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Mahler: Symphony No.1 "Titan"
ブルーノ・ワルター、他
平林先生のふれこみどおりグランドスラムレーベル最高傑作と言える。涙が出るほど高額だったというオープンリールテープとのことだが、ワルターの真髄がここにあり、それが2000円で入手できるのだから、大いに感謝しなくてはいけない。なお、ワルター自身による楽曲解説もこれまでの不完全なものから、完全版として翻訳しなおすという念の入れようで、素人にとっては楽曲理解の大きな助けとなるものである。
リリー・クラウス 1963年1月27日 NHK 録音
リリー・クラウス
感動した。これは、大変な掘り出しものだと思う。これほど鮮度の高い録音が眠っていたとは驚いた。あの素晴らしい1956年のピアノソナタ全集と比較しても、衰えを感じさせず、彼女特有のピア二ズムは健在で、むしろ録音の良さもあるためか、真髄に触れられた気がした。
MAHLER:SYMPHONY NO.1 "TITAN"/LIEDER EINES FAHRENDEN GESELLEN (HB/+BONUS CD):BENJAMIN ZANDER(cond)/PHILHARMONIA ORCHESTRA/CHRISTOPHER MALTMAN(Br)
ベンジャミン・ザンダー、他
ザンダーのマーラーは本番がレコ芸特選になっており、当時、感銘を受けたが、最近、一連の録音が廃盤寸前と知り、急いですべて購入した。毎日、聴いてきたが、どの録音も優秀であり、これほどマーラーを優美にわかりやすく演奏した例を知らない。インバルもよいが、全く違ったアプローチによる究極のマーラー像がここにある。
The Renaissance of Italian Music - National Gallery Collection<限定盤>
ナショナルギャラリー所有の絵画を見ながら、ルネサンス期の音楽のエッセンスを手軽に味わえる好企画である。演奏も高水準な演奏であり、感動した。
Janos Starker - Period Recordings / Maximillian Pilzer, Castle Hill Festival Orchestra, etc<限定盤>
ヤーノシュ・シュタルケル
ものすごい臨場感のあるサウンドに驚いた。モノラルだが、音が情報量に富んでおり、まるで今、目の前で演奏しているかのようである。しかも2枚組すべて二重丸の出来である。シュタルケルの真価を味わうには、絶対にこのCDは避けて通れない。なお、米国製にも関わらず、日本語のパッケージ、解説書も翻訳のみが掲載されており、日本仕様となっているのがうれしい。日本語に多少違和感のある個所もあるが、努力の跡が垣間見える。
プレリュード - 「平均律クラヴィーア曲集」を巡るあるピアニストの心象 / エフゲニー・ザラフィアンツ
エフゲニー・ザラフィアンツ
フーガをなくしてプレリュードのみ、それも1巻2巻のプレリュードを対比させて配列しなおしている。レコ芸でも絶賛されていたが、全く新しい音楽を創造したかのようで、ザラフィアンツの芸術家としてセンスの良さが感じられる素晴らしい1枚。
Sydney Symphony Orchestra - 75th Anniversary Collection:Mahler:Symphony oNo.2 "Resurrection"/Beethoven:Symphony No.2/Antill:Corroborree/etc:Otto Klemperer(cond)/Eugene Goossens(cond)/John Hopkins(cond)/Willem van Otterloo/etc
シドニー交響楽団、他
シドニ-響の歴史的ドキュメントなので、しかたがないが、1枚目のクレンペラーは音が悪すぎる。さすがに順を追って録音も演奏もよくなってゆく。出色なのが、4枚目の大地の歌と5枚目のアルプスシンフォニーだ。ちなみに競合店と比べてもこの値段は超お買い得となっており、2曲だけでも買う価値があるでのはなかろうか。
ベートーヴェン: 交響曲第3番「英雄」
朝比奈隆、他
完成度からは、1977年の東京文化会館ライブには及ばないと思うが、当演奏も朝比奈先生らしい、骨太、剛毅な演奏でさすがだと思った。
チャイコフスキー: 交響曲第4番, 他 / ネッロ・サンティ, NHK交響楽団
ネッロ・サンティ、他
