GEORGE BENSON 『Breezin'』 Warner Bros.(1976)
ジョージ・ベンソンは60年代から活躍してきたギタリストだが、本作で社会現象的な存在になりグラミー賞の3部門を受賞した。当時のワーナー・ブラザーズ最高のスタッフが結集して作られたサウンドのなかで舞うスキャット感覚のギターは、〈爽やか〉の一語に尽きる。(今村)
JOE SAMPLE 『Rainbow Seeker』 Blue Thumb/GRP(1978)
70年代のクルセイダーズを成功に導いたのは彼のフェンダー・ローズ・ピアノだろう。ファンキーなリズムのなかに品のいいメロディーを溶かし込んでいくセンスがとにかく抜群なのだ。全曲泣きメロの楽曲で構成された本作は、入門篇としてもおすすめ。(今村)
GROVER WASHINGTON Jr. 『Mister Magic』 Motown(1975)
ソロソロと歩み寄ってくるグローヴァー・ワシントンJrのサックスに寄り添うボブ・ジェイムスのフェンダー・ローズが映える今作は、メロウさと柔らかなソウル感覚の混ざり具合が絶品! 脈々と連なるスムース・ジャズの美学を完成の域にまで高めた一枚だ。(今村)
RANDY CRAWFORD 『Now We May Begin』 Warner Bros.(1980)
全米で大ヒットを記録したクルセイダーズの『Street Life』にフィーチャーされたことで脚光を浴びたランディ・クロフォードが、その勢いを受けて発表した一枚。ハスキーなのに伸びやかな声が素晴らしい! 現在の〈ディーヴァ系〉の元祖か?(今村)
AL JARREAU 『Glow』 Reprise/Warner Bros.(1976)
スキャットが上手すぎるがゆえに技術面ばかりが語られがちだが、その声が光るのはやはりメロウなサウンドに包まれた瞬間。アル・シュミットのプロデュースによるこの傑作からは“Rainbow In Your Eyes”がいまも盛んにクラブ・プレイされている。(今村)
PATTI AUSTIN 『Havana Candy』 CTI(1977)
彼女のCTI時代の作品も、今様R&Bヴォーカルの基礎となっている。アレンジャーであるデイヴ・グルーシンが集めたスタッフのメンバーを核とする超豪華ミュージシャンたちをバックに、エモーショナルなミディアム・チューンを次々と歌い上げていく様は圧巻。(今村)
LARRY CARLTON 『Playing/Singing』 Blue Thumb/GRP(1973)
説明不要のギタリスト、ラリー・カールトンのAOR色濃い作品。アル・クーパーを思わせる切な気なカールトンのヴォ-カルが魅力的で、シンガー・ソングライターのような趣きもある。クルセイダーズも参加していた、まさに名盤です。(西岡)
RALPH MACDONALD 『The Path』 Antisia(1978)
彼は無数のセッションに参加してきたパーカッション奏者だが、時には甘いメロディーも書く。グローヴァー・ワシントンJrのあの“Just The Two Of Us”も彼のペンによるものだ。本作は、後半における怒涛のメロウ・チューンの応酬が聴きもの。(今村)
SALENA JONES WITH STUFF 『My Love』 ビクター(1981)
スタッフがまるごと歌伴に回った作品はいくつかあるが、なかでも今作は最高傑作。全編バラードで統一され、70年代の匂いが凝縮されたこの歌と演奏は、メロウ派にとってはたまらない内容だ。愛聴盤としていつまでも手元に置きたくなるような一枚。(松沢)
WILBERT LONGMIRE 『Sunny Side Up』 Blue Thumb/GRP(1978)
ジョージ・ベンソンが発掘したギタリストによる〈目玉焼き〉盤。デビュー作にしてボブ・ジェイムス人脈の豪華ミュージシャンを起用している。ベンソン・ライクなギター&ヴォーカルを披露した、メロウ好きにはたまらない内容だ。(松沢)

GARY BARTZ 『Love Song』 Pヴァイン(1978)
ゲイリー・バーツというとどうしても〈スピリチュアルなサックス奏者〉というイメージがありますが、西海岸のジャズ・レーベル、カタリストからリリースされたこの作品はとてもライト・メロウな雰囲気を持った一枚。ナイト・クルージングのBGMにも最適です。(西岡)