メンバーズレビュー一覧

ブラームス: 交響曲第4番、ベートーヴェン: 「エグモント」序曲、バッハ / クルト・ザンデルリング、他

久しぶりに聴き返しましたが名演です。エグモントの風格、グランドスタイルで重厚なロマンの香り溢れるバッハ、いずれも最高ですが極めつけはやはりブラームス。旋律は濡れたような情感を湛えて歌い、トゥッティでは厚く底力のあるMPOならではの凄絶な迫力でドラマティックな起伏を描きます。同じMPOのチェリビダッケの録音も好きですが、個人的にはこの曲に関してはザンデルリンクに軍配。特に終楽章コーダでの、スローテンポでジリジリと高揚するド迫力は圧巻です。録音はヒスが目立つもののオンマイクで明瞭、良好な部類です。

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シルバーセラフさんが書いたメンバーズレビュー

(全51件)

ブランディスとヴェストファルという、カラヤン時代のBPOを代表する2人が率いるカルテットの共演で、まさに小型BPOといった編成です。メンデルスゾーンは溌剌とした名曲で録音も数多くありますが、当盤は若々しさには欠けるものの、ソリッドで力強く流麗なアンサンブルで聴かせます。またヴェストファルQの録音はCD化されているものが少ないので、当盤の存在は貴重です。ブルッフは曲自体が少し魅力に欠けるものの、当時のBPOメンバーならではの抜群のアンサンブルと音色の美しさが発揮されており楽しく聴けます。録音は悪くありませんが、少し高域が硬いです。

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重厚なのにしつこくなく、ムーティならではの歌心とBPOの機能性が相乗し素晴らしいブルックナーを聴かせます。まず4番、競合盤が多いですが、ゆったり目のテンポとまろやかにブレンドされたオケの音色、そしてトゥッティに向けてグワーッと盛り上げていく巧みなアゴーギク&デュナーミクが他にない魅力です。6番も同様、特に第1楽章の豪壮な高揚感はブルックナーと思えないくらいカッコイイですし、緩徐楽章の歌謡的な歌い回しもオペラ指揮者としての面目躍如で絶妙です。そして全体的に金管とティンパニのシャープな響きが、重くなりがちなブルックナーを適度にシェイプしており効果的です。録音も良好。

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凄絶に鳴りまくる第7番に圧倒されます。弦も管もギンギンに鳴っていますが、ことにティンパニの凄いこと!バチンバチンと決まりまくり、特にトレモロにクレッシェンドを付けた第1楽章終盤はカッコよすぎ。深みとか味わいは??ですが、CSOの圧倒的パワーと演奏技術をこれでもかと味わえます。対して9番はオーソドックスで、骨太のフォルムでしっかり聴かせますが、いまひとつ特色に欠けるように思います。録音はすこしカサついていますが良好な方です。

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うーん、オケは抜群に上手いし美しいが、安全運転で面白くないです。メンデルスゾーンはまだ聴かせますが、チャイコフスキーは肩透かしでした。シャイーのマンフレッド、DECCA盤も世評は高いがどうも大人しくてイマイチなんですよね(ダンカーリーによる優秀録音は魅力ですが)。BPOを振ったライブは阿修羅の如き熱演で凄かったので、このルツェルンライブならもしや…と期待しましたが、残念。画質音質は優秀です。

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他の方のレビューにもあるように、マンフレッド最高の名演と思います。優秀録音は勿論のこと、ハイティンクの大きく構えたタクトのもの、コンセルトヘボウならではの深く柔らかな燻銀サウンドの魅力が全開。厚くシルキーな弦に渋く輝く管、地鳴りのように轟き渡るティンパニと、このオケならではの美音に酔いしれる事ができますよ。同じオケのシャイー盤に比べより開放的に鳴らしているのも嬉しいです。

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Philips 50 - Liszt: Sonata in B Minor, etc / Claudio Arrau