オペラピットからたたき上げの指揮者として知られる、イタリア人指揮者サンティなので、イタリアンオペラは得意とするところだろうが、チャイコフスキーはそれ以上に素晴らしい出来ばえだと思う。これほど恰幅のよい音をN響から引き出すのだから、巨匠中の巨匠だと絶賛したい。
R.シュトラウス: 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」 Op.30; ワーグナー: タンホイザー序曲, 他 / ダン・エッティンガー, 東京フィルハーモニー交響楽団<タワーレコード限定>
ダン・エッティンガー、他
同じシリーズのチャイコフスキーのほうは音質含め酷評したが、こちらは音質もよいし、こちらはなかなか素晴らしいと評価したい。
モーツァルト: ピアノ協奏曲第21番 KV.467; チャイコフスキー: 交響曲第5番 Op.64 / ダン・エッティンガー(指揮&ピアノ), 東京フィルハーモニー交響楽団<タワーレコード限定>
チャイ5番は、マイクが残響を拾いすぎており、音がぼやけてしまっている。あまりにもお粗末なものだ。指揮も残響を計算してか、ゆっくりとしたテンポで進んでいくが、音の悪さを飛び越えて伝わってくるものが皆無である。よって、たいした演奏ではなかったと判断せざるえない。モーツァルトのほうは、ホールも違うが、そこそこの演奏を見せている。千円でも高すぎる。
ショパン: ピアノ協奏曲第1番&第2番
ラファウ・ブレハッチ
センス抜群、素晴らしいピアニストだと思う。ツイマーマンの演奏に匹敵するのではないか。ただし、こちらは正攻法だ。一音一音がまるで宝石のようにきらめき、ニュアンス豊かで、コンセルトヘボウによる伴奏も抑制が効いており、ピアノと完全に一体化している。ショパン以外の演奏はどうなのだろうか楽しみだ。
Puccini : Arias -From Madama Butterfly, La Boheme, Tosca, Manon Lescaut, etc / Karine Babajanyan(S), Pier Giorgio Morandi(cond), Budapest SO, etc
カリーネ・ババジャニアン
素晴らしい一枚。歌曲のCDで久しぶりに感動した。聞いたことのないソプラノだったが、声もさることながらその美貌がいけている。こういう人がプッチーニのアリアを歌えば、感動しないわけがない。
VOXヴィンテージ・コレクション第1回-2::ストラヴィンスキー: 3大バレエ音楽集 プロコフィエフ: 管弦楽曲集 / スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ, ミネソタ管弦楽団
ミネソタ管弦楽団
さすが、ミスターSである。評価を最高とすることに何の疑問もない。どの曲の演奏も完成度が極めて高く、録音もよい。
Prokofiev: Romeo and Juliet Suite No.2; Tchaikovsky: Symphony No.5 / Evgeny Mravinsky, St.Petersburg PO
エフゲニー・ムラヴィンスキー、他
ステレオ録音で音質良好なので、ムラヴィンスキーの真髄を味わえる録音ではなかろうか。最初のプロコからして尋常ではない。チャイコはALTUSの1977年来日ライブより、古いグラモフォン録音のほうに表現が近い。オーソドックスで迫力は多少欠けるかもしれないが、安心して聞ける上、飽きがこない。
ポール・パレーの芸術 Vol.4 -20世紀フランス作品集: パレー: ミサ曲「ジャンヌ・ダルク没後500年を記念して」; F.シュミット: バレエ「サロメの悲劇」 Op.50, 他 / ポール・パレー指揮, デトロイトSO<タワーレコード限定>
ポール・パレー、他
これまたヒットだ!パレーのミサ曲ジャンヌダルク没後500年を記念してが素晴らしい出来ばえ。ミサ曲の典礼形式に沿って作曲したものなので、対訳がなくともよいが、クレドが欠如している。パレーはこの最後のアニュスデイの演奏が最も困難だが、この演奏で5曲が完全に同じ水準になった演奏者に感謝します・・と語っているようで、不可解だ。完全復刻していただきたい。
ポール・パレーの芸術 Vol.2 -ブラームス&ワーグナー: 作品集: ブラームス: 交響曲第4番 Op.98; ワーグナー: パルジファル第1幕への前奏曲, 他 (1953-56) / ポール・パレー指揮, デトロイトSO<タワーレコード限定>
ブラ4、素晴らしい。冒頭部から他の指揮者、演奏とは次元が違う。ザンデルリンクやチェリとは違ったスタイルだが、こちらのほうがスット耳に入ってくる点で自分好みだ。さらにワーグナーも逸品である。パレー恐るべし!!
