ここ数年、このような大全集ものが増えてきたが、どうしても演奏が玉石混淆であったり、録音にバラツキがあったり、まあ安いから買っておくか、というものも多かった。しかしこのアルバン・ベルクは凄い。録音も演奏も未だに現在の最高峰の一つだ。モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、ベルク等は二種類の演奏が収録されているが、それぞれ趣が違うので聴き比べが楽しい。録音の違いの影響もあるだろうが、大まかに言えば、1回目の録音はしなやか、再録音はシンフォニックと言えるか。しいて言えばシェーンベルクも録音して欲しかった。バラでいくつか持っている方が多いだろうがこのセットで全貌を知ってもらいたい。