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

ロ短調ソナタの極めつけの名盤。この頃はまだテクニックも健在で、その上に深みと色濃い味わいのある芳醇なタッチが他にない魅力です。中庸〜やや遅めのテンポ設定で、この曲の持つロマン性を実に情感豊かに表出しており、アラウの並外れた芸術性を実感。急速部での強靭でスケールの大きな音づくりも聴き応え満点ですし、緩徐部での呼吸の深い節回しも絶品。もう長く聴き続けており、同曲は実演含めて相当聴いてきましたが、このアラウの1970年盤が不動のマイベストです。音質もアナログ完成期のPHILIPSによる優秀録音で不満ありません。

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シューベルト、素晴らしい演奏ですがPHILIPS盤の方が良いと思います。ライブらしい感興、生命感、そういったものは凄まじいものがありますが、この曲ならではの深く濃い、時に死を予期させるような情感の表出といった点でPHILIPS盤に軍配です。音質もクラウス&アイヒンガーの悪癖で、明瞭ながら低音が軽く手応えが半減されているようです(ザルツブルク音楽祭盤、ORFEO盤双方とも同等の音質)。ベートーヴェンは凄演、個人的にはシューベルトよりもこっちに感銘を受けました。

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シューベルトはザルツブルクライブが高名ですが、個人的にはこっちのセッション録音に惹かれます(音質的にも)。細部までよりハスキルの意図が徹底しているし、第1楽章や第2楽章の陰翳の濃さでライブを上回っています。一気呵成の終楽章もライブに引けを取らない集中力で圧巻。第1楽章のリピートは省略されているものの同曲屈指の名演です。ラヴェルも素晴らしく、ゆたかな情感を湛えながらも力強く明晰なリズムがハスキルらしくて小気味よい演奏です。1951年のモノラル録音ですが、明瞭で鑑賞には何ら支障ありません。

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デンオンにはこのルヴィエとベロフのドビュッシー全集がありどちらも素晴らしいが、練習曲集に関してはルヴィエが好みです。解釈は奇を衒う事なく中庸ですが、しっかりと重みのある左手が全体を引き締め、端正で安定したテクニックで安心して聴けます。こういう演奏でこそ、ドビュッシーのスコアの素晴らしさが分かりますよね。仮面や喜びの島も、まさに中庸なのですが平板ではなく、磐石のテクニックに支えられた色彩感あるタッチが眩いばかりの魅力を振りまきます。録音も非常に優秀で、ピアノ録音の理想ともいえるレベルです。

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プリムローズとのVaソナタも勿論名演ですが、なんといってもピアノ小品集が聴きもの。端正かつ陰翳の濃いフィルクスニーのタッチが、ブラームスのほの暗いロマンを見事に表出します。どの曲も素晴らしく最初のラプソディ2番からその美音に魅了されますが、なかでも名作op.119が白眉の名演で、気品を湛えた情感豊かなタッチがなんとも味わい深く、他に代えがたい魅力を放ちます。すべてモノラルですが音質も良好。

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隠れ?名曲、スクリャービン3番の決定的名演です。フランソワらしい粋で大胆な節回しとこの曲が持つロマン性が上手く噛み合って、実に濃密な演奏になっています。緩徐楽章での情感ゆたかな味わいが最高ですね。プロコフィエフも同様、個性的ですが作品の性質から逸脱することなく、強靭な迫力と叙情性を兼ね備えた名演。一度聴くと病みつきです。録音は古いながら悪くありません。

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各曲とも晩年の全集(未完)に収録されたものより断然素晴らしいです。色彩が弾けるような喜びの島、"沈める寺"の圧倒的スケールとミケランジェリも真っ青の表現力、そして"ピアノのために"はフランソワならではの一種のグルーヴ感と鮮烈な色彩にやられます。一転、第2曲のしっとりとした歌い口もたまりません。ベルガマスク〜2曲も、情感たっぷりの美演です。もう相当永く聴いてきましたが、総じて最高のドビュッシーアルバムです。古いながら録音も良好。

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久しぶりに聴き返しましたが名演です。エグモントの風格、グランドスタイルで重厚なロマンの香り溢れるバッハ、いずれも最高ですが極めつけはやはりブラームス。旋律は濡れたような情感を湛えて歌い、トゥッティでは厚く底力のあるMPOならではの凄絶な迫力でドラマティックな起伏を描きます。同じMPOのチェリビダッケの録音も好きですが、個人的にはこの曲に関してはザンデルリンクに軍配。特に終楽章コーダでの、スローテンポでジリジリと高揚するド迫力は圧巻です。録音はヒスが目立つもののオンマイクで明瞭、良好な部類です。