ポール・パレーの芸術 Vol.1 -モーツァルト&ベートーヴェン: 交響曲集: モーツァルト: 交響曲第35番 K.385 "ハフナー"; ベートーヴェン: 交響曲第1番-第2番, 他<タワーレコード限定>
ハーフナーが目的で購入したが、ベートーヴェンもすべて素晴らしい熱演であった。というか、これほどの演奏はそう滅多に耳にできないと思う。1500円、即買いである。
V.Silvestrov: Bagatellen und Serenaden -Bagatelle for Piano, Elegie, Stille Musik, etc
アレクセイ・リュビモフ
最初のバガテル。これほど安らぎに満ちた曲がこれまであっただろうか。弦楽合奏曲もすべて逸品だと思う。交響曲5、6番もすべてが純化された音世界であって、もはや人間界の音楽を超越している。ヴァレンティン・シルヴェストロフ恐るべし!
Brahms: Symphony No.1 Op.68; Schoenberg: Verklarte Nacht -For Orchestra 1917
ヘルベルト・フォン・カラヤン、他
ブラ1はまるで晩年のクレンペラーの演奏かと思うほど、ゆったりとしたテンポをとりつつ、間延びすることなくすべての音を鳴らしきっている。惜しむらくは録音がいまひとつなことだが、この世紀の名演を鑑賞しているうちに気にならなくなる。またシェーンベルクのほうもたいへん美しい演奏であり、音質も申し分ない。
シューベルト: 交響曲第8番「未完成」 D.759; シューマン: ピアノ協奏曲 Op.54<タワーレコード限定>
マルタ・アルゲリッチ、他
シューマンのピアノ協奏曲が断然素晴らしい。アルゲリッチのこれまでの同曲演奏をすべて超えている。
ケント・ナガノ・コンダクツ・ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」、「エグモント」&「ザ・ジェネラル(司令官)」
ケント・ナガノ、他
フランス革命の理想と名づけられた当アルバムは、演奏も最高ランクと評価したいが、何より世界初録音の「司令官」における創造性とベートヴェンの高い理想と精神を凝縮した当アルバムの構成力を高く評価したい。なお、輸入盤もあるが、日本語による解説や歌詞対訳のある国内盤がお勧めである。
Mussorgsky: Pictures at An Exhibition; Borodin: Symphony No.2, Polovtsian Dances (12/31/2007: Silvester Concert) / Simon Rattle(cond), Berlin Philharmonic Orchestra
サイモン・ラトル、他
展覧会の絵は、素晴らしい出来ばえだ。斬新極まりない造型は高度に完成されているよえ、決してうるさくならず、どこまでも芸術的である。ラトルとベルリンフィルはいま最高の状態にあると思われる。
ベートーヴェン: 交響曲第9番《合唱》 (7/29/1951) (音源: バイエルン放送)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、他
最初は、ダイナミックレンジの狭さにいまひとつかと思っていたが、聞き込むにつれ、音の分離がよく、EMI盤などよりも細部までよく聞き取れることがわかり、感動した。オタケン盤もよかったが、あくまでEMI盤の延長にあった。その意味でオルフェオ盤とは単純に比較することはできない。なお、同時期にリリースされたミソス盤は全く評価できない。迫力はすごいが、音質を恣意的に操作している感があり、不自然だ。
ラヴェル名演集: ボレロ, 亡き王女のためのパヴァーヌ, スペイン狂詩曲, 他<タワーレコード限定>
ジャン・マルティノン、他
感動した。すべて名演だと思うが、亡き王女のためのパヴァーヌ、マ・メール・ロワあたりは絶品。音質面も音の分離がよく十分満足できる。
アイヴズ:交響曲第1番/答えのない質問/管弦楽組曲第2番/ロバート・ブラウニング序曲:モートン・グールド指揮/シカゴ交響楽団 <タワーレコード限定>
モートン・グールド
恥ずかしながらアイヴズは初めて聞いたが、広告に偽りはなかった。特にロバート・ブラウニング序曲は様々な楽器の不協和音が洪水のように押し寄せてくるため、最初ちょっと生理的な拒否反応を生じたが、最後の最後でつかの間の平穏が訪れる。アイブズという作曲家の本質が現れている気がして、また怖いものみたさで、いつの間にかCDに手が伸びてしまうのである。
メンデルスゾーン:オラトリオ「最初のワルプルギスの夜」/序曲「フィンガルの洞窟」/劇音楽「真夏の夜の夢」より”序曲”/スケルツォ/夜想曲/結婚行進曲:ユージン・オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団<タワーレコード限定>
ユージン・オーマンディ
こんな素晴らしい曲があることを知らなかった自分を恥じる。最初、歌詞も見ないで何気なく聞き流すつもりが、ぐいぐい引き込まれてしまった。ありがたいことにこのシリーズは対訳がつき、解説つきの至れりつくせりで、おまけに1000円!タワレコの努力に感謝。
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