メンバーズレビュー一覧

ブルックナー:交響曲第2番(第1稿 キャラガン版) / マーカス・ポシュナー、他

2番は、ブルックナーの交響曲でも版の選定が一番難しいと思っている。
今回のポシュナーに惹かれたのは、ギャラガン版によりながらスケルツォとアダージョの順番を入れ替えていること。
日本語の解説にもあるが、ギャラガンの並べ方は問題視する声が多く、それを反映した演奏を期待していただけに嬉しかった。
しかし、アダージョの最後のソロがホルンなのはどうなのだろう?
残念ながら、解説はその点に触れてくれていない。
それを別にすれば、演奏もとても満足いくものだと思う。

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ダイスキさんが書いたメンバーズレビュー

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(全10件)

まずコロン指揮のオーロラ・オーケストラが素晴らしい。既発売のモーツアルトの交響曲でピリオド奏法をマスターしていることをみせてくれていたが、今回はその上を行っていると言える。
冒頭のティンパニーの乾いた音がいかにもピリオド。そこにかなり前面に出ている感じで木管がでてくるのに驚かされる。その背後では、さっきとは違う柔らかい音のティンパニー。何より早めのテンポがこの曲の本質をついている。一時のピリオド奏法の演奏のような極端に走ることのない適度な激しさがあり、聞きほれてしまった。
ベネデッティはそうしたオケに負けない存在感を示していてまた見事。
特に関心したのは、オケがメインになってソロが伴奏になった時の繊細さ。これはなかなかできることではないと思う。
しかし、最大の聴きどころは第一楽章のカデンツア。ティンパニーがフューチャアされるのは最近では珍しくもなくなっていると思うが、今回のは別格と言っていいのでは。ティンパニストのセンスの良さにも魅かれる。
名曲だけにいい演奏はいくらでもあるし、関心した演奏も多いのだが、正直繰り返し聞きたいと思ったものはなかった。そしてこの演奏、毎日聞きたくなった。本当に素晴らしいと思う。

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2番は、ブルックナーの交響曲でも版の選定が一番難しいと思っている。
今回のポシュナーに惹かれたのは、ギャラガン版によりながらスケルツォとアダージョの順番を入れ替えていること。
日本語の解説にもあるが、ギャラガンの並べ方は問題視する声が多く、それを反映した演奏を期待していただけに嬉しかった。
しかし、アダージョの最後のソロがホルンなのはどうなのだろう?
残念ながら、解説はその点に触れてくれていない。
それを別にすれば、演奏もとても満足いくものだと思う。

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ポシュナーのブルックナーシリーズを初めて買った。
評判の石原勇太郎氏の解説は確かに読み応えがあり、貴重でもあり、評判通りだと思った。タイミング付きの楽曲解説が良い。演奏者による変更についても書かれている。
しかし、一番興味深かったのは、やはり稿についての解説。
この第一番だけ、リンツ版、ウィーン版という呼び方をするのはおかしい、第一稿、第二稿とよぶべきではないかという指摘に共感する。
考えさせられたのは今回演奏されているのが、できるだけ初演に近い形にしようとした稿だということ。第一稿というより、初演稿という方が適切のような気がした。
しかし、石原氏の解説によれば、ブルックナーは演奏されるあてもないのに改訂を続けていて、それがある時点でおこなわれなくなったという。そういう意味では途中経過のようなものより初演時のものが一つの結論として見直されるべきかとも思った。
演奏の方だが、ヴァイオリンの両翼配置と下手にチェロが置かれる配置が効果的で、この配置が私にとって理想的だという思いを強めた。
清新な感じで木管のソロが際立つ感じなのが初期の交響曲らしさを出している。こうした感じの演奏がこの曲以降の作品にあっているのかは聞いてみないとわからないが、期待を抱かせる好演と思う。

