カスタマーズボイス一覧

ナンシー夏川さんが書いたカスタマーズボイス

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戦後の混乱期、当時10歳の松本零士は、道に落ちているSP盤を拾って帰り、聴いてみたら良い曲であったので何度も繰り返して聴き、それ以来クラシック音楽ファンになったそうだ。
この特集で松本零士のエピソードを読むだけでも、その曲を聴いてみたいと思う人はいることだろう。
売文業者や雑文書きが偉そうにしている『レコード芸術』誌などより、よほど入門者向けに有益だと思う。

「本国の50Hz以下はカットの指示を無視してカッティングされたオイルショック前の国内盤LPが最強」と書いている人がいる。和田則彦がそのように書いたのはオーマンデイのLPについてであった。バーンスタインとNYPの録音で、超低域に入っているのは地下鉄走行の振動やホール空調の動作音などのノイズだった。むしろカットされて音が良くなったと思う。

CD5に、「不幸なことに第九の第四楽章のオリジナルテープは発見できませんでした。やむなくLP盤から板起こししました」という趣旨の注釈がある。
その点だけは残念だが、買った価値はあった。

「クライバーの代表的なチャイコフスキー録音、世界初CD化」とあるが、では今もタワーレコードが販売しているTestament盤は何なのか。
かつて「POCL-4102」の品番で国内発売されていた『悲愴』は何なのか。
デタラメなことを載せるな。

ワルシャワ・フィルとの5番は、1999年に国内盤が発売されていた。
しかし、リマスタの音質には疑問の残るものであったので、今回の音質改善に期待している。
ロンドン響との5番とウィーン響との1番を組み合わせた輸入盤も所有してるが、こちらは確かに、ロンドン響の洗練度の高い演奏が印象的。ドヴォルザーク交響曲全集と並んで、ロヴィツキの交響曲録音の代表作であると思う。

企画としては面白いが…
ルドルフ・アルベルト指揮のディスクは、以前AccordレーベルからCD化されたときには、序奏から「春のきざし」へ移るのに2秒無音部分が入る…といった感じで、全トラックにプリギャップが入ってるという、素人のような勘違いが起こっていた。
今回は、ちゃんと収録されているのだろうか?

どこの誰がリマスタしたのだろう?
「2012年最新マスター音源使用」とは書かれていても、リマスタリング・エンジニアの名前は、どこにも記載されていない。
名前を出せないような、従来から不評のあの人がリマスタしたのだろうか。

個人的には、フィラデルフィアとの3曲が特に良いと思う。
10番など、この演奏で聞くと輪廻転生というか永劫回帰というか、全体が巨大な円環となって永遠の愛を謳っているように聴こえる。
この美しさは格別のものだ。

本番は、かねてから一部のファンの間で評価が高かった。しかしCD時代に入ると、海外のバジェットプライス盤では音質にも限界があり、真価はわからなかった。今回はリマスタの音質に期待したい。

ミサ曲は、もともと米マーキュリーのオリジナルCDでも、「キリエ」「グローリア」「サンクトゥス-ベネディクトゥス」「アニュス・デイ」の4トラック。3トラック目を2曲と数えれば5曲ということであり、「クレド」は、初めから無い。確認してからレビューしてほしいものだ。

「カタログつきCD」ではなく「サンプルCDが付いたジャケットサイズのカタログ」と言うべき体裁だが、廉価ゆえに許容範囲か。

日本国内では評論家受けしない、このようなディスクの復活こそ有意義だと思う。モーツァルトの協奏曲では、ゼルキン親子によるK.365 (316a) や、カサドシュ一家によるK.242も、復活させてほしい。

無いものねだりですが、CD1の収録時間に、まだ余裕がありますから、できることならワッツ&バーンスタインによるリストの協奏曲第1番も収録していただきたかった。ちょっと残念。

海外盤では持続的なノイズが耳障りな第7だが、こちらのマスターは良好。これを待っていました。

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