マタチッチと数々の名演を聞かせたN響の奏者の方々や宇野功芳さんにこれを聴いてほしかった。2024年のベストアルバムと言っても過言ではない豪快な演奏です。異なる年代や会場の録音の寄せ集めではなく、チクルスとして半年かけて同じ会場で演奏されたライヴの録音ということで演奏・音質のバランスも良く(演奏後の拍手がスッと切れる感じが怪しくはありますが)、マタチッチ晩年の指揮ながら迫力が感じられ、聴いていて元気になります。これを聴いてN響との最初の9番や最後の2番、7番を聴くとN響のほうが渾身・壮絶な力演という感じがしますが、ザグレブ・フィルとの演奏ではアットホームな感じで、普通の名演を聴くことができて感動しました。