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アバドとブラームス2番は相性が良いみたいで、後年の全集録音や94年の来日公演、同年ヨーロッパコンサートのライブ録音(いずれもBPO)どれも同曲屈指の名演です。中でもこの1970年録音は、なんと言ってもゴールウェイのflが魅力的で、まるでフルート協奏曲かの如くその美音を味わえます。アバドの解釈も、後年と大きな変化はありませんが、しなやかで瑞々しい情感と豊かなカンタービレは後年の録音よりも魅力大に感じます。深々とした弦楽器群の響きも最高。音質は少し古さを感じさせますが、鑑賞に支障ありません。

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素晴らしい全集です。全盛期のカラヤン&BPOの美点が最高に発揮されており、オーケストラを聴く醍醐味をこれでもかと味わえます。中でも第3番と第5番が秀逸。前者は同時期の悲愴にも通ずる情感たっぷりのロマン色濃い熱演。後者は強靭な低弦や機関銃のようなティンパニの凄まじい音響を核としたBPOの重厚壮麗なサウンドを堪能できます。勿論ほかの曲も素晴らしい演奏です。録音も良好。

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往年の名盤ですね。このシングルレイヤーSACDの音質改善は目覚しく、怒りの日等における引き締まった低音、中低音の質感、弱音部での静謐な空気感の再現など従来CDを大きく上回ります。さすがに最新録音のよう、とは行きませんが、カラヤンとBPOの全盛期の名演を望みうる最高の音質で堪能できます。演奏内容についてはもう皆さんご存知の通り、モダンオケ演奏の極地、BPOの圧巻の能力をこれでもかと味わえます。

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強靭な迫力と気品を併せ持った熱演です。スッキリ目のテンポながら、微妙なアゴーギクを駆使し実に情感豊かな演奏を繰り広げます。生命感あふれる推進力も見事ですが、特に緩徐部分ではフランスのアンサンブルである事を感じさせる香り豊かな味わいがあり、充実度の高い名演です。断章も、高い集中力と美音が両立し、同曲屈指の名演と思います。モノラルながら録音も良好。

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チェリビダッケの展覧会の絵というと1986年ベルリン芸術週間でのライブ録音がとかく名演といわれ、中古市場でもかなりの高値で取引されますが、EMI盤こそがチェリビダッケ美学の極地です。オケの澄み切った美しさ、特にキエフの大門が空前絶後の名演で、冒頭の崇高を極めた金管、小波のように押し寄せる弦の透明感、バスドラずらしと大音量(決して煩くない)で響き渡る鐘、そして打楽器を抜いたラストのテヌート終結の余韻、すべてが絶美の天上世界の音楽です。ベルリンライブも人見ライブもこれに比べると俗世の演奏と思えてしまいます(勿論いずれも名演ですが!)。また併録のロメジュリも、究極的美しさと凄絶なド迫力が同居した極めつけの名演。音質も優秀です。

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精緻を極めた演奏。クールで見通しの良いサウンドと、インテンポ気味に整然と突き進んでゆく様が冷徹ささえ感じさせる異様な迫力を生み出しています。管弦打すべてが気持ちよくパリッと鳴り、特にティンパニとバスドラムの鳴りっぷりは特筆もので、胸の空くようなオーディオ的快感を得られます。室内楽的な弦楽器のアンサンブルも見事で、セル時代のクリーヴランド管を彷彿とさせます。DECCAの録音ですが、いつもよりも幾分オフ気味でホール感豊かな素晴らしい音質です。

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名作3曲ですが、いずれも「これ!」という名演に出会えないんですよね。そんな中、トリオ・フォントネ盤は癖が無く、かと言って物足りなさも感じさせない名演で、3曲をまとめて一気に聴かせます。ドイツのアンサンブルのようですが、フランス音楽特有の洒脱な香りも十分、小粋な節回しと確固としたアンサンブルが両立した素晴らしい演奏です。特にラヴェルが秀逸です。録音も優秀。

