──まず、〈シティー・ポップ〉と聞いて、思い浮かぶレコードは?
「寺尾聰の『Reflections』かな」
──同感ですね。
「当時は大人の音楽、喫茶店でかかってそうな印象がありましたね」
──シティー・ポップは、現在の日本のポップスにも影響を与えていて、GREAT 3も少なからずそうであると考えているのですが、シティー・ポップのどんな部分をリスペクトしていますか?
「時に現実離れしたシチュエーションを歌い、演出するにも関わらず、聖と俗という人間の根源に抵触する無常観が素晴らしいと思いますね」
──少々重複しますが、シティー・ポップのおもしろいところ、魅力的なところはどんなところでしょう?
「いま〈シティー・ポップ〉と口に出して言うのがなんとも居心地が悪くてイイ感じです。読むつもりなんて毛頭ないのに、視界に入ってしまった〈わたせせいぞうの漫画〉みたい。当時の先輩方は結構みんなマジであの世界に浸っていたような気がしますけど」
──GREAT 3をはじめ、ここで紹介している最近のアーティストの音楽を〈シティー・ポップ〉と呼ぶのは少々抵抗があるのですが、なにか適当な呼び方はないでしょうか?
「いずれも質の高いポップ・ソングを作れる素晴らしいミュージシャンだと思います。ただ、適当な呼び名を見つけるのは非常に困難だと思います。僕は単純に〈ポップス〉だな、とは思います」