『Portrait with No Name』 EMI Music Japan(1996)
ロマンティックなポップスが並ぶが、穏やかなブレイクビーツと繊細な電子音がソフトに溶け合う“Field Glass”“流れ星ひとつ”など、歌ものエレクトロニカ的な楽曲もちらほら。美麗コーラスが印象的なSMAP“どんないいこと”のカヴァーも収録。
(土田)
『A Sigh of Ghost』 EMI Music Japan(1997)
ギターとリズムがスリリングに拮抗する“Run After You”から飛翔感溢れる表題曲と、疾走ドラムンベースでアッパーに幕を開けるミニ・アルバム。ピアノ中心の壮大なバラード“SET SAIL”をはじめ、コンパクトながらキャッチーな楽曲揃いなので高橋作品入門編としても◎。
(土田)
『A RAY OF HOPE』 EMI Music Japan(1998)
ビートルズ“I Need You”のドラムンベース・カヴァーがえらくクールな本作は、電子音で薄くコーティングしたミディアム~スロウなポップスが揃う。前作の楽曲なども収録され、その路線も踏襲しつつ、さらに洗練されたジェントルかつエレガントな空気感にうっとり。
(土田)
『THE DEAREST FOOL』 EMI Music Japan(1999)
近作では一部に留まっていたブレイクビーツやドラムンベースがほぼ全編に敷かれ、躍動感が著しくアップ。アンビエント・テクノからドリーミーなポップス、ダンス色が強めのエレクトロニカなど、すべてが瑞々しい感性に彩られた(良い意味で)大御所らしからぬ一枚だ。
(土田)
SKETCH SHOW 『LOOPHOLE』 daisyworld discs(2003)
エレクトロニカという手法を究めて行き着いた彼らの初作。作風はミニマルなのに肉体性を強く感じる仕上がりになっているのは、細野と幸宏という50代の2人にファンクネスが染み込んでいるからか。メロディー自体はセンチメンタルだが甘すぎないのが良い。
(岡村)
『BLUE MOON BLUE』 EMI Music Japan(2006)
細野晴臣、スティーヴ・ジャンセンなど盟友たちに加えて、メルツやハー・スペース・ホリデイら新世代アーティストも参加。エレクトロニカの要素を持ち前のポップセンスで消化しつつ、ビートのしなやかさ、多彩さは流石ドラマー。近作での方向性は本作で確立された。
(村尾)
サディスティック・ミカ・バンド 『NARKISSOS』 コロムビア(2007)
グラマラスなスタイルはそのままに、メンバー個々のロック魂が炸裂した2度目の復活作。2007年型“タイムマシンにおねがい”のような“Big-Bang Bang(愛的相対性理論)”など、汗とは無縁(風)のオジサマたちが8ビートで弾けまくり!
(土田)
pupa 『floating pupa』 EMI Music Japan(2008)
温もりのある生楽器の音色にも、軽やかな電子音の響きにも、メンバー各々の記名性の高い個性が自然と溶け出し、美しく融和しているアルバム。そのしなやかさで、エレクトロニカ・ベースのポップスをJ-Popフィールドまでしっかりと届けた。
(土田)
HASYMO 『The City Of Light/Tokyo Town Pages』 commmons(2008)
ニュース番組のテーマ曲などを含むマキシ・シングル。生楽器による演奏が主軸になっていることで幹がブッとく聴こえるのが何よりの特徴。一見単調なエレクトロニカなのに、スキルを備えた3人のプレイヤビリティーの高さに打ちのめされる。
(岡村)
イエロー・マジック・オーケストラ 『LONDONYMO』 commmons(2008)
マッシヴ・アタックからの招きで実現した〈Meltdown〉での演奏を収録。YMOとしての代表曲も聴けるが、当時の演奏より明確に図太く、表現も豊かになっているのが伝わってくる。バック・メンバーのフェネスや高田漣らも良い働き。
(岡村)