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第80回 ─ そろそろリアルなジャマイカに足を踏み入れてみませんか?

連載
360°
公開
2006/01/26   18:00
ソース
『bounce』 272号(2005/12/25)
テキスト
文/池城 美菜子

ジャマイカとはどういう国なのか? それを知ることがレゲエの本質に近づく第一歩!

 ルーツ・レゲエとかスカとかダンスホールとかラヴァーズ・ロックとか。スラックネスとかコンシャス系とかニュー・ダンスものとか。レゲエを時代や地域別に区切ったり、トピックごとにまとめたり。そういう作業は否定しないし、場合によっては便利だとも思うのだが、忘れないでいたいのは、いつどこでどう展開されようともレゲエの根っこはひとつしかない、ということ。すなわち、レゲエはジャマイカで生まれ、ジャマイカの人々と共に生き続けている音楽である、ということ。踊れるレゲエにしか興味がない人も、逆にゆったりしたレゲエしか受け付けない人もいるだろう。それはそれでいいと思う。でも、〈レゲエは好きだけど、ジャマイカの話はどっちでもいいや〉という態度はいただけない。だって、何が入っているのか素材を知らないまま、特定の料理を好んで食べ続けるようなことを、普通はしないでしょ。

 根っこがひとつしかない=レゲエは基本的にひとつのファミリー・アフェアとも言える。各アーティストの繋がりは、こちらが考えるよりもずっと濃厚。ダミアン・マーリーとバニー・ウェイラーの付き合いはほとんど甥と叔父だし、ビーニ・マンとバウンティ・キラーはライヴァル関係にあっても、肝心な時はお互いをサポートする。このファミリー・アフェアを理解し、気持ちのうえで参加すれば、さらにレゲエを身近に感じられるはず。そう、〈Support Jamaica, Buy Jamaican〉の精神を理解するのが、このページのテーマだ。