BROTHOMSTATES 『Claro』 Warp/BEAT(2001)
ブロッサムステイツはフィンランド発のエレクトロニクス独り遊び。〈IDM〉という言葉から浮かぶイメージがそのまま似合う風情の、クリアでクールで角張ったサウンドが心地良いが、なぜか朴訥とした温もりも同時に感じさせるのが耳新しいかも。次作が待たれる。(柚木)
NIGHTMARES ON WAX 『Mind Elevation』 Warp/BEAT(2002)
これまでのスモーキーなテイストが若干ながら後退し、ソウルやレゲエの影響をストレートに表現した最新作。R&B風女性シンガーの起用や、キャッチーなメロディー・ラインを採り入れたことで、ポップ度数が格段にアップし、非常に取っつきやすい。(青木)
VINCENT GALLO 『Recording Of Music For Film』 Warp/BEAT(2002)
ヴィンセント・ギャロの自作スコア集。収録曲の録音年代は79~98年と幅広く、もちろん「バッファロー66」のスコアも収録。アンビエントな手触りのなかに、プログレなどのエッセンスが無造作に滲み出る拙さは、何かイノセントで微笑ましくもある。(柚木)
REQ 『Sketchbook』 Warp(2002)
ダウン・ビートの化学者、レック。渋めの洞窟系アブストラクトなサウンドで、そのなかに薄明るいエレクトロニカ、あるいは薄暗いヒップホップの輪郭がぼんやり浮かぶ重ためのブレイクビーツが圧巻。スキントから移籍してきた人だけれど、ワープのほうが肌に合うことは間違いない。(柚木)
SQUAREPUSHER 『Do You Know Squarepusher?』 Warp/BEAT(2002)
エレクトロニカ寄りのアプローチも見せる2枚組アルバム。作風の変化もさることながら、ジョイ・ディヴィジョン“Love Will Tears Us Apart”のまんまなカヴァーに度肝を抜かれる。Disc-2には臨場感抜群の日本でのライヴを収録。(青木)
MORVERN CALLAR 『Soundtrack』 Warp/BEAT(2003)
ワープが初めてリリースしたサントラは、新進気鋭のリン・ラムジー監督作「モーヴァン」のもので、作中でも重要な役割を担うもの。カン、エイフェックス・ツイン、リー・ペリーらを収録し、エレクトロニック・ミュージックの歴史を凝縮した選曲が光る。(青木)