まずコロン指揮のオーロラ・オーケストラが素晴らしい。既発売のモーツアルトの交響曲でピリオド奏法をマスターしていることをみせてくれていたが、今回はその上を行っていると言える。
冒頭のティンパニーの乾いた音がいかにもピリオド。そこにかなり前面に出ている感じで木管がでてくるのに驚かされる。その背後では、さっきとは違う柔らかい音のティンパニー。何より早めのテンポがこの曲の本質をついている。一時のピリオド奏法の演奏のような極端に走ることのない適度な激しさがあり、聞きほれてしまった。
ベネデッティはそうしたオケに負けない存在感を示していてまた見事。
特に関心したのは、オケがメインになってソロが伴奏になった時の繊細さ。これはなかなかできることではないと思う。
しかし、最大の聴きどころは第一楽章のカデンツア。ティンパニーがフューチャアされるのは最近では珍しくもなくなっていると思うが、今回のは別格と言っていいのでは。ティンパニストのセンスの良さにも魅かれる。
名曲だけにいい演奏はいくらでもあるし、関心した演奏も多いのだが、正直繰り返し聞きたいと思ったものはなかった。そしてこの演奏、毎日聞きたくなった。本当に素晴らしいと思う。