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第184回 ─ デバージ・ファミリーの栄光と没落、そして……

デバージ家の再評価を促したリサイクル&コラボを厳選紹介! (その2)

連載
360°
公開
2009/08/26   18:00
更新
2009/08/26   18:09
ソース
『bounce』 313号(2009/8/25)
テキスト
文/出嶌 孝次

8. WARREN G
『I Want It All』
 G Funk/Restless(1999)
AOR的なメロウネスの使い手としてデバージと通じる部分もあるGファンクの頭目。“I Like It”をグルーヴィーに用いた本作の表題曲はこの時期のウェッサイ復権を象徴するクラシックとなった。“G-Spot”でエロく囁くエルはウォーレンの次作『The Return Of The Regulator』にも参加。

9. TAMIA
『A Nu Day』
 Elektra(2000)
クインシーの肝煎りでデビューした美女シンガー。そのことも関係あるのかどうか、ここでは“Love Me In A Special Way”が取り上げられている。ストレートなカヴァーだと女性が多くなるのはエルの中性的な声質ゆえか。

10. SOUNDTRACK
『Moulin Rouge!』
 Interscope(2001)
ユアン・マクレガー&ニコール・キッドマンが主演したミュージカル映画のサントラ。ベックらの豪華メンツやキャストの歌が並ぶなか、ラテン系シンガーのヴァレリアが“Rhythm Of The Night”を賑やかにカヴァー。楽曲そのものが持つ軽さが享楽的な映画のムードにマッチしている。

11. ASHANTI
『Ashanti』
 Murder Inc./Def Jam(2002)
ビギーの“One More Chance/Stay With Me”を転用する孫引きの格好で、またもネタ人気に火を点けたのが彼女のデビュー・ヒット“Foolish”だった。さらにアコースティックなアレンジが印象的な佳曲“Dreams”は、“Love Me In A Special Way”のポジティヴな替え歌(?)だったりする。

12. KESHIA CHANTE
『2U』
 Sony Canada/BMG JAPAN(2006)
カナダ出身のティーン・シンガーの本邦デビュー作。“A Dream”を敷いて可憐な歌唱を聴かせる“Unpredictable”は本国でのデビュー作『Keshia Chante』(2004年)からのヒット・シングルだが、こっちで聴くのが手っ取り早い。しかし、このネタを使えば大概OKに聴こえてしまう……。

13. MASTER P
『Ghetto Bill Vol.1』
 The New No Limit/E1(2005)
かつて“Life I Live”で“All This Love”を用いていたP大将だが、本作収録の“It's All Good”では直球なノリで“I Like It”をベタ敷き。原曲を歌う女声と野太いラップの絡みが格好良い。ノー・リミット産品ではスカル・ダグリーの“If It Don't Make $$$...”も“I Like It”使いの逸曲だった。

14. RIHANNA
『Music Of The Sun』
 SRP/Def Jam(2005)
デビュー時のリアーナも恩恵に与っていた! スパニッシュ・ギターをあしらった哀愁系の表題曲のフックは“Rhythm Of The Night”を暗めのトーンで歌い込んだもの。また、Gな味わいもある“There's A Thug In My Life”はアレンジと歌メロの両面で“A Dream”を巧く引用している。