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シェーンベルクがメイン。最高の名演です。まず、いつものクリアで幾分機械的なポリーニのピアニズムが、この曲にマッチしています。弱音部での冷たい静謐も見事ですが、強奏部での迫力も物凄い。アバドとベルリン・フィルのバックも、いつも以上に気合いが入っており響きの厚みと気迫に圧倒されます。流麗でさっぱりとしたシューマンも良いのですが、こちらは幾分普通でシェーンベルクに比べるとインパクトに欠けます。録音は両曲とも良好です。

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ブランディスQ初期の名盤。ブランディスQはこの曲を何度も再録音していますが、1回目の録音が最高です。中庸を極めた解釈ですが、自然で豊かなデュナーミクと歌心、さすがBPOメンバー達と納得させられる厚みのある響きが心地よく、この曲を聴く時つい手が伸びるのがこの盤です。同じBPOメンバーのフィルハーモニア・カルテット・ベルリンの1987年録音盤(チェロはフィンケ!!)も良いですが、構えの大きさと響きの豊かさでブランディス盤に軍配が上がります。アナログ完成期の録音も非常に優秀。

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アーノンクールと聞いて連想する尖った表現はまったくなく、拍子抜けするほど優美で情感豊かな、典雅な演奏です。テンポは遅く、ややモッサリ感のある演奏ですがそれが不思議な魅力を放っており、時々やけに聴きたくなる盤です。奥さんのヴァイオリンも、際立った個性は無いもののまったり伸びやかに弾いていて好感が持てます。古い録音ですがオンマイクで鮮明な音質です。

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シューベルト:「冬の旅」

ハンス・ホッター

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

懐かしの名盤ですね。個人的にムーアとのEMI録音を最も愛聴していまして、それに比べテクニックは落ちたものの円熟味、深みを増し人生の晩秋を思わせるような渋みのある味わいがあり時折無性に聴きたくなる盤です。全く若者の歌という感じではなく、人生の年輪を感じさせる歌唱ですが、この深い情感の表現は圧巻です。ドコウピルのピアノも、賛否両論ですがホッターの声質に合ったゆったり深みのあるタッチで悪くありません。録音も古いながら良好。

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圧巻の名演。まずグラズノフ、こんなに良い曲だったのか!の目から鱗の大演奏です。快適なテンポと骨太の筆致で、これぞロシアン交響曲の筆頭だと言わんばかりに実に堂々とした熱演を繰り広げます。ヤルヴィやスヴェトラ盤もありますが、オケもそれらに一切劣らぬ超好演で大満足。悲愴も凄い。金管が粘りティンパニが炸裂しまくる第1楽章展開部や第3楽章の恐るべき超重量級ド迫力、情感たっぷりに弦が歌い抜く終楽章、どこをとっても圧巻の表現です。オハコのリャードフも濃厚な味わいで素敵です。録音は低音が若干スッキリ目ですが自然なライブ録音で良好。

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魅力のクリスタル硬質なタッチが光る美演です。ベルガマスクも版画も、ワイセンベルクらしいキレと透明感、クールで爽快な音づくりが存分に発揮されていて、良い方向でカッチリしておりカッコイイです。ドビュッシーときいてイメージする洒脱で軽妙な演奏とは対極にあるような、音符を即物的に打ち出したような演奏ですが、それによってドビュッシーの考え抜かれた作曲技法が克明に浮き上がります。エチュードは11番のみですが超名演、全曲を聴いてみたかった。録音も優秀です。

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レオンハルトのゴルトベルクでは、個人的刷り込みもありますがやはりこの3回目の録音がいいです。オンマイクの生々しい音づくりと、ゆったりとした典雅なテンポと節回しが魅力的で、繰り返し全カットではあるものの物足りなさを感じさせず(それで約48分)、高い集中力をもって聴かせます。ひとつひとつの音を丁寧に、慈しむように奏でており、そのためチェンバロの音色も一層美しく響き渡ります。絶品。SACDで聴くと、元々良い音質が更に良いです。

