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第14回 ─ シティー・ポップ

第14回 ─ シティー・ポップ(2)

連載
Discographic  
公開
2003/05/29   17:00
更新
2003/06/12   17:42
ソース
『bounce』 243号(2003/5/25)
テキスト
文/小野田 雄

元祖シティー・ポップの名盤たち その1

門あさ美
『SACHET』 テイチク(1980)
とびっきり色っぽい声、ルックスゆえに、そのソングライティング力は過小評価されているかも。摩天楼の煌めきが似合うシルキーなメロディーはせつなさ1000%! 大人の恋を描いたリリックも、いまだ未熟なオレなんかにはまだまだ行き着けない理想の世界。“やさしい声で殺して”なんて歌われたらそれだけで昇天必至。(栗毛)


浜田金吾
『Gentle Travelin'』 AIR/BMGファンハウス(1981)
〈浜田〉といえば……金吾。〈都会〉が与えてくれる快楽や幻想、退屈や憂鬱を、西海岸AORを匂わせるアーバン・メロウなサウンドに乗せた、これぞまさしくシティー・ポップ。居酒屋~カラオケ~×××……といったナンパ・コースが定番となっているような男女のサウンドトラックには決して成り得ない、紳士な佇まい。(久保田)

竹内まりや
『Miss M』 BMGファンハウス(1980)
デヴィッド・フォスター、ジェイ・グレイドンはじめ、TOTO、エアプレイたちと組んだ前半が超AORなLA録音。ドレスアップに相応しい素材を用意した作家陣、ピーター・アレン、ロジャー・ニコルス、山下達郎のエスコートも完璧。と、よそゆき顔で華やいだハリウッド・パーティーは2人のバカンスの思い出に。(萌木)

大滝詠一・佐野元春・杉 真理
『ナイアガラ・トライアングル VOL.2』 ナイアガラ/ソニー(1982)
山下達郎と伊藤銀次が参加した〈VOL.1〉に続き、佐野元春と杉真理という稀代のポップ・スターを見い出した好企画盤。本作における大滝詠一作品がいささか地味に感じるのは、若手二人がここぞとばかりの佳曲を生み出してしまったから(そこが大滝の狙いか?)。〈VOL.3〉は堂島孝平と伊藤俊吾(キンモクセイ)あたりでぜひ!(栗毛)


松原みき
『Pocket Park』 ポニーキャニオン(1980)
なにはともあれ“真夜中のドア/Stay With Me”。タイトなリズムに小気味良いギター・カッティング、そしてエレピがフロウするアレンジは完璧! そんな素敵なデビュー曲を仕立ててくれたのは〈アーバン・グルーヴ職人〉林哲司。ほかにも惣領泰則、梅垣達志といったスタッフが勢揃いした、シティー・ポップの教科書的アルバム。(栗毛)


南 佳孝
『Seventh Avenue South』 ソニー(1982)
デヴィッド・サンボーンのむせび泣くアルトにニック・デカロの流麗なストリングスが彩りを添えて始まる珠玉のNYストーリーズ。ほろ苦いダンディズムをクールに極めて、摩天楼のイルミネーションさえ粋に着こなして見せる。浮かぶ大人の恋慕情は、エドワード・ホッパーの描いたダイナーに漂う温もりと冷たさにも似て。(萌木)