン・メイヤーとセッションして意気投合し、彼の全米ツアーに誘われた際には、メイヤー+マルーン5+DJロジックのジョイントも実現した。また、〈ボナルー・ミュージック・フェスティヴァル〉ではジャック・ジョンソンと共演。元リヴィング・カラーのヴァーノン・リードとはサイド・プロジェクトとなるヨヒンベ・ブラザーズを結成した。他にもカール・デンソン、ソウライヴ、デイヴ・マシューズ・バンド、クリス・ホイットリー、ウォレス・ルーニー、クリスチャン・マクブライド、さらに日本ではKANKAWAが自身のグループに招くなど、その共演歴は錚々たるものだ。
「みんなは、異なるテクスチャーや異なるヴァイブを求めて俺をバンドに誘うんだよ。通常、サウンドには失われた要素があって、彼らは俺にそれを埋めてほしいと思っているんだ」。
スクラッチだけでなく、空間メイキングに長けているのが彼の強味。スクラッチとエフェクトで効果的に隙間を埋めるのだ。このたびの『Zen Of Logic』にはジョン・メデスキー、チャーリー・ハンター、ディアントニ・パークス、メルヴィン・ギブス、いまNYで注目されているタブラ奏者のスファーラなど、NYローカルの仲間たちが参加。サウンドは、ARPやモーグなどヴィンテージのキーボードが1曲ごとに使い分けられているのが興味深い。
「ヴィンテージ・キーボードを使うというのは俺のアイデアだ。サウンドにオーガニックさが欲しかったんだよ」。
楽曲ごとにテクスチャーを変えながら、ヒップホップ、ジャズ、ポエトリー・リーディング、アフロビート、さらにはタブラやウード(アラブ楽器)も聴こえる西洋を突き抜けたサウンドなど、さまざまな要素が重層的に展開される『Zen Of Logic』に注目だ。