ブラームス:ドイツ・レクイエム

ダニエル・バレンボイム、他

第5曲のソプラノ独唱をマティスの歌唱で聴ける貴重な録音。ただし、全体を通して合唱が粗く感興を削ぐのが残念。

シェイクスピア全集 1 ハムレット

ウィリアム・シェイクスピア、他

わかりやすい言い回しに加え、豊富な脚注がものすごく理解に助かり勉強になります。また訳者あとがきで翻訳の裏側というか苦労談も伺えてとても共感ができます。松岡先生、素晴らしいです。

小林道夫の芸術X J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲

小林道夫 (Classical)

毎年12月に東京文化会館小ホールで開催される小林道夫氏のゴルドベルク変奏曲演奏会。昨年2021年の公演は小林氏が体調を崩されて中止となり、この8月に結果的に延期された形て開催される。本CDの演奏は中止となった昨年の前年の演奏であるが、とても端正で真摯な演奏だと思う。最近はピアノによる表情豊かな演奏に接することが多いが、チェンバロでのこの演奏はなつかしい、心が温まるものである。第25変奏もさらりとした感じで人によっては物足りなさを感じるかも知れないが、筆者は、もたれない大変見通しの良い演奏として好印象をもった。
録音も大変鮮明であるが、編集がいただけない。曲間が無音なのである。不気味なまでの無音。ライブ録音を謳っているなら曲間の会場の空気感も演奏の一部として大切にして欲しいと強く感じた。曲目がゴルドベルクならばなおのこと、曲間の間合いも演奏の重要な要素といえる。編集者はセッション録音のような完成品を目指したのかもしれないが、アリア・ダ・カーポの後にはアンコールの曲名紹介をする小林氏の声を収めるためか拍手が収録されており、こうなると一貫性がない。星の減点はこれが理由。願わくば、曲間の会場ノイズをカットしない完全なライブ録音盤を出して欲しいと願う。

スウェーデン放送所蔵音源によるバイロイトの第9

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、他

ベートーヴェン: 交響曲全集、ピアノ協奏曲第3番&第5番(ミニ写真集付)＜限定盤＞

ヘルベルト・フォン・カラヤン、他

最終決定稿とかいって、手を替え品を替え出してきているに過ぎない。キリがない。悪質な商法であり、大いに憤慨する。

Beethoven: Symphony No.3 Op.55 "Eroica" ［レーザーアナログプレーヤー「エルプ」］

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、他

レーザー復刻の旧盤を持っています。新採取とかいってキリがない感じ。この手の企画は、いい加減にして欲しい。まじめなリスナーを馬鹿にしている。もう手を出しません。（Ｈ社にも同文を投稿したが多分没にされると思います。）

J.S.Bach:Goldberg Variations (1955:Zenph Studios) :Glenn Gould(p)

グレン・グールド

あまり評価されていない本盤ですが、面白い試みで小生は高く評価したいと思います。確かに唸り声がないグールド録音は不完全かもしれませんが、30th Street Studio に響いた音を想像するのは素晴らしい楽しみだと思います。本物志向というより再創造の楽しみと割り切って考えればよいと思います。

ブラームス: 交響曲全集＜タワーレコード限定＞

クラウディオ・アバド、他

覇気のある若々しい演奏で、特に２番は同じＢＰＯとの新盤と比較しても歌心という点では新盤を凌駕している。ところで、録音記録をみるとＳＫＤはアバドと３番を録音する３ヶ月前にザンデルリンクと同曲を録音しているんですね。比較も楽しい。ただ、この全集、ドレスデンとロンドンの録音がひどい。抜けが悪いし、管楽器に比べて弦が弱くバランスが悪い。これがＤＧの録音か？と耳を疑うような録音。残念。

J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番・第2番 2つのヴァイオリンのための協奏曲＜初回生産限定盤＞

アルテュール・グリュミオー

２つのヴァイオリンのための協奏曲は、大変バランスの悪い録音。グリュミオーのヴァイオリン以外聞こえないといっても過言ではないくらい第１ソロが出しゃばり、第２ソロが引っ込み過ぎ。これでは掛け合いの妙が聴こえない。２０年以上前に学生時代に聴いて、これをきっかけにグリュミオーの他の録音まで聴く気がなくなってしまった。ハッキリいって駄盤！

ブルックナー:交響曲第7番

カルロ・マリア・ジュリーニ、他

第１楽章は大変美しい演奏だが、コーダの加速に違和感。イン・テンポで進めてくれればよいのに。第２楽章はこの演奏の白眉であり、遅いテンポでじっくり歌った感動的な秀演。第３楽章はやや緊張が弛緩した印象を受ける。第４楽章のテーマをレガートで歌わせる解釈には違和感を感じる。スコアを見ると「こういうやり方もありかな」とは考えられるが。

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲/ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ＜完全生産限定盤＞

五嶋みどり

チャイコは、完全全曲版ではなく慣行短縮版による演奏。何で？あえて今さら？の観がある。ショスタコでは、第３楽章から第４楽章に至るソロに深い彫りが聴ける。両曲とも完成度の高い演奏だとは思うが、チャイコにはさらに高い燃焼度を、ショスタコにはより一層の狂気を求めたい。アバドがバックだとどうも常識的な線に収まってしまうのだろうか。それから演奏後の拍手と歓声が２つの曲とも同じものに聴こえてならない。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番/第26番「戴冠式」 (1978):タマーシュ・ヴァーシャリ(p/指揮)/BPO＜タワーレコード限定＞

タマーシュ・ヴァーシャリ

第14番の第2楽章がとってもステキです。遅いテンポでじっくりと歌いこんでおり、この楽章の素晴らしさを認識すること請け合いです。オススメ！

シューベルト：交響曲第９番「ザ・グレイト」／カール・ベーム、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団＜限定生産＞

カール・ベーム、他

演奏はともかく、カメラワークが最低。誰が曲の盛り上がりでムジークフェラインザールの天井を見たいですかね。フーゴー・ケッヒって監督は何を考えているんでしょう。理解に苦しみます。