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シェーンベルクの室内楽集はLPで発売当時話題になったものだ。当時ほとんど聞くことができなかったブリットル・リーダーの「夢遊病者」はそれまでのシェーンベルクのしかつめらしいイメージを覆すものと評された。それを別にしてもこれだけシェーンベルクの室内楽を集めた物は今でも他にないので、これだけでも買う価値がある。ただし、これは日本では以前にも全曲CD化されていた。演奏は今聞いても新鮮に思える颯爽としたもの。いや、今だから余計そう感じるかもしれない。
ヴァイルも見事な演奏。このサイトで「マホガニー市の興亡」と表記されているものは実は「小マホガニー」なのだが、これがとても素敵な演奏。
ベルクとリゲティも素晴らしい(リゲティの二重協奏曲のソリストはこれ以上のものは今後も望めないだろう)。
モーツアルトやシューベルトはその存在自体知らなかったので聞いてみたいが、のこりの半分以上は持っているのでちょっと悩む。

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ガット弦によるだけでなく、演奏スタイルについても初演当時の演奏スタイルを考えるというHIP的発想を行い、さらにヴェルディが好んでいたという(当時のウィーンの標準より)低いピッチを使っている。その結果生まれたものが、極めて新鮮な感じのもの。ウェーベルンの清涼さ、ベルクのロマンティシズム。なにより、これほどすっきりしたシェーンベルクの2番は聞いたことがない。必聴である。

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これは素晴らしい。1960年のバイロイトとは別人のようなクナの「マイスタージンガー」。今聞いても新鮮そのもののクラウスの「パルジファル」。このどちらかだけのためでも買う価値がある。
「指輪」の抜粋集は聞く前はどうかと思っていたのだが、聞いてびっくり。いや、これは面白いし、素晴らしい。これは参りました、と言いたいくらい。
さらに付け加えると「マイスタージンガー」と「パルジファル」の抜粋もそれぞれの余白に入っていて、これも聞きものなのである。

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初めてこの指揮者の演奏を聴いたがこれは驚きだった。
テンポが非常に遅く、それを維持し続ける。その一方、会場やオケの性格もあるのだと思うが、非常にすっきりした響き。そうした中でこれまで聞いたことのないような音が聞こえてくる。別に細かいところを聞かせようとしているという感じでないのに聞こえてくるという感じだ。とてもユニークだ。
テンポが遅いのにダレることがないのも驚異的だ。
その結果、まるでこれまで聞いたことのない音楽を聞かされている感じがある。特にブルックナーは、まるでブルックナーのような感じがしなかった。
感動したり、高揚したりする演奏ではないが、なぜか心に残る。
本当に不思議な演奏だ。

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残りの6曲は昔から愛聴していて、音に満足していたので、発売されるまでその存在を知らなかった25,29,33番の3曲のために買った。
その3曲も良かった。特に33番は初めていい曲と思った。
昔、「何も考えなくても彼が振ればモーツアルトになる。」という評を読んだことがあるが、本当にそうだと思う。

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シェーンベルクとウェーベルンの交響曲を組み合わせたCDは、初めてみた。というか、この2人だけの組み合わせは珍しいのではないのか。
大抵は、ベルクも入れて「新ウィーン学派」というくくりになってしまっていると思う。
ここでホリガーは、純粋に2人の比較を試みようとしていると思う。
シェーンベルクの最もウェーベルン的な作品である作品19のホリガー自身による編曲が、続けて入っているのがキモである。
そして最後は、ウェーベルンの作品5の作曲者自身ぬよる編曲である。ブーレーズが最初のウェーベルン全集の最後にこれをもってきたのを思いおこしてしまゔ。
シェーンベルクの作品9は、以前の録音でも遅めだったが、今回はさらに遅くなっている。もちろんホリガーなので粘り気味にはならない。ロマン的な演奏の対極だ。だからこそウェーベルンとの比較が可能なのだ。
最初は、収録時間の短さからなんでベルクを入れないのかと思ったが必要ないのである。

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雑誌に載っていたものを集めたそうだが、なかなか有益な情報が多く。必読と言っていいと思います。

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