SKETCH1:〈オーディオ・スポンジ〉ってどんなスポンジ?
細野「僕の中でスポンジは円いものだと思っていたけど、幸宏は違うみたいだな(笑)」
高橋「四角いと豆腐みたいになっちゃうね」
──スポンジが円い理由って……?
高橋「細野さんは丸顔なんですよ(笑)」
──それぞれの顔形になってますね(笑)。
細野「自画像になっているね」
──今回のタイトル『AUDIO SPONGE』って何を意味しているんですか?
細野「イギリスの音楽家/評論家のデヴィッド・トゥープの本の中に〈ヒューマン・オーディオ・スポンジ〉って言葉があって。何でも吸収していくような現代人を皮肉っているわけですけれど、それを使わせてもらった。僕らはそうやって音楽を吸収してきたし、実際、自分たちがそうだと思うからね」
──ただ、スポンジがまったく吸わない時期っていうのもあるわけですよね。
細野「何だろうな、いっぱいになっちゃうとスポンジって吸えないじゃないですか。絞り出すわけですよ。音楽家が作品を作るっていうのは、それを絞る行為だと思うね。ただ、今回はそれが同時だったかもしれないね」
高橋「うん。いろんなものから影響も受けたし、作りながらね」
画・細野晴臣
画・高橋幸宏