メンデルスゾーン:オラトリオ「最初のワルプルギスの夜」/序曲「フィンガルの洞窟」/劇音楽「真夏の夜の夢」より”序曲”/スケルツォ/夜想曲/結婚行進曲:ユージン・オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団＜タワーレコード限定＞

渾然一体の響き！オーマンディ＆フィラデルフィア管弦楽団の芸術、ここに極まる！！
「最初のワルプルギスの夜」世界初CD化。
「エリア」（TWCL-3023～24）の名演に匹敵するオーマンディと手兵フィラデルフィア管弦楽団による渾身の演奏です。
「最初のワルプルギスの夜」は、バッハ・ルネッサンスの立役者であったメンデルスゾーンがドイツ宗教音楽の伝統を継承しつつもファンタスティックでロマン溢れる精神を盛り込んだ傑作カンタータです。
フィラデルフィア管弦楽団が得意とする輝かしくも上質な響きをオーマンディが存分に引き出し、更にソリストと合唱が渾然一体となって至高の音宇宙を創る、まさにこのコンビでしか成し得ない名演と言えるでしょう。
声楽作品においても多大なる才能を発揮するオーマンディ。新たな魅力を再認識させられます。録音も少なく貴重なタイトルです。
日本語訳付


オーマンディの真価ふたたび
　このシリーズで先に発売され、好評を博したメンデルスゾーンの「エリア」は、オーマンディ＆フィラデルフィア管弦楽団の極めて充実した演奏によって、これまで発売された盤のいずれをも凌駕するほどの出来栄えであった。ソリスト＆合唱、オーケストラが一丸となって作り上げたスケールの大きな音楽は、他盤からは聴き得ないものであった。そして、今回世界初CD化された「最初のワルプルギスの夜」もそれに勝るとも劣らない出来栄えの演奏である。曲自体が、メンデルスゾーンの中でも珍しい作品であることも災いして、LP時代にこの演奏が発売された際には、まったくと言っていいほど話題にならなかったが、今ふたたび復活したことはまことに喜ばしい限りである。たとえ馴染みがなくても、一聴すればたちまち魅了されるだけの魅力を持った作品であるからだ。世俗カンタータであるこの曲は、ドイツの宗教音楽の伝統を踏まえながらも、メンデルスゾーンならではのロマンティックで美しいメロディとドラマティックな構成力を持った作品である。この演奏においてもオーマンディは、オーケストラと合唱を見事に掌握しており、劇的迫力に富んだ感動的な演奏を行っている。独唱者にも、ワーグナー歌手で知られるサイモン・エステスを始めとして、アメリカを中心に活躍する歌手達がオーマンディの薫陶の下、優れた歌唱を行っている。この名演奏によって、曲の再評価が進むことを願ってやまない。（宮澤賢哉）