DJ LOGIC
『The Anomaly』 (2001)
〈NY地下自由音楽シーンの主任DJ〉てな感もあるワザ師、ロジックのセカンド・アルバム。プロジェクト・ロジックという5人組自己バンドによるライヴ的な演奏に加え、豪華ゲスト陣とのセッションも。ターンテーブルが刺激的な飛び道具であると同時に、見事な接着剤や溶解剤であることも示している。(佐藤)
THE PHILADELPHIA EXPERIMENT
『The Philadelphia Experiment』 (2001)
アンディ・ハーウィッツの出身地でもあるフィリーの実験ジャズ・トリオ。ルーツのクエストラヴ、当時は若手出世株だったクリスチャン・マクブライド、重鎮のユリ・ケインが集まり、カタリストにサン・ラーという地縁を重視したカヴァーも披露しつつ、個々の成分を巧みに融和させた名盤!(出嶌)
THE WORD
『The Word』 (2001)
メデスキー・マーティン&ウッドのジョン・メデスキーを首謀者に、ノース・ミシシッピ・オールスターズやロバート・ランドルフを迎えて制作されたゴスペル作品。中心を担うのは、普段にも増してソウルフルな匂いを放つメデスキーのオルガンとランドルフの熱いスティール・ギター。ゴスペルデリックなジャムが強烈!!(大石)
KING BRITT
『The Philadelphia Experiment Remixed』 (2002)
同郷のキング・ブリットが総監督を務めたフィラデルフィア・エクスペリメントのリミックス集。オバ・ファンケ名義も併用したキング自身、ランディ・ワトソン・エクスペリエンス(クエストラヴ&ジェイムズ・ポイザー)やヴィクター・デュプレーらの仕事ぶりが想像以上に多彩で楽しめます。(出嶌)
SCRATCH
『The Embodiment Of Instrumentation』 (2002)
ローパドープのフィリー・アプローチ第2弾となったのが、ルーツの口芸人として名を馳せたスクラッチによる今作。主役のアクロバティックなヒューマン・ビートボックスをメインに、同郷のジル・スコットやビラルらがそのノドを聴かせる。生音にこだわった音作りがこのレーベルらしいね。(大石)
THE YOHIMBE BROTHERS
『Front End Lifter』 (2002)
NYダウンタウン界隈での活動も盛んなヴァーノン・リード(元リヴィング・カラー)とDJロジックが組んだアヴァンギャルドなブラック・ロック盤。ヴァーノンのメタリックなギターが舞えば、ロジックもキレキレのスクラッチで応戦。その凄まじさにはプリンス・ポールとスリック・リックの参加も霞むほどだ。(大石)
VARIOUS ARTISTS
『None But The Righteous : The Master Of Sacred Steel』 (2002)
別掲のワードから発展した形として、ジョン・メデスキーの選曲で出されたセイクリッド・スティールもののコンピ。3曲が取り上げられたキャンベル・ブラザーズを筆頭に、ゴスペルのイメージをガラリと変えるロッキッシュなギター・ジャムが展開されている。(大石)
CHARLIE HUNTER QUINTET
『Right Now Move』 (2003)
ギターとベースの音をいっしょに出す変則8弦ギター(ローランド・カーク奏法とオルガン・ジャズ音から導き出したもの)の使い手、チャーリー・ハンターのブルー・ノートから移籍しての10枚目。自己トリオにトロンボーンとハーモニカ奏者を加えた編成で、やんわりと酔狂さを求めた一作だ。妙なクールネスもあり。(佐藤)