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第54回 ─ もぎたて果実を召し上がれ──食べ頃ギャルが大集合!!

ANA JOHNSSON グルメも唸らせるメロディーメイカーが登場よ!

連載
360°
公開
2004/11/18   15:00
更新
2004/11/18   15:24
ソース
『bounce』 259号(2004/10/25)
テキスト
文/妹沢 奈美


  元プロ・スノーボーダーとしてつとに有名なアナ・ジョンソンは、実は元レコード店店員。ソングライターとして〈音楽好き〉なのは当然だと思われがちだが、アナの場合は筋金入りだ。

「そうね、確かに入手の難しいものとかを見つけやすい立場になるから。そうやって店員の人は詳しくなっていくのよね」。

 そんな環境から得た知識やセンスを現在のソングライティングに活かしていることは、想像に難くない。ゆえに彼女のデビュー・アルバム『The Way I Am』のサウンドは多様だ。本人もいちばん好きだというオルタナティヴ・ロック風味から、サーフ・ロック(さすがスポーツ・ウーマン!)、胸躍るようなポップ・サウンド、そしてギター・ロック。さらにはプライムとパイレーツという、まだまだ新人といえるスウェーデン出身の2組のバンドの曲を「だって本当にいい曲を書くバンドたちだから」とカヴァーしている。

  どの曲にもザクッと胸に突き刺さるフックがあるため、耳触りのいいポップスとは一線を画する。だから、また聴きたくなる。これはもしかして、レコード店で働いてるときに、お手軽にサラッと聴ける音楽が周囲には山ほどある現実にうんざりしたから、とか?

「んー、当時はまだプロになるとか、レコード契約がもらえるなんて夢にも思ってなかったから、そういうふうには考えなかったかな。ただ、〈ヒット・ソングを作ろう!〉なんてふうには考えず、とにかくいい曲を、って一貫して思っていたの」。

 あくまで真っ直ぐ。まぶしいほどに素直なのも、アナの持つ魅力の一つ。彼女が人間の底力を信じていることは歌詞にも表れている。だから、聴いているうちにこっちの背筋もシャンと伸びる。浄化されるようなこの不思議な感覚が、たまらない。