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今更レビューするのも気が引けますがカラヤンの最高傑作、そしてトロヴァトーレの最高の名演です。まだ元気だったカラヤンの美しく劇的な音づくりと超豪華キャストのこれ以上はないドラマティックな演奏、そしてカラヤンによる演出も分かりやすく、これぞヴェルディを聴く醍醐味です。皆さんご存知の通り、コッソットのアズチェーナが歌唱・演技とも神懸り的でまさに圧巻。ラストの凄絶を極めたド迫力は何度観ても(聴いても)我が身が金縛り状態になります。画質、音質ともこの年代としては良好です。

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楽器をたっぷりと鳴らし骨太で雄渾、それでいて繊細な抒情も十分に持ち合わせた名演です。ソナタは起伏を大きく描き、歌う所ではじっくりと歌い速い所では畳み掛けるようなド迫力で聴き応え満点です。所謂ショパンらしい演奏とは言えないのでしょうけど、こういう演奏たまらなく好きです。ヴェデルニコフでop.58も聴いてみたかったなぁ。スケルツォも重厚な演奏で、特に2番はフォルテの重みと弱音部の繊細な節回しの対比がたまりません。バラードも両方とも素晴らしく、ドラマティック&ロマンティックの極みです。最後のマズルカもオマケではなく聴き応えがあります。音質はソナタは良好ですが、スケルツォとバラードはやや古めかしいです。マズルカのみモノラル。

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シューベルトはEMI盤も良いですが、こっちのライブ録音は更に豪快で凄い生命力と緊迫感で圧倒的。速めのテンポで劇的な起伏を描きながら、この大曲を一気呵成に聴かせます。ホルンの分厚い強奏や地鳴りを立てるティンパニ等、凄まじい迫力です。音質もEMIより厚みがあり、ライブ録音ながらアナログ完成期の素晴らしい音質でこの名演を堪能できます。ドヴォルザークもまた凄い。どちらかというと地味な作品ですが、ソロもオケも燃えに燃えており聴き応え満点です。

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D960の決定的名演。カーネギーホールでのライブ録音もありますが、こちらのセッション録音の方がより朴訥とした語り口でゼルキンらしくて好ましいです。幾分ゆったり目のテンポで武骨な肌ざわりが魅力的、ベートーヴェン的な骨太さを感じますが情感も豊かでさすがの表現力で聴かせます。D959も長く愛聴していますが、同様に男性的な芯の強さと自然な節回しが魅力。終楽章の愛らしい主題も武骨で飾り気のない歌心に惹かれます。レリークはなかなか満足できる演奏に出会えませんが、モノラルながら素晴らしい名演で満足。古いながら録音も全般に良好です。

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あまり話題になりませんが、「死と変容」が大変な名演です。じつにオーソドックスな解釈ながらコンセルトヘボウをじっくりたっぷり鳴らし、美音の洪水といった趣で、この上なく耳に快感です。ここぞと言う時の迫力も凄絶。同時期のブルックナー同様、特にティンパニが非常に良い音で轟き渡ります。録音も優秀。メインのアルペンはよく知られた名演、同様に奇を衒うことなく正攻法でオケをじっくりと鳴らした美しい演奏。後年LSOとのライブ録音よりもこちらの方が伸びやかで好ましいです。

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第1番、圧巻の名演です。MPOとのライブも凄かったですがその更に上を行く演奏です。分厚くも引き締まったサウンド、小気味よいテンポ、絶妙なデュナーミク、全てが完璧です。第4番もムラヴィンスキーもかくやの雄渾な熱演。そしてエロイカがまた凄い。気合いの入り方が尋常ではなく、厚く唸り上げる低弦や咆哮する金管、そして轟き渡るティンパニ等、ヴァントのタクトにオケも熱く応えており迫力満点です。序曲集はややインパクトに欠けますが正統派の美しい演奏。いずれも音質優秀。

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厚く精緻な演奏で聴き応えがあります。確かに熱い演奏とは言えませんが、BPOの高度な合奏能力とアバドならではの柔軟なタクトがこの名曲の魅力を分かりやすく伝えてくれます。気高き幻想の弱音部における透明感ある室内楽的アンサンブルも凄い。交響的変容は旧盤よりも豪快でオケの魅力全開の決定的名演。全体的に録音も優秀です。

