SKETCH2:レコーディングでの印象的な事件を絵日記風に
高橋「(細野さんの絵を見て)あ、そうかそうか。カレーばっかり食べていた。ジャンク・フードとしてね」
画・細野晴臣
細野「自虐的に。普段グルメなくせに、スタジオでは貧相なご飯を食べるのがいいらしい。で、蕎麦屋のカレーがいいってことで」
高橋「スタジオのすぐ裏の蕎麦屋なんだけど」
細野「そう。それが、事件があって、亭主が拳銃で撃たれちゃった。TVでニュースになるような事件があって、大変だったんだ」
高橋「もうあのカレーが食えないって(笑)」
──でもって高橋さんは……海ですか?
画・高橋幸宏
細野「幸宏の別荘だね」
高橋「歌詞を作りに行ったとき。合宿ですね。スタジオで歌詞考えてもだめだから、何かきっかけがあればって思って誘ったんです。それで海岸を2人で散歩していたら、犬が寄ってきたんですよ(笑)」細野「合宿なんて初めてだね(笑)。はっぴいえんどで旅したことはあるけど。楽しかったね。集まってトランプやったり(笑)」
──この散歩を元に作った歌詞は……。
高橋「“Wilson”ですね」
細野「まさしく〈砂の上のウィルソン〉。そういうタイトルを考えていたんですよ。誰もいなかったんですよ、この時本当に」