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第14回 ─ シティー・ポップ

シティー・ポッパーに訊く その1──角松敏生

連載
Discographic  
公開
2003/05/29   17:00
更新
2003/06/12   17:42
ソース
『bounce』 243号(2003/5/25)
テキスト
文/久保田 泰平

──当時の〈シティー・ポップ〉は、どういう音楽であったと思われますか?

「70年代からの高度経済成長の結果として、もっともモラトリアムな時代背景を持った80年代。情報量もそれほど多くないのに、よりスタイリッシュなものをめざそうとして欧米文化に近づこうとしたが本物になりきれず、しかし逆に、ジャパン・オリジナルというべき希有な文化が生まれた。〈シティー・ポップ〉なる呼称もそんな背景で誕生したもの。真剣なんだけど滑稽、芸術的な砂の城、素晴らしく精巧にできたおもちゃ……そんなイメージでしょうか。時代が産んだ完璧な造語ですね。好きなことをやっていただけなので、自分の音楽が〈シティー・ポップ〉と呼ばれるのは、宣伝的にいいのかな?とも思いながら若干の困惑はありました」

──ここで紹介している最近のアーティストが示すように、〈シティー・ポップ〉には、現在でも通用する部分があると考えますが?

「時代の持つ精神的、物質的背景があったからこそ生まれた音楽であり、現在にはそのまま成立しないものですが、現在の若手アーティストがそれら、あるいはシティー・ポップなるものを創ってきた先人たちがお手本としてきた洋楽を聴いてきた環境があったはずで、それがテイストとして現れているのではないでしょううか。現在は、80年代のような〈大人であることのかっこよさ〉(でも、実際はなにも伴っていなかった)はあり得ず、若者は大人になりたくないと言います。そのように〈80年代〉がいよいよ形骸化したなかで、大人として自分たちの娯楽を求め始めた結果、シティー・ポップへの郷愁を叫んでいるのかも知れません。限りなくポップであるということの価値だけを残して……」

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