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しっとりと情感たっぷりの節回しと、アナログ円熟期の美しい録音が耳に心地よいです。テンポ、デュナーミク、いずれも過不足なく自然体、それでいて充実度の高い名演。名手シュタイナーのVcが活躍する第2番がとくに素晴らしく、全盛期のベルリン・フィルの弦楽セクションを支えた名手たちの妙技を堪能できます。音質優秀。

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理想的ブル8です。ゆったり目のテンポと、深く豊かなBPOの響きが最高です。オケの性格から、VPOとの録音よりも引き締まった緊迫感があり一瞬の弛緩もありません。大河のように滔々とした第3楽章が白眉でしょう。他のサイトのレビューにもありましたが、ティンパニは言うほどオフでしょうか?我が家の装置では、フォーグラーならではの硬質な打音がしっかりと記録されています。

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賛否両論ですが、この頃のワイセンベルクならではのクリスタルなタッチと快速テンポに乗ったバリテクが痛快で病みつきです。第3番終楽章なんかは唸りを上げるようなドライヴ感がたまりません。第2番も、硬質でマッシブな迫力を強く感じさせる異色の演奏で面白いです。録音も両曲とも良好。

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各所で絶賛されている通り、最高の幻想です。遅いテンポで重量感たっぷり、バルビローリらしい豊かなカンタービレとオケの優秀な機能性が相乗し、他に類を見ない充実度を誇ります。しっとりした情感とともにここぞと言う時の迫力も満点。ハイドンも最高で、懐かしい歌心に満ちた美演に満足。音質もこの時代の放送録音の水準を大きく上回り量感たっぷりで優秀。

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素晴らしいです。オロペサのジルダは見た目にも美しく、もちろん歌唱・演技とも最高。アルバレスのリゴレットもハマり役。マントヴァ公爵も上手い、美声もさることながらイヤミな感じもよく出ています。演出も、シンプルで分かりやすくGoodです。そしてパッパーノ率いるオケ、骨太で緩急自在、このオペラに相応しい劇的な起伏を描く素晴らしい熱演が圧巻です。画質・音質ともに優秀!

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シューマンの謝肉祭って名曲なんだなと、改めて実感させられる鮮烈な名演です。ミケランジェリには複数の音源がありそれぞれに良さがありますが、このベルン盤は完成度の高さと生き生きとした表現が高い次元で両立していて抜きん出て素晴らしいです。パガニーニやパピヨンあたり、この頃までのミケランジェリならではの胸のすくようなピアニズムを堪能できます。ウィーンの謝肉祭の道化も最高の名演、強靭・美麗なタッチ全開。スカルラッティとグリーグも抜かりなく、繊細な情感を湛えた名演です。音質はミケランジェリのライブ録音の中でも特に優秀で、非常に明瞭です。

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ルーセルはドイツオケということもあり、エラート盤よりドスの効いた重厚なサウンドが圧巻。特にスケルツォでのザクザクと豪快に斬り込む弦の音色がたまりません。名曲だなぁと改めて実感。牧神も良いです。ミュンシュならではのドラマティックなうねりと官能的高揚、そしてフルートの楚々とした歌に感動です。フォーレも、ミュンシュが爆演熱演だけの人でなく見事なバランス感覚の持ち主だった事を証明する詩情ゆたかな美演。リストは様々な競合盤を聴いてきましたが、際立った個性には欠けますがピアノ、オケ共に強靭な迫力と濃密な叙情性を備えた名演です。音質も明瞭で優秀。

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芥川の交響曲は名作でいくつか音源があるが、この自作自演盤が良い。古いが明瞭なオンマイクの音質も相まって、骨太で荒削りな音でグイグイ押す快演。オケの熱演も特筆もので、厚みのある熱いサウンドが興奮を煽る。交響3章も同様、迫力ある熱演。また森のトリプティークもキレのあるリズムが活きた快演で一聴の価値あり。いずれも音質良好

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全体的にかなり遅めのテンポ設定で、大河のようにゆったりと、構えの大きな音楽が展開されます。全盛期のベルマンならではの豪快な迫力は影を潜め、その代わりに圧倒的なスケールの大きさと豊かな年輪を感じさせる情感を得て、実に味わい深い名演を繰り広げます。ゆったりと、どっぷりと、この名曲の調べに身を浸す事ができます。録音も良好。

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凄い、これぞロシアンピアニズム。遅いテンポで弾き上げる第2楽章の濃厚なロマンは圧巻で、途中で拍手が起こるほど。速いパッセージの豪快な切れ味も、この頃のベルマンならではで痛快です。ライブ故にミスタッチも散見されるがそれを補って余りある熱演。ヘンデルとプロコフィエフも、強靭さと豊かな情感を両立させた大変な名演です。古いモノラル録音ながら音も良好。

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端正で伸びやかな名演。特にハウプトマンのホルントリオはテクニックも音色も申し分なく、もっと知られても良い隠れ名演だと思います。ピアノトリオは個性的ではないものの、クセが無く透明感ある演奏で素敵です。同時期録音の、クリストが加わったピアノ四重奏曲集では骨太マッチョな演奏でしたがここでは幾分控えめで叙情的な演奏となっています。録音優秀。

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これは楽しい、美しい。ポップの甘い歌声をたっぷり堪能出来ます。特にスメタナやモーツァルトでの歌唱は絶品中の絶品で、唯一無二の名演でしょう。録音年代にはバラツキがあるものの、いずれも素晴らしく、オケもぴったりと寄り添っており、甘美な弱音から分厚いトゥッティまで表情豊かで総じて好演です。個人的にあまり馴染みのなかったシュトルツも最高。全般的に音も良いです、オススメ!

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ラフマニノフとバルトークが最高。交響的舞曲、硬質で引き締まったBPOの響きとマゼールのストレートな解釈が相乗し、クールでモダニズム溢れる名演です。Timpをはじめとした打楽器も良い音!バルトークのオケコンも最高クラスの名演で、精緻かつ豪快、そこにマゼールならではのクセ(これがいいんです)が加わりオーケストラ演奏の極致といった趣で抜群に楽しめます。こちらも硬くキレの良い打楽器が効いていますね。ベルリオーズは名演の誉れ高いですが、音質・演奏共にややベッタリとしており印象に残りません。

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モノラルですが比較的安定していて十分聴けます。既に各所で語り尽くされた伝説的演奏ですね。メインのブラームスが凄絶の限りで聴く度に圧倒されます。それにしてもBPOの凄まじい響き、特に雄叫びを上げるHrの強奏と爆発的に打ち込まれるTimp(名手フォーグラー教授)には戦慄を覚えます。一方で、しなやかで息苦しさを感じさせないフレージングにカルロスのセンスの良さが表れており、単なる爆演に終わらないのが凄いところ。

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まずフルニエのVc、気品と力強さを備えており文句なしです。バックハウスとの録音も名演ですが、鮮明なステレオ録音である当盤にやはり惹かれますね。この気高く香り立つような品位はやはりフルニエならでは。そしてフィルクスニーのPfが素晴らしい。フルニエにぴったりと寄り添いつつ、しっかりと存在を主張する美麗なタッチ。フィルクスニーのブラームスの素晴らしさはEMIの小品集(間奏曲集、4つの小品op.119ほか)で実感しましたが、ここでも抜群の適性を感じさせます。文句なしの名演です。音質も明瞭で不満なし。

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最高ですね、まず選曲が良い。冒頭のバルトークから香るような気品を湛えた美音と鮮やかなテクニックに忽ち魅了されます。シュヴァルベのVnは勿論のこと、エンゲルのPfがこれまた絶品で、シュヴァルベに寄り添いつつ確りと主張しており、単なる伴奏役を超えた圧巻のピアニズムを聴かせます。特にツィガーヌは、両者の最良の姿を記録した圧倒的な完成度を誇る超名演だと思います。サパテアードも、曲芸的に弾き飛ばすのではなく正確な発音と美しい弓使いには背筋の伸びる思いです。音質はうっすらヒスが乗っているものの、鮮明なステレオで